20240501

 これも久しぶりの更新。前回記録が7ヶ月前。社会保険労務士の試験勉強をして、目標のある日々は張り合いがあると言っていた日から7ヶ月。試験勉強はとうの昔に諦めている。

 おそらく前回記録を更新した直後に教室の異動が決定し、自宅からほど近い職場となった。学習塾で働いています。それも契機の一つとして、このままこの職で生涯を終えてもいいかもなと思えてしまい、資格勉強のモチベーションは著しく下落。勉強が面倒になった、という理由が先に立つのではなく、現職に留まることを是とする気持ちが生まれたことは自身にとって初めての感覚で、それは良い変化だったのかもしれない。とはいえ、それが本当に試験勉強からの逃避という理由から生じたものでないかは証明しようがない。今は目先の娯楽に時間を割いているのです。

 現職で死ぬまで食っていくぜ、という気持ちが生涯続く保証もなく、漠然とした不安に襲われることは多々ある。学習塾業界、縮小するのでは?すでに物価高の影響もあり、会社全体で見ても塩っぱい業績になっている。少子化は進みに進んでいきますが、君はこの職を続けて死ぬまで働けるのですか?いつかどこかのタイミングで放り出されるのではなかろうか。そうなれば再度タクシー乗務員にでもなろうか。食っていくだけなら何とでもなるのでしょう。

 とはいえ人生の幕引きはいつになるのかわからない。学習塾で生きていけるのかと不安になっても、仕事はいつまで続けるのか、自身がいつ死ぬのか、いつまで働く必要があるのか、いくらの費用が必要なのか、何もかもがわからない。考えることを止めてしまうことが正解なのかもしれない。

 仕事はぼちぼち。楽しくはあるが、ままならないことが続くと気持ちが落ち込む。ぶいぶい業績を上げて会社内での評価を上げたい気持ちもあるので、思うように入塾生を増やせなければ落ち込む。貴様の入塾説明や体験授業の段取りでは顧客を信頼まで導けず、近隣他塾との競争に負けるだけの能力しかないと突きつけられているようでいちいち落ち込む。結果を出せば多少は実入りも増えるが、そうでなくとも基本的な収入はあるわけで、現状そこまで酷い状況でもないのだから、のんべんだらりと教室運営に勤めて、ゆるりと余暇を満喫すればよい、とも思う。しかし結果が伴わないことに焦りや怒りが生じる。仕事をする自分、社内で評価される立場としての自分を大きく見積もり、アイデンティティの中で仕事が占める割合が大きくなり過ぎている気はしている。歪んでいる。


 教室の生徒たちに本を紹介したい、雑に貸し出せるような文庫棚があってもいいと思いつき、この連休中に古本屋を巡りに巡っている。ここ数年は電子書籍に移行して、新しく買うものはほぼKindleでしたが、昔から物質として形として手の中にある本が好き。100円前後の中古本、出しても200円まで、という縛りはありながらも、100冊近く買い集めている。本棚を物色している時間は至福。

 伊坂幸太郎。中学生には難しいのだろうか。乙一。グロ含む黒い作品は薦めにくいが、生徒に幅広くお薦めできそう。江國香織。素敵な文章だと堀元見さんも言っていたが読んだことがなく、この機に読んだ。仰るとおり文章が洗練されている印象がある。適度な余白があって想像の余地があって、美してく引き込まれる。好きになった。森見登美彦。好き。でも高校生の頃はその文体が鼻について敬遠していた頃もあったような気がする。あさのあつこ。今更ながらバッテリーを読んだ。昨日ウイスキーを飲みながらやや酩酊して1巻を読み終え、めちゃええ話やがな…とニヤニヤした。野球が少し好きになった。星新一。生徒に薦めやすい。皮肉やユーモア、風刺を理解するには少し難易度が高いのかもしれない。さくらももこ。エッセイ面白い。生徒に薦めやすい。しかし100円前後ではなかなか売っていない。適宜探して買い集めていく。重松清。昔よく読んでいた。子どもができた今、読み返して、自分の中で捉え方が変わって大変面白かった。いじめの描写がしんどい。感情移入して憎い相手に殴りかかりたくなる。中高生の子をもつ親の描写が刺さるようになった。自分も年をとったと感じた。ぐずぐずと胸に泥が溜まるような、良い意味で心に残る文章だと思った。などなどなど。

 小説を読むのが今は楽しい。先のことなど知らん。文庫本を集めることが楽しくて、小説を読むことが今は楽しい。

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