親の最後を看取った俺の後悔と、同じ後悔をしてほしくない次の人へ。(4)

俺だ。
日々の生活を再開しても、ある時に突然とした形で思い出してしまう。
それでも日常を取り返さねばならないけど、辛い時に近くにいてくれるだけでもいい友人は本当に大切だ。

前回は家族を自宅で介護するのに必要な契約について、俺が全く理解してなかったことを伝えた。
今回はそれらの生活をすると、どんな道具があればよかったのかを伝えたい。

家で介護をするという生活で、最初に気になるのは愛する人の健康状態だ。
癌も末期になると、体が動かなくなってくる。本当に動かなくなってくるんだ。
そうなると、縟瘡(じょくそう・床ずれ)が起きる。
主に出来るのは肩、腰、尾骶骨、カカトなどだ。
床ずれの経験をした人は読者にいるだろうか?正直めちゃくちゃ辛いんだ。常にヒリヒリして酷くなると皮膚が剥落して更に悪化していくことになる。
その為に必要なのは
・ラテックス手袋(1000円100枚程度)
・ワセリン チューブタイプのもの。
・被覆材(サイズ次第だけど、良いのが売っている)
・ガーゼ
・プラスチックスプーン(コンビニでもらえるやつでOK)
全て薬局で手に入る。安心してほしい。特にワセリンは色んなタイミングで使い道がある。

また、床ずれを防止するのは2時間おきとかに体位を変えるのが有効だ。
寝ている家族に丸めたバスタオルを片側に挟み、体重のかかる場所を変えてやる必要がある。
これを夜通し行わねばらないのだが、正直きついし、前回も話したけど、そういうのは無理だ。
そこで、体位を変更するための自動マットレスがあるので知っててほしい。


介護保険・福祉用具貸与品/床ずれ防止用具
オスカー
https://www.molten.co.jp/health/products/mattress/oscar/

これも介護保険の範疇でリースをすることが可能だ。
そして覚えておいてほしいのは、このマットレスが最大の効果を発揮するために

・マットレスの上には何も敷いてはならない

リースであったりするものをきれいに使い、きれいに返すのは大事なことではない。
それよりも、家族のサポート、お前のストレスの軽減が最優先だということを思い出してほしい。
これで縟瘡はかなり抑え込めることを覚えておいてほしい。

ケアすべき家族が食事をできる時は、色々と楽しんでもらう方がいい。
なんでも食べてもらい、呑んでもらいたいと思うのが当然だ。
それでも、末期になれば固形物は喉を通らなくなり、液体は体外に排出できなくなり嘔吐に苦しむことになる。
これを見ているのは本当に辛い。
歯磨きも出来なくなった家族の口腔ケアをするのが口腔ケアスポンジだ。
これに水分を含ませ、口元をぬぐってやるといい。
また、必要があれば、これでタンを描きだすこともできる

おむつ
かなり大事なので確り伝えておく。
パンツタイプと、おむつタイプの二種類がある。
パンツタイプは自分でベッドから起き上がれる人むけであり、うごけなくなったら躊躇なくおむつ型に切り替えることを推奨する。
その際に、尿漏れパッドは必要なのかという点については、絶対に準備しておくんだ。
尿漏れパッドの交換をするだけで排便処置が劇的に楽になるケースがある。
楽になるなら相手も自分もいいことでしかないから、積極的に採用すべきだ
また、おむつは本当に色んな使い方ができる。
寝たきりになると、どうしても入浴が遠くなるが、おむつを頭の下に敷き、頭を洗う事で布団に影響なく洗髪が可能だ。
また、きれいなおむつを枕元に置いておき、急な嘔吐の受け先として使用するのも有効だ。
とにかく水気があるところは全部おむつでいいくらい有用だったことを知ってほしい。

ノート
訪問医や訪問介護が来る日もあれば、来ない日もあると思う。
その時、一日に起きたことを記載しておく帳面は絶対に必須だ。

血圧計
愛する人のバイタルを取るのは当然必要だ。
ちなみに血圧が下がってきて、上が60前後になってきていると、意識が混濁するようになる。
もちろん数値は目安だが、かなり危険な状態だと思っていい。

・酸素吸入
これは本当に末期になると配備されるようになる。
それぞれの医院では出入りの酸素会社がある。それらにドクターから手配を依頼すると、即日で設置に来る。
くれぐれも横でタバコを吸うなよ?爆発するからな?

・ワイヤレスインターフォン
自宅で介護するにあたり、お前が一人になる時間も当然必要だ。QOL
それを助けてくれるのがこの機器だ。
何のことはない、1500円程度の無線式呼び鈴なのだが、これがあるだけでナースコールになる
お前が部屋でゆっくりしてても、この呼び鈴が鳴ればすっとんでいかばいいというシステムが出来上がる。
本当にお勧めする。

・バケツ
これは、体を拭くときなどに使うバケツだ。
そんな大きくなくていいが、無いと圧倒的に不便だ。

愛する家族を家で引き取ったときに、あって便利だったのはこんなものだろう。
ケアマネージャーに相談して、必要なものであれば積極的にリースを活用したほうがいい。
特にトイレの手すりとか、信じられないほどの種類があり、欲しいものはほぼリストされているといっていい。

昨日はなしたチームと、こういったツールで俺は戦っていたが、全てその場が来た時に探している始末だ。
これを読んでいる貴方の知識となり、必要な情報となってくれていると嬉しく思う。

次回は少し間が明くが、旅だった時の話をしたいと思う


続く

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