弾丸旅行の一部始終 その1

 ライトノベルのタイトルのような記事名になってしまったが、額面通りである。二泊三日で突発的に敢行した旅行の顛末を、以下に記しておく。


なぜ、弾丸旅行に行く気になったのか

 今年は修論提出の一年であるにも拘わらず、度々旅行に行っている。三月には高校時代から仲良くしている友人と軽井沢へ一泊二日、六月末から七月にかけてはKBMの同期であるゆさと蓮ノ空の聖地である金沢へ二泊三日、八月には同専攻のD2で同年齢の友人(自分の青春はAquoursだと公言して憚らない、蓮ノ空では村野さやかが好きな男)とAquoursの聖地である沼津へ日帰りで旅をした。
 改めて書くとラブライブ!がとても好きな人間にしか映らないが、個人的にはプロデューサーとしての意識の方が勝っている。それはさて置き、上に挙げたいずれの旅行も同行者がいる。それぞれでしか味わえない素晴らしい体験が多く、親しい友人と共に行くからこその楽しい旅路となったのは間違いない——特に金沢旅行に関しては、ゆさのお陰で心から満喫する三日間となったことを明記しておきたい——のだが、元来の自分はよく一人旅をしていた。無計画なまま、時間に少しも頓着せずに知らない土地を逍遥する、あの身軽さが忽然として恋しくなってきた。
 要するに、久々に一人で旅行に行きたくなったのだ。この思いは八月初旬くらいなら漠然とした形ではあったが存在し、下旬あたりになっていよいよ鮮明化した。

馬鹿げた方針

 行こうと臍を固めたのは九月に入ってからだった。旅行の計画については、三つの方針が無意識の内に立っていた。

一、深夜バスを使う
二、行先は直前まで悩む
三、旅程は現地で考える

 深夜バス自体には以前から興味があったものの、一歩を踏み出す機会がないままに過ごしていた。今回の旅行では、なるたけ旅費を削減したいとの思いもあったため、ならば格安で移動できる深夜バスが好適だろうと狙いを定めた。
 深夜バスで行く前提になると、横浜から出発する深夜バスの行先から候補地を絞り込むことになる。最初は大阪や京都といった関西圏にするつもりだったが、帰りについての様々な懸念があって断念。愛知と静岡の二択に絞り込んでから延々と悩み通していたが、どうせ遠出をするなら家から遠い愛知にしようと決断。降車地点として栄駅と名古屋駅のいずれかを選ぶ形だったが、捻くれ根性を無事に発揮して栄にした。
 旅程は事前に練るのを止めた。面倒臭いというよりも、発作的に行くのなら全てをその場の気分に委ねてしまった方が面白かろうという思考だった。
 旅行を終えてから振り返ると、これらの方針はそう悪いものではなかった。一つ目を除いて。

初日(深夜バス乗車前~初日の宿泊まで)

 さて、ここから旅行の詳細について、好き放題にものしていく。二十九歳の大学院修士三年生が修論もやらずに放浪したしどけない旅について、お暇な方はお付き合いいただきたい。

9月4日(水)——バス乗車まで

 相変わらず、生活が破綻していた。

 こんなことを呟いている余裕があるならば疾く寝よ、としか思われないが、起床時間が狂ってしまっているので、寝たくても寝られない。
 推測だが、恐らくこの日も起床は午後一時過ぎだったと思われる。午前を無駄にしたという虚しさを抱えながら昼を食べつつも、旅行への淡く泡立つ期待に静止していられないような幼い興奮を感じていた。
 因みにこの時点では、行先も宿泊日数も未定だった。ただ、するとしても二泊だろうと想像していたので、衣服類はそれを目安に準備した。後は、いつものように修論関係の資料などをトランクに詰め込んだ。

 午後六時からバイトへ行く。とあるファミリーレストランだが、深夜バスに乗る日に限って忙殺された。月曜と火曜がかなりゆったりとした調子での勤務だったことも手伝ってか、脳が次第に萎縮していく悲壮を満身で受け止めざるを得なかった。この後に、横浜駅のそばにある浜虎に並んでいる際、以下のようなツイートをしてしまうほどには疲弊していた。


