花には蝶 人もその匂いに誘われる
私は保護司をしていますが、先日1号観察の対象者と面談をしました。
対象者と面談をする前に、犯行の経緯や経歴などの資料に目を通します。
そして、その生い立ちをみると家庭環境が悪く、小さなときから大変つらい思いをして人生を歩んできたのだと想像し、心を痛めることが多いのです。
人間に生まれながらの悪人などは、一人もいません。みんな最初は純朴なのです。
一番は親に責任があると思うのです。
一昨年、県内のある中学校で、学生がトイレで覚醒剤を使用して、逮捕された事件がありました。
まさか中学生が!と、とても驚いたのです。
自分の時代では考えられないことです。
またその子の父親は麻薬密売人だったそうです。そんなバカなことをする親が、世の中にはいるのだと哀しくなりました。
話は変わりますが、昨年私は薬物乱用防止指導員に任命されました。
これは、地域における薬物乱用防止に関する啓発活動を積極的に推進するため、知事がその地区の保護司や更生保護女性会の人などに委嘱します。
今は若者を中心に、大麻の薬物事犯者が急増しています。
友人に誘われて、最初は軽い気持ちで大麻に手を出してしまうケースも多いようです。
昔は覚醒剤や大麻など一般人には入手ルートがなく、手に入れることは困難でしたが、今は簡単に入手することができます。
ある秘匿アプリをダウンロードして、密売人のIDを入れれば一瞬で密売人とのホットラインが繋がり、そこで取引方法などを決めて、履歴も残らず安全に違法薬物を入手することができるのです。スマホさえあれば誰でも手に入れることができます。
恐ろしいことです。薬物の魔の手が子どもたちの身近なところにも迫っています。
薬物だけは手を出してはいけないのです。
人生が狂います。
薬物は自分だけではなく、周りの人も不幸にします。
全力で阻止しなくてはいけません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昔、素行の悪かった私の将来を心配して、天理教を信仰する大叔父が、私に教えてくれた話があります。
それは、天理教原典『おふでさき』の一首。
この歌を台にして、大叔父は優しく諭すように、このようなことを話してくれました。
今でもこのことばが胸に刺さっています。
そして亡き大叔父に感謝をするのです。
親は選べませんが、友や師は選べます。
誰を選ぶかが人生において、とても重要なのです。
素晴らしい人との出逢いは人生を変えます。
罪を犯す人も大半はみんな人生をやり直そう、良い人になろうと、日々努力をしている人たちだと思うのです。
だから社会は更生保護の理解が必要なのです。
特に将来のある若者には、犯罪に手を染めて、人生を狂わせてもらいたくないのです。
正しい道を歩んでもらいたいと、切に願うのです。
−了−
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
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