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『俺の嫁』

〇:俺の嫁!俺の嫁!さ〜いと〜うあすかさ〜ん!!!

満員の東京ドームに最後の俺の嫁コールが響き渡る

〇:は〜本当に卒業しちゃうんだな〜

俺は〇〇普通の高校生だ

今日は俺の大好きな齋藤飛鳥さんの卒業ライブに行ってきたところだ

〇:今日で飛鳥さんともお別れか〜...。

思い出に浸りながら帰路に着く

〇:は〜もう家着いちゃった。家に入ったら飛鳥さんが俺の嫁として風呂沸かして待ってたりして...?

母:〇〇〜!帰ってきたなら明日も学校だから早くお風呂入っちゃいなさ〜い!

〇:ちぇ母さんかよ〜。は〜い

現実は甘くなかった

〜次の日の学校〜

〇:うわ〜昨日全然眠れずにめちゃくちゃ寝不足だよ...

昨日ライブの興奮から全く眠れなかった〇〇

〇:今日の授業絶対やばいな〜...

授業の心配をしていると...

遥:〇〇おはよ〜!なんか眠そうじゃん笑

こいつは賀喜遥香小さい頃からの親友だ。俺は中学生の頃遥香のことが好きだった

〇:あぁ遥香おはよ。昨日飛鳥さんの卒コン終わった後夜中まで思い出浸ってて眠れなかったんだよ

ただ一つムカつくところがある

遥:そうなんだ〜笑じゃああれもやったの?笑俺の嫁!俺の嫁!ってやつ笑

こうやって俺がオタクなことをバカにしてくることだ

〇:おい。バカにすんなよ

遥:ごめんごめん笑でも〇〇が俺の嫁!俺の嫁!って言ってるの想像したら面白くって笑

〇:あのなぁ...こっちも本気で応援してたわけよ...それをお前...バカにするって鬼かよ...

遥:ごめんって!笑てか、今やって見せてよ笑

なんで俺昨日嫁を失った男に対してとんでもないキラーパスをしてくる友達を作っちゃったんだろ

〇:やらねぇよ。それにもう一生やることはないと思うし...

遥:え!?なんでやめちゃうの?あれ面白かったのに〜...

〇:いや、面白いとかじゃないんだよ...。まああれは俺の嫁である飛鳥さんの前でしかしないって決めてたからね〜

遥:よくトップアイドルのこと俺の嫁とか堂々と言えるよね〜笑そこは尊敬する〜笑

〇:そう言われると恥ずいからやめろよ...

遥:自業自得じゃん笑別の嫁ができることはないの?

〇:うーん...まあ飛鳥さんを超えてくることはないだろうな〜

齋藤飛鳥は〇〇にとってそのくらい大きな存在だったのだ

遥:私だったりして〜笑

〇:ね、ねぇよ...///オタクをバカにしてくるやつはありえない

遥:〇〇なんか照れてない?笑

〇:て、照れるわけねぇだろ!冗談言ってからかうのやめろよ...

遥:ごめんごめん笑でもべつに冗談言ったつもりはないけどな〜笑

〇:は?な、なに言ってんだよ笑

教師:お前ら朝礼始めるぞ〜

遥:じゃ、またね〜笑

〇:お、おう...(なんだったんだ?今の)

〜放課後〜

〇:うわ〜今日めっちゃ寝ちゃったな...

遥:〇〇〜いっしょに帰ろ〜!

〇:お、おう

朝の違和感が残っていて少し気まずい〇〇

遥:今日〇〇ずっと居眠りしてたじゃん笑

〇:まじで最悪だよ...

遥:夢で新しい嫁でも探してたの〜?笑

〇:探してねぇよ...

遥:〇〇さ〜中学生の時のこと覚えてる〜?

〇:中学生の時のこと?まああの時はあの時で楽しかったよな〜

遥:〇〇さ...。中学生の頃私のこと好きだったよね?

〇:え...?い、いや、そ、そんなこと...

遥:〇〇キョドりすぎ〜笑で、どうなの...?

〇:いや...その......。うん...好きだった...

遥:やっぱり〜笑そうだったんだね笑

〇:なんで、気付いたの?

遥:結構バレバレだったよ〜笑授業中とか私のことずっと見てたでしょ〜笑

〇:い、言うなよ...。恥ずいって...。

遥:私嬉しかったんだよ〜?〇〇に好かれてて

〇:え...?

遥:でも〇〇気持ち伝えてくれなくて好きなアイドルのこと俺の嫁って言い出すしさ〜笑

〇:それは別にい...

遥:私悔しかったんだ。私じゃなくてアイドルのこと好きになっちゃうから。

〇:悔しかった?それってそういう...

遥:私も〇〇のこと好きだった

〇:え...?

遥:小学生の時さ私が道端で転んで怪我したとき絆創膏くれて助けてくれたことあったよね

〜二人が小学生の時〜

遥:うわぁ〜ん...!痛いよぉ〜...!

〇:遥香どうした?

遥:ま、〇〇帰ってたら転んじゃって...

〇:お前何やってんだよ〜笑ほらこれ使えよ絆創膏

遥:あ、ありがとう...///

〇:困ってたらなんでも言えよ〜!俺が助けてやるから!

遥:う、うん...///

〜現在の二人〜

遥:あの時から〇〇本当に頼りになってさ。そんな〇〇が好きだった

〇:まったく気づかなかった...。

遥:でもアイドルのことを話してる時のこと〇〇すごく楽しそうだった。だから自分の気持ちを抑えたんだ

〇:そうだったのか...

遥:ねえ...私やっぱり〇〇の”俺の嫁”になりたい...

〇: ...。

遥:ダメ...かな...?

〇: .......。

遥:やっぱりダメか〜笑今なら行けるかと思ったんだけどな〜笑時間かけてごめんね!また明日!

帰りだす遥香

遥:ダメだった〜笑明日から普通に話せるかな...笑 ........。

〇:遥香!待って!

遥:え...?

〇:今まで遥香に気づけなくて、自分の気持ちを伝えれなくてごめん...。でも俺もやっぱり遥香のこと好きだ...。やっぱり俺に言わせてほしい...。遥香待たせてごめん。まだ間に合うなら俺と付き合ってください

遥:ふふ..。うれしい...笑

〇:じゃ、じゃあ...

遥:でもそんな言い方じゃ嫌だな〜笑あれ言ってほしいな...

〇:あ、あれ?

遥:ほら〜言わなくてもわかるでしょ?笑

〇: ...。(言え!〇〇言うんだ!今しかない...!)

〇:お、俺の嫁!俺の嫁!か〜き〜はるかさ〜ん!!!

遥:やっと言ってくれた...笑それだよ...笑

〇:こんなとこでこれ言うの恥ずかしいんだからな...

遥:やっぱり〇〇のあれ笑っちゃいそうになっちゃった笑

〇:おいやめろよ...!

遥:うそうそ笑〇〇の一番になれた気がして嬉しかったよ笑

〇:あんまり一番とか恥ずかしいこと言うなよ...笑

遥:ふふ...笑もう前の嫁に浮気しちゃだめだよ?笑

〇:それは任せろ。オタクは嫁に一途だから笑

遥:なにそれ〜笑

〇:これからもよろしく

遥:うん!よろしく!

こうして〇〇の新しい嫁が見つかった

End

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