 勤務は午後六時からだが、行先は勤務開始直前にバイトの控室で決めた。制服を着た状態でスマホを睨みつけ、ようやく二十四時半に横浜のYCATを出発するさくら高速バスを予約した。
 何とかバイトを終えて、横浜まで移動する。電車内では『志賀直哉全集』を読むものの、疲れのせいかろくに頭へ入ってこない。読んでいるのは全集の六巻目にあたるが、「暗夜行路」以降の作品は日常生活をそのまま引き写した随筆としか思われない小説が多く、はっきり言ってしまえば基本的に面白くない。その詰まらなさとバイト後の倦怠が手に手を取って私という人間を苛んでいる。不当極まりない。訴えるわよ!(木村カエレ)

 横浜には二十三時過ぎに到着。予定よりも早めに着いたので、夕飯を食べに浜虎へ。後ろに並んでいる人間の形をした何かが話す、人間の会話をした何かが聞えてきた以外は完璧だった。醤そば——「じゃんそば」と読む——は我が人生のソウルフードである。

 花海咲季を憑依させるほどの上手さ。

 食べ終わってから、YCATへ移動する。気が触れていたのか、移動の最中に乗ったエレベーターの中では、大声で叫んでいた。勿論、乗客は他にいないのだが、今思っても我ながら不気味である。どういうつもりなのか、当時の自分に聞いてみたいが、「叫びたかったから」としか返ってこない予感がする。もう、お前は好きに知ろ。(牧悟郎トリビュート)

バス乗車

 YCATには、野球の応援ユニフォームやアイドルのTシャツを着た人が目立った。少しでも旅費を節約して、主たる活動に銭を払えるようにしたいという思惑が可視化されていて、興味深く思う。乗車案内が来るまでは、待合室のベンチに座りながらWordに日記を書きつけたりなどして、呆然としながら待っていた。
 YCATでは、見ているこちらが絶望したくなるような風景に二度出会った。一つ目は、深夜バスに乗り遅れた人が係の人から「すみません、もうバスは行ってしまいました」と言われている場面である。この人はこれから、どうするのだろう。一旦、家に戻るのだろうか。
 そして二つ目は、私の前にいる人が乗車の確認を受けている際に、「あなたの予約したバスは翌日のものです」と係員に言われている場面である。一つ目の事例は電車の遅延などもあると思われるが、こちらは明らかな確認ミスであろう。自分がそのミスを犯したかのように、肝が冷えた。
 そういえば私も、羽田空港出発で取った航空券が成田空港出発だったというあまりにも情けない失敗をしでかした。旅費の観点から言えば私の方がよほど悲惨で目も当てられないのだから、この人をとやこう言う資格などどこにもない。何なら、この人に「私は航空券で……」と教えて慰み物にしてもらうべきかもしれない。否、火に油か。
 一体、深夜バスの停車場にはこういう人たちが割といるものなのだろうか。はじめての利用なので分からない。たまたま、とんでもない場面に二度も出くわしたに過ぎないのだろうか。

 いよいよ、乗車をすることになる。乗った瞬間は、何の抵抗もなかった。どれくらい寝られるかは不安だったが、少しでも眠れればそれで良しとしようと楽観的だった。
 いよいよ発車し、出発から十五分で客席の照明が全て消える。それに合わせて、私もアイマスクと耳栓を装着して寝ようとする。

 この場合の主文後回しは不適切だと思われるので結論から先に言えば、一睡もできなかった。
 最初の方は、空間が狭い・耳栓をしていても環境音が大きい・蒸し暑い・汗臭い男がそばにいるといった小さな要因が『スイミー』のように合体して私に襲い掛かっているという印象だった。しかし、その印象はどうも不正確であることが後々になって分かった。
 一睡もできなかった結果に直結した要因は、以下の二つである。

