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『クールに恋は難しい?』

友人:和〜!この問題のやり方教えてくんない〜?

和:ん〜?ここはこの公式を使って計算していけば簡単にできるよ

友人:うわ本当だ〜!ありがと〜!和は本当に頭いいな〜!

和:このくらいね

私の名前は井上和

至って普通の女子高生だけど周りからはクールビューティーだとか才色兼備だとかいろいろ言われてるけど正直めんどくさい

まあ自分でも冷めた性格だっていうのはわかってる

男子生徒:和ちゃ〜んよかったら今日一緒に昼ご飯食べない?

和:ごめん。そういうのめんどくさい

男子生徒:うっ…胸が痛い…でも雑に離されるのも悪くないぜ…!

私だって別にわざと冷たくしてるわけではない

人と深く関わるということがめんどくさく感じてしまうのだ

和:はぁ〜人に話しかけられるの本当にめんどくさいなぁ…

そういいながら和は一人で廊下を闊歩していた

和:はぁ〜…あっ…やば…!

私としたことがただの廊下で足を滑らせてバランスを崩してしまった

でも大丈夫。しっかり受け身を取ってすばやく立ち上がれば私のイメージが崩れることはない

すべては私中心に回ってる。だから私はクールでいられる…

??:おっと…!

和:え…?

和が望み、想像していた結果にはならずに第三者による力によって支えられた

??:大丈夫?

上を見上げるとあまり見たことのない男が優しく私を覗き込んでいた

和:え、あ、う、うん…

いけない。私としたことが少し動揺してしまった

??:ほら、ゆっくりでいいから立とう

そういうと男は私の手をつかんで立たせてくれた

和:あ、うん…あ、ありがとう…///

??:お、おう…///

人に感謝の気持ちを示したのはいつぶりだろうか

しかしなぜなんだろうこの人の前では思わずいつもの自分が崩れてしまう

私のペースで進められない…

??:き、君の名前なんて言うの?

和:え…?あ、あぁ井上和だけど…

自分で学校で名前が割と知られている自覚はあり、最近は他人から名前を聞かれることがほとんどなかったため少し返答が遅れてしまった

??:へ〜和って言うんだ…お、俺は〇〇今日から転校してきたんだ。よろしくな

和:あ、よ、よろしく…

そういうと彼は去っていった

和:〇〇か…なんか他の子と違う感じだったなぁ…


先生:よ〜し、じゃあお前ら〜今日からの転校生を紹介するぞ〜入ってこ〜い

ガラガラ

女子生徒:え、かっこよくない?

〇:あ、〇〇って言います。よろしくお願いします

俺の名前は〇〇。

俺は今日親の仕事の影響で新しい学校に転校してきた

先生:それじゃあ〇〇はあの窓際の席に座ってくれ〜じゃあお前ら仲良くしてやれよ〜

俺は人と関わるのがそこまで好きではない

自分自身で言うのはあれだが顔も割と整っているので女の子から話しかけられることも少なくない

〇:ちょっと学校内歩いてみるか…

女子生徒:あ、あの〇〇くん!よ、よかったら連絡先とか交換してくれませんか…?

〇:あ、ごめん、そういうのめんどくさくてさ

女子生徒:あ、うん、ごめんね…断られたけど王子様感あってかっこいい…

俺自身できるだけ人と話さないためにわざと突き放している

〇:はぁ新しい学校しんどいな〜

??:あっ…やば…!

〇:ん?

目の前で女子生徒が足を滑らせて転びそうになっていた

普段なら知らぬふりをして通り過ぎるはずが気づくと何故か体が勝手に動いていた

いつもは誰とも関わりたくない俺だったが今の一瞬だけはなぜか関わらないといけないような気がした

〇:おっと…!

倒れそうになっていた体をしっかりと腕でキャッチして支えた

??:え…?

〇:大丈夫?

思わず自分から話し始めてしまった

和:え、あ、う、うん…

〇:ほら、ゆっくりでいいから立とう

和:あ、うん…あ、ありがとう…///

〇:お、おう…///

いけない。俺としたことが自分主体で物事を進めてしまった

しかも、思わず人のことをかわいいと感じてしまった

〇:き、君の名前なんて言うの?

??:え…?あ、あぁ井上和だけど…

人からいろいろ聞かれることはあったが自分から人に聞くことはほとんどなかったため少し新鮮だった

〇:へ〜和って言うんだ…お、俺は〇〇今日から転校してきたんだ。よろしくな

和:あ、よ、よろしく…

そう会話を締めると〇〇は逃げるようにその場を去った

〇:な、なんだったんだ…なんかいつもと違う感じだったな…

〇〇は和を特別に感じていた

〇:和か…



和:はぁ...なんかペース崩されちゃったな...

〇〇によってペースを崩された和は自分のペースを取り戻すため自らのテリトリーである屋上へと向かった

和:やっぱここが1番落ち着くなぁ...

あまり人のこない屋上は和にとって最高の場所だった

ガチャ

和:え?

先程も言った通り屋上には人がほとんど来ない

その屋上で聞き慣れないドアが開く音が鳴った

〇:ここなら落ち着けそう......あれ?

ドアが開くとそこには〇〇がいた

和:あ...

2人の間に気まずい時間が流れる

和:な、なんでここに来たの?

〇:いや...ちょっと1人で落ち着きたいなと思って...そっちこそなんでここに?

和:わ、私も落ち着きたくて来たの。そういう時はいつもここに来るんだ...

〇:そうなんだ...なんかさ俺ら似てない?

和:え?

〇:2人とも1人になりたくて屋上に来たわけじゃん?

和:ま、まあたしかに...

〇:俺さ、人と関わるのが好きじゃなくてさ。前の学校でも話しかけられたらめんどくさくて突き放したりしてたんだよね

和:私も人と関わるの苦手だからよくやっちゃうな...

〇:やっぱ似てる...笑

和:そうだね...笑

互いの共通点に共感して微笑み合った。

〇和:でも!

和:あ、ごめん。先に言って?

〇:いいよ。なんか多分同じことのような気がする

和:う、うん...〇〇の前だとそのままの自分が嫌でも出ちゃうんだ

〇:俺も...今日和に会った時なんか自分が自分じゃないみたいで変な気分だった

2人がお互いに感じたことを伝え合う

〇:もしかして俺らって...

和:私たちって...

〇和:相性いいのかも...

2人はしばらくの間見つめあった

やがて〇〇が和の肩を掴み少しずつ顔を近づけた

和:ま、待って...

〇:ど、どうした...?

和:わ、私まだキスしたことないからゆっくり大事にして欲しくて...

〇:大丈夫...俺も初めてだから大事にする

チュッ

そしてクールな2人の情熱的なキスが行われた

〇: ...///

和: ...///

キスが終わると2人ともクールという言葉とは真反対に顔を真っ赤にしていた

和:なんか恥ずかしい.,.笑

〇:俺も...笑

和:でも好きってこういうことなのかも

〇:俺もわからない...こういうことなのかな...

和:ねぇ〇〇の前では素の自分でいてもいいかな