親の最後を看取った俺の後悔と、同じ後悔をしてほしくない次の人へ。(2)

緩和ケアに対する心構えについて (2):
末期がんの緩和ケアを選択し、いろいろな治療を停止する本当につらい、選択なんて出来ない選択をしたお前には俺からいうべきことがある。
辛かったな。本当に辛かったな
その決断は、お前の愛する家族を痛みから解放することになったんだよ。
だから、残りの時間を安らかに過ごすための努力をしよう。

緩和ケアとは、ぶっちゃけて言えば死ぬまでによりよく生きる事だ。
痛みがあるのであれば、モルヒネを投与し、吐き気があるなら薬で抑える。
そんな薬が必要なのか?と思うかもしれない。
必要だ。

痛みとは人を壊す。尊厳を壊してしまうんだ。
自分が痛い時に優しい言葉を掛けられても
「お前にこの痛みがわかるのか!」
というイラつきがあるだろう。
そんなことを決して言わない強い人であり、清廉な人であっても、慢性的な激痛や苦痛はそういう事を口走らせてしまうんだ。
そして、そういった痛みや苦痛から解放してくれるのがペインコントロール。
具体的にはモルヒネの投与や、俺の母であれば吐き気を抑制する薬だ。

モルヒネの運用により、半分寝ているような状態になる。
この時、耳は聞こえているから話しかけてやるのがいいと思う。
効いている間は多少の辛さはあるのだろうが、穏やかな状態が維持できていた。
逆に効果が切れそうなタイミングになると、本当に辛そうにしているのが見ていて耐えられなかった。手を握ってやる。声をかけてやる、脚をさすってやる。そういったことをしたが、それは俺の自己満足で、単なる欺瞞ではないかという感情が常にあった。
多分、勘のいいお前もきっとそう思うだろう。
しかし、それでいいんだ。お前は出来ることをしているんだ。
不安に思うだろうし、悔やむこともあるだろうが、お前は決して間違ってない。


その決断を先送りにしてしまったのが俺だ。
透析を続け、治療を続け、結果として数日から一週間程度の延命はしたと思う。
しかし、それは果たして正解だったのだろうか。
俺は母の苦痛を徒に長くし、しんどい思いをさせた親不孝だったんじゃないか。
俺のわがままを死ぬ間際まで押し付けてしまったのではないか。
この後悔は本当に今でも続いているし、一生解決しないのかもしれない。


在宅でモルヒネを投与するのに必要なもの:
錠剤や張り薬のタイプでは特別なものは必要ない。
錠剤であれば、外包を保存して、返却することが義務となる。
管理の都合であろう。
張り薬の場合はどこに張ってもいいんだと思うが、母の場合は胸に張った。
ただ、これらの薬を処方してもらうためには、当然ながら処方箋が必要だ。
お前が確認しなければいけないのは

「今の掛かりつけ医は在宅訪問もしていくれるのか」

これを確認しておく必要がある。
コロナの環境下、在宅訪問をしていないケースもあると思う。
その場合、訪問診療を専門で行っている所と契約する必要がある。
母のケースでは透析のドクターが主治医として存在し、訪問医として契約してもらう形で双方に納得してもらい契約してもらった。
特に課題がないのであれば訪問医がそのまま主治医に変更するケースでもいい。

続く






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?