一、ケツが痛い
二、暑い

 長時間、お世辞にも柔らかくない椅子に寝るつもりで腰掛けていたせいか、ケツに痛みが走るようになった。不幸なことに、私は痔である。もう、何かを補足する必要はありますまい。
 そして、冷房が十分に利いていない。人いきれに囲まれながらでは、微かな睡眠も手にできない。途中から冷房が利き始めたものの、既に到着一時間前あたりになっていたため、後の祭りだった。

この時点では、まだ眠れるのではないかという甘い希望をほんの少し脇に抱えながら、それを支えにふざけたツイートをする余裕があった。

「アイドルマスター シンデレラガールズ」には夢見りあむというキャラクターがいるが、そのキャラクターに存在しない——すなわち二次創作で捏造された——姉の名前として夢見のえるがいるという言説がTwitterにおいて散見される。夢見のえるの元ネタ——戯言でしかない二次創作に元ネタなどあるのかという話だが——は、少し前に活動再開で話題となったバンド・Oasisのメンバーであるリアム・ギャラガーとノエル・ギャラガーの兄弟である。夢見りあむに姉がいるの点はゲームの設定として事実ではあるが、姉が「のえる」である訳がない。モラトリアムの「りあむ」なのだから、姉は夢見もらとに決まっていると私は考えている。
 こんなことに頭を働かせるくらい、眠れていない。

 全く眠れそうにないので、いっそのこと好きな曲でも聴こうと思い立ち、「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」の楽曲を聴き漁り始める。「蓮ノ空」は三つのユニットで構成されており、まずはDOLLCHESTRAの曲を全て聴いた。深夜バスの車内で聴くパラレルダンサーは、夜の高速道路を疾走する情趣に沿っていて素晴らしかった。
 DOLLCHESTRAの曲を全て聴き終わっても眠れなかったので、今度はスリーズブーケを全て聴いた。Dear my futureはJ-POPで主流となっているR&Bの味わいが強く反映されている楽曲で、自分としてはEXILEのTi Amoを思い起こさせた。
 残りはみらくらぱーく!のみとなったが、スリーズブーケを全て聴き終えた段階で眠気は最高潮を迎えていた。しかし、ケツの痛みも頂点に達していた。眠ることもできず、そして他のことをやる気も起きず、以下のツイートを最後にして、私は深夜バスというおぞましい鉄の箱に入れられる思考なき肉塊になった。


9月5日(木)——朝食まで

 午前六時少し前に、栄駅のそばで深夜バスから吐き出された思考なき肉塊は、降車地点からすぐの場所にある久屋大通公園に辿り着く。

朝飯を食べながらゆっくりと腰を下ろせる場所としてコメダ珈琲店に行こうと決めつつも、開店時間は七時半であるため、何とか時間を潰さないといけない。仕方がないので公園のベンチの上へ胡坐をかき、持参した漱石の「吾輩は猫である」を読んでいた。

朝の久屋大通公園。
公園のベンチ下に置き去りにされたほろよい。
大きな水たまりに映る名古屋テレビ塔(中部電力MIRAI TOWERとも)に心惹かれる。

 異常に早い朝なので喧騒とは無縁で読書にいそしめると思いきや、まず早朝ランニング集団に写真撮影をお願いされた。いかにも私の苦手な雰囲気を全身から発していたが、断る理由もないので撮る。代表者が私へ話しかける時、こちらの読んでいる本に一瞥をくれていたが、何のつもりだったのか問い詰めれば良かった。
 これで一段落かと思いきや、今度は路上生活者とおぼしき老婆から、同じ路上生活者の仲間だと勘違いされて話しかけられた。しかも、話の内容もよく分からない。自分はある日、何の前触れもなく数十億の金を遺産として相続したが、それが公園で生活していて盗まれた、などと言っていた。今にして冷静に思えば、億の単位がつく大金を現ナマで持ち歩く道理はないので、あまりにも嘘くさい。この公園では深夜になると、路上生活者や酔いつぶれた若者などを標的にした窃盗が発生するので、手荷物の管理には用心した方がいいというのが、老婆の言いたいことだったらしい。
 結局、私自身は何も危害を加えられることはなかったため、どうも十割の親切だったようである。それにしても、なぜ私を路上生活者だと勘違いしたのだろうか。そう見えてしまうのかと思って自分の様子を客観的に見直す。

