ぼっち在宅介護 久々の小さなせん妄の話。
最近、やっと点滴離脱ができ、やる気に満ちていた父ですが、まぁ、いわゆる躁鬱もあったのかもです。元気な日の翌日は、ちょっとしんどそうで…
調子のいい時、調子の悪い時が、なんとなーく交互に来るんですけれど。
不思議と、一日のサイクルは守られていて、2年前のせん妄とはずいぶん違うなぁ…と言う印象です。
薬は変わらずクエアチピンのみで。
血圧が高すぎるときは、血圧の薬も飲んだりしますが…基本飲んでいません。
で、ずっと、せん妄とは気づかずに1週間過ごしていまして。
昨日、嚥下のリハビリ終わりに
「もう帰りたい」
と言われて、気づきました。
それくらい、せん妄の波が落ち着いていると言うか、不機嫌感が浅い気がします。
目があっちゃいってる(壁や天井をじっと見ている)感じになっても、よほどでなければ、入れ歯の掃除や歯磨きも受けてくれています。
昨日は、嫌がりがちな上髭カットも受けてくれました。
いつもせん妄気味だとかなり嫌がるのに…
実は朝一番、私が寝坊気味でして、部屋に行くのが遅めでした。
とても調子が悪そうで、布団が荒れて、目つきがやばかったんです。壁越しに明後日くらいを見ていました。
首周りもガチガチに緊張し、体がかたまっていました。そうなると、やっぱりせん妄ぽくなってるんですが。
私自身、2年前のキツイせん妄を潜り抜けてきてるので、一気にそっちの世界に入らないで済ませるコツというか、父との向き合い方テクみたいなのがぼんやりと備わってるようでして。
あまり、『The せん妄』と言う感じにならず、午後まで過ごせていました。
訪問看護が午後からあって、いつもよりキツく吸引を嫌がり、声を荒げる瞬間がありました。が、それでもやってくれました。
で、その後の嚥下リハビリで、せん妄ぽいな…がわかった次第です。
きっかけはなんだろう?
ここ最近、私が父の部屋の壁を拭いてしまい、壁が少し白くなったりしたのもあるかもしれません。
前日、ケアマネさんが来たからかもしれません。
(新しいケアマネさんは、一年くらいになるかもですが…女性から若い男性に変わられて、父が眠っている時の訪問が異常に多くて、認識がびっくりするくらいないのです)
私が畑に出た時間があり、ちょっと不安になったかもしれません。
(畑に行ってもらわないといけない認識はあるので、声がけして出るときは留守番を引き受けてくれるのですが…いない時間が長く感じてしまうと不安になるのです)
気温も落ち着いてきましたが、湿度が高くて外に出ると汗でべちゃべちゃになる気候でした。
ちょっと息苦しいかんじが私でもする数日です。
こんなあたりかなぁ…
いずれもありうるし、合わせ技もあります。
で、リハビリで、緊張していた首をほぐしてもらい、目もぱっちり空いた父は、テレビを見れていました。
なのに、終了後、久々のせん妄ちっくがポロリ。
「もういい、帰りたい」
と、言語聴覚士の先生と私に言うと、部屋を見渡し、壁越しの明後日を眺めていいました。
「ありゃ、せん妄かなぁ…家なんだけどなー、壁拭いちゃったからかなぁ」
と私が言うと…
「あ、そっか!なんか違う!なんか明るい!って思ってたんですよ。壁、白くなりましたねー」
と先生がいいました。
「いやー、壁拭くとかあんまりよくなかったかなぁ…」
と私が言うと
「いやー、綺麗ですよ。ねぇFさん。」
と先生は父のわからなくなったことも肯定しつつ、私の行為も肯定しつつ、部屋が自室であることを何げなく会話越しに伝えてくれました。
すると、父は目線をテレビに映してくれました。
「首痛かったねぇ。ちょっと楽になった?」
父は頷きます。
「ちょっとしんどいねぇ、今日」
父、頷きます。
「湿度がね高いのよ。みんなしんどくてねぇ。オヤジはそれで夜眠れなかったかも知んないね」
「。。。」
父のすごいところは、せん妄でも食事をとってくれることです。
食べると落ち着いてくれますし、眠さがやってきます。
夕方、食事をとるか聞くと、大きく頷きました。が、用意をしている間に眠さが来てしまいました。が、声をかけて食べてもらいました。
眠い中、歯磨きも受け入れてくれ、入れ歯も洗えました。
これでガツンと眠れたら、明日は元気のいい日がやってくるかもしれません。
躁鬱というのは、誰しもありますよね。
シンプルに言えば、いい時。悪い時。
周りが要因だったり、自分が要因だったりいろいろ原因はあります。合わせ技もありますし。
それは、高齢者でも若い方でもあるし、傷病人でも健康な人でもありますよね。
ただ、その波が身体やメンタルの状態によっては、派手に症状でてくるのかなぁ…と思うのです。
父の場合は高齢ですから、
脳の回路が
⚫︎つながりやすい時
⚫︎フリーズな時
⚫︎ネット回線がぷつぷつ切れるような時
⚫︎パソコンがオーバーヒートするような時
があります。
体のパーツと一緒で、
筋肉が落ちてうまく足が踏ん張れないとか
視力が落ちて焦点が合わせづらいとか
物との距離感が掴みにくいとか
そういうことがあるので、苦手なパーツに負荷とか不安がのっかってきますと…やっぱりうまく作動する方にいきづらいんだとは思います。
でも、全くいかないわけではなくて…うまく作動する方にいったケースを、父も私も経験しますと…わりとスッと脱出できるようになってきた気がします。
以前は、早くせん妄から脱出させないと!という私の焦りが父へプレッシャーをあたえていたと言うことかなぁと思っています。
脳も体も内臓も心も、皆、いい時と悪い時はあって。誰でもがなることであって。
いわゆる時の流れであり、春夏秋冬であり。
得意な季節に得意な時間がそれぞれのあらゆる人にあるように、苦手な季節も苦手な時間もあって。ストレスや不調を上増ししてしまう事もあるでしょう。
逆に、得意な季節や環境ならば、ストレスが減って頑張れたり。
同じところにいても、季節は巡るのですから、いい時も悪い時もあるのが自然でナチュラルなことかと。
そうストンと私が思えたからか、父は「帰りたい」と今言わないでいます。
ちょっとしんどそうな顔をしながら。
素直にしんどい顔が出せるのは、幸せな人だなぁ。
素直に不調を伝えられると、あまりワーワー言わないでもいいのかもしれない。
不調があるから、ちゃんと機能している事がわかるんだなぁ…。
私もしんどい時は、素直にしんどくなろう。
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