『気づかぬ間に好きになってた』
さ:どうすればいいんだろうなぁ…
部活動生が汗水垂らして練習しているグラウンドを見てつぶやく
私は遠藤さくら。普通の女子高生だ
今はとある悩みについて考えてる途中だ
真:う〜ん…まあ直接伝えるのが一番いいんだろうけどなぁ…
この子は田村真佑、同じクラスで仲がいい
今は私の悩みについて相談してもらっていた
さ:そんなの無理だよぉ…
真:さくら〜アピールしないと〇〇くん振り向いてくれないよ〜?
さ:うん…
私には好きな人がいる
同じ学年の〇〇くんという男の子だ
私はその〇〇くんについてずっと悩んでいる
どうすれば〇〇くんは私のことを好きになってくれるんだろうって
〇〇くんとは同じ中学校でいつも遊んでいた仲良しグループの中に私と〇〇くんがいてよくお話しする関係だった
高校に上がってからも中学校ほどではないものの休日にいっしょに買い物に行ったりする関係だ
真:ていうかそんなにいっしょに遊んでてまだ付き合ってないのも不思議だよね〜
さ:そうなのかな…
真:そうだよ〜!普通そんだけ遊んでてどっちか片方に好きって気持ちがあったら付き合ってるはずだよ?
さ:そっか〜…でも私相手が私のこと好きになってくれてないと怖くて勇気出せない…
真:じゃあがんばってアピールしないと〜!
さ:がんばらないとなぁ…
〇〇を振り返らせるために意気込むさくらであった
さ:はぁ… 昼休みかぁ…〇〇くんお昼ご飯に誘ってみようかなぁ…
〇〇にアピールするためお昼ごはんに誘おうと考える
そして〇〇がいるクラスまでやってきた
さ:あ、〇〇くん!よ、よかったらいっしょにお昼ごはんどうかな…?
〇:あぁ全然いいよ!行こ!
さ:あ、ありがとう…///
〇〇の無邪気に笑う姿に思わずドキッとする
〇:昼ごはん誘ってくれて嬉しいわ。最近あんまり遊んでなかったじゃん
さ:あぁ、た、たしかにね…
〇:遠藤さんなんか緊張してる?どうしたの?笑
さ:え、い、いや…そ、そんなことないよ…笑
好きということが邪魔をして普通に喋りにくくなってしまったさくら
〇:ふ〜ん…笑なんかかわいい…笑
さ:え!?か、かわいいって…///
〇〇からの思いがけないかわいいに思わず照れてしまうさくら
〇:照れすぎでしょ笑
さ:そ、そりゃ照れるでしょ…
〇:そっか…笑
さ:ね、ねぇ〇〇くんってどんな子がタイプなの…?
〇:ねぇその前にさ〇〇くんって呼ぶのやめない?結構遊んでるのになんか堅いじゃん笑俺も何故か遠藤さんって呼んでるし笑
さ:え、じゃ、じゃあなんて呼べばいいかな…
〇:まあ〇〇、さくらって呼び合おうよ。もうそのくらいの関係値はあるでしょ笑
さ:あ、う、うん…じゃ、じゃあ〇〇…///
〇〇からの思わぬ提案にドキドキが止まらないさくら
〇:うん笑さくら…
さ: …///
〇:さくらまた照れてる笑
さ:ご、ごめん…///
〇:ふふ笑それでなんだっけ?俺のタイプだっけ?まあ俺は素直な子が好きかなぁ…
さ:素直な子…?
〇:うん、恥ずかしい時はちゃんと表情に出したり素直に自分を示してくれる人が好きかな
さ:え、それって…
〇:ん?どうした?
さ:いや、な、なんでも…
〇:あ、いけね!次の授業の課題まだ終わってないんだった…わり、じゃあさくらまたな!
さ:あ、うん、〇〇じゃあね…
先に食事を済ませた〇〇が食堂をあとにした
さ:はぁ…どきどきした〜…
〇〇がいなくなり一気に気が抜けるさくら
さ:真佑に話しておかないと…
真:いや、それ絶対向こうも好きじゃん!
さ:そ、そうなの…?
真:そうだよ!好きじゃない人にわざわざ名前呼びとか提案しないって!しかも言ってた〇〇くんのタイプもさくらみたいだし絶対だよ!
さ:あ、う、うん…
熱弁してくる真佑に圧倒されるさくら
真:絶対早めに告白して決めちゃった方がいいよ?今日の放課後にでも決めちゃいなよ
さ:え、え?今日?それは…
真:さくら、〇〇くんもモテるだろうからいつどうなるか分からないんだよ?恋はすぐに動く!これは基本だよ
さ:恋は早く…
真:私はいつでもさくらの味方だから!がんばって!
さ:うん…真佑ありがとう
親友の大事さを再確認するさくらだった
さ:がんばらないとなぁ〜…
一人帰り道で真佑の言葉を思い返すさくら
さ:恋は早くか…
〇:お!さくら〜!
さ:え、あ、〇〇くん…
〇:さくら、何してたの?
さ:いや、普通に帰ろうと思って…
〇:そうなんだ、じゃあさちょっと公園で話でもしていかない?
さ:う、うん、いいよ
夕暮れ時、帰宅中の小学生の楽しそうな声が聞こえてくる公園にやってきた
〇:さくらは家帰ったあとって何してるの?
さ:え、まあ課題やったりyoutube見たりしてるかなぁ…〇〇は?
〇:俺は帰ったら寝ちゃうことが多いかもな〜…
さ:そうなんだ…
〇: …。
さ: …。
特に内容のない話をしたあと二人の間に少し気まずい時間が流れる
〇さ:あのさ!
さ:あ、さ、先にいいよ
〇:い、いや、先に言って
二人とも少し顔を赤らめ謙遜し合う
さ:じゃ、じゃあ言うね?
〇:ま、待って!やっぱ俺からでもいい?
〇〇がなにかを感じたのかそう申し出る
さ:え、い、いいけど…どうしたの?
〇:な、なんか俺から言わないといけない気がしたんだ…
さ:う、うん…じゃあいいよ…
〇:さくら…俺さくらが好きだ…だからこそさくらと遊ばない時期は少し悲しかったし今日誘ってくれて嬉しかった…
さ:私も…私も〇〇のことが好き…でも〇〇にどう思われてるか不安でなかなか言えなかった…だから今すごく嬉しい…
お互いの言葉を伝えると自然と笑みが溢れる
〇:さくら…俺と付き合ってくれる?
さ:もちろん…
〇:嬉しい…笑
さ:私も…笑
〇:そろそろ行こっか
さ:うん…
〇:もうカップルだし手繋ご?
さ:うん…幸せ…
公園に入ってきた時とは違い二人は一つになって公園を出た
両者が気づかぬ間に始まった両想いの恋はこうして実った
end
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