・皺の寄った汗臭いTシャツ(深夜バスのせい)
・ジーンズ
・トランク
・黒の手提げかばん(ノートPCが入っている)
・薄汚れた白いトートバッグ(中からは、空のペットボトルが二本顔を覗かせていた)
・頭を搔きながら、ベンチの上にちゃんと腰掛けるでもなく、あぐらで文庫本を片手に読んでいる

 これは浮浪者に見間違えられても、仕方がないのかもしれない。
 この後も、台湾から旅行で訪れた方が、私の眼前で自撮りをするために三脚を設置していたので、「そんな手間は要らない」と思って私が写真を撮ってあげたりした。
その写真撮影が終わると、「吾輩は猫である」をようやく悠然と読むことができた。登場人物の水島寒月に関わる一騒動に話が移ってから、俄かに面白くなった。この騒動に乗じて迷亭が言う出任せの快さに、眠気を忘れて没頭する。

 そして七時半近くになったので、最寄りのコメダ珈琲店に移動する。

 着くや否や、モーニングを満喫する。そして心を穏やかにした後は、トランクやバッグに詰め込んで来た本をゆっくりと繰り始めた。開店仕立てのコメダは十二分に静謐で、適度にお客さんも入っているために、本を読むのに適切な環境だった。『続・谷川俊太郎詩集』や『からくりサーカス』などを読みつつ、好きな書き物をして、のんびりと過ごしていた。

必ず食べるシロノワール。

古本屋~名古屋市科学館~名城公園

 開店の七時半からおよそ二時半超は呑気に読み書きをしていた。そろそろ十時になるというところで退店し、色々な場所を巡っていく。
 最初に行ったのは、福文堂書店。古書店だと誤解していったが、普通の書店だった。小さいながらも陳列に工夫などあり、雰囲気は悪くなかったが、食指の動くような本はなかったため、早々に退散する。

福文堂書店。

 次に向かったのが、henn books。ミステリーを中心として豊富な品ぞろえを誇る古書店で、何と無人の店舗。購入は電子決済のみという張り紙に面喰い、一度店を出てから近くのセブンでPayPayにチャージをした。
 魅力的な本が多かったが、何でも買っているとただでさえ本で逼迫している自室が更に埋まってしまうので、悩みに悩んだ。結局、柴田錬三郎『異常の門』とモーリス・ルヴェル『夜鳥』を購入する。前者は、「眠狂四郎」シリーズの作者らしい、奇想天外な舞台の下で展開される剣豪小説だったので、あまり悩まずに購入を決意。後者は、その衒学性ないし幻想性がTwitterに話題になっていたため、見つけた瞬間に買うことを決めた。三十分以上は滞在して、棚をじろじろと嘗め回すように見つつ相好を崩していた。

henn books。

 その後は、それなりの長距離を歩いて名古屋市科学館へ。気持ちの良い暑さにやられる日だったので、着く頃には汗だくになっていた。

 プラネタリウムが有名な施設ということで胸躍らせていたが、何と9/5・9/6は点検のためにお休みだった。大いに消沈しながらも、知らないことが多く展示してあることは間違いないので、さっそく入館。
 上野でもやっていた特別展「毒」があったので、色々と眺める。理系の知識はほとんどない木石漢なので、何もかもが楽しかった。しかし、展示を眺めている内に、寝不足ゆえの疲労がはっきりと鑑賞を邪魔するようになってきた。そのため、後半はやや駆け足で通り抜けた。

インターネットの悪い事だけで生きているような人間の楽しみ方しかできていない。

 そのような楽しみ方に天罰が下ったか、事故に遭う。

 常設展も面白く、沢山の写真を撮った。ただ、そうした写真の多くはスマホで撮ってしまった。それゆえ、noteの記事に貼付するにはかなりの手間がかかるため、割愛する。理系の入門書でも買って、一から真面目に勉強でもしようかと思った。当然、今すぐにはできないが、来年の春辺りからこそこそやれると良いのかもしれない。

 科学館の後は、近くにあった山本屋本店の味噌煮込みうどん。味噌煮込みうどんは好物なので、名古屋へ行く度に食べている気がする。舌鼓を打ちながらも、体力の限界を薄っすらと覚え始める。

 次の行先に迷ったので、とりあえずゲームセンターに行って涼みながら考えることにした。キングジョイまで歩き、音ゲーの充実ぶりに驚嘆。地元から完全に姿を消してしまったSDVX VMが9台もあるのを見ると、やらずにはいられない。ただ残念なことに、脅威的な寝不足によってまともなプレイは一つとしてなかった。やればやるほど、疲れによってつまみがろくに視認できていないことが理解されるのに、構わずクレジットを入れ続けていた。正常な判断ができていないのも、寝不足のせいだろうか。
 そろそろ他の場所へと思い、名古屋城に向かおうとしたが、とうとう脳から赤信号が出てしまう。城に登るのは諦めて、名古屋城のそばにある名城公園の方へ行く。そして、木陰のベンチで三十分だけ横になった。
 寝られたかどうかも判然としないまま三十分が経ち、セットしていたアラームが鳴る。起きてみると、蚊に二箇所刺されていた。一箇所は左腕の内側の関節で、久しく見たことのないくらい大きく腫れていた。もう一箇所は右手の小指で、こちらは痒くて痒くて堪らなかった。三時間くらいは不快感が続いて、真夏の公園にある木陰で昼寝などすべきではないと心の底から悔いた。

木陰で休む野良猫。かわいい。
濠越しに眺める名古屋城。

作業~夕飯~ホテル

 それでも多少は休まったのか、異常な眠気は去っていったので、とにかく栄駅の方に戻る。
 今度はカフェ・ド・クリエに入って、再び作業を再開する。わざわざ名古屋まで来て、学術書を繰りながらPCで作業する必要があるのかと自問したくなるが、旅行中だろうと日課はこなさないといけないという石頭を越えた融通の利かなさを、何の理由もなく丹念に守り通してしまった。とっとと宿に入って仮眠でも取るべきだったのだろうが、そうした発想を取れないくらいに思考なき肉塊は肉塊としてのまとまりすら失いかけていたのだろう。あまりにも、哀れである。
 朝と昼が豪華だったので、夕飯はずぼらで行こうと既に決めていた。そのため、躊躇なくマックに入って「炙り醤油風 ダブル肉厚ビーフ」「ポテナゲ大」「爽健美茶Sサイズ」を注文する。食べつつ、「蓮ノ空」の生配信である「With×MEETS」を見る。いわゆる「ひめぎん」回で、ジャンクフートを頬張りながら私は感動した。


 感動も早々に食べ終えたが、この時点でその日の宿も、また明日のことも何一つ決まっていなかった。屋外のテラスに腰掛けながら考えを練るが、まともな案は浮かばない。
 最終的に、東横インのミッドナイトタイムサービス(23時以降も空室になっている部屋は、最大43%OFFで宿泊できるというサービス)を利用することにしたが、このサービスは当日の23時にならないと予約ができないため、時間潰しを要求される。もう何も考える力はなかったので、再びキングジョイに戻り、最悪のボルテを披露。本当に、頭が悪い。

おもしろくねえよ。

 ようやく23時になったので、サイトを開く。無事に栄の東横インで空室を見つけられたので、難なく予約を済ます。

このツイートで端的に示されているように、東横インの部屋に入った瞬間、実家を優に飛び越える安心感に包まれた。冷房を限界まで響かせ、ベッドの上で大の字になり、スマホを悠然と弄れる。これは決して当たり前ではない。
 私は東横インの深夜割に深く感謝した。そして、二度と格安の深夜バスには乗らない決意をした。

 旅行はまだ続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?