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4月29日(2011年)仙台に負けたのは「気持ちの差」だけだったのか?

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 浦和レッズは、4月24日ホームの名古屋戦が、震災で中断していたリーグの再開となります。試合前には被災して亡くなった方たちへ黙とうを捧げました。その時は、津波で失ったモノの衝撃が大きくて、続く原発事故の深刻さにはまだ気づいていませんでした。福島は今も原発事故の最中です。
 レッズも震災復興支援のとりくみを色々やり、この日は支援物資の受付をしていました。4月10日には山形とのトレーニングマッチが無料公開の埼スタで行われ、義援金募金もやっていたのでチャリティマッチのような形になっています。 

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                                           この試合で見られたのは、はっきり言って6人で守って4人で攻撃するって形。3点取って勝ちましたが、なんだかなあと感じました。ところが名古屋戦ではこれがバッチリはまってカウンター炸裂、3-0の快勝です。両ワイドが快足を飛ばしてゴールに迫る闘い方はスタジアムを沸かせました。けど、これって一昔前の姿だよね。

 一方、ベガルタ仙台の再開試合は全国からの注目を集め、対戦相手の川崎に逆転劇を演じて勝利しました。手倉森監督は、どうなるか分からない中でここまで辿り着き、被災地のチームに全国からの思いが寄せられて最高の勝ち方が出来たと、涙をにじませていました。そして、次の対戦がレッズvs仙台となったのです。
  
 前節以上に注目されますよねぇ。
宇賀神選手のクリアボールが詰めてきた相手選手に当たってエンドライン付近で跳ね上がる。選手たちの足が止まっている中で、ただ一人梁選手が猛然と拾いに来て素晴らしいクロスを送ります。この1点で試合が決まりました。
 レッズの選手たちは常に2人の相手に挟まれてプレーしなくてはならない。そんなゲーム展開で、鬼のような気迫で迫る仙台に押し切られた試合でした。
 「被災地に希望のひかりを」とリーグを戦ったベガルタ仙台は、この年4位と飛躍し、翌年には優勝を争うことになります。レッズはゼリコ・ペドロビッチ監督の采配が限界となって堀監督に交代、下位を低迷することになります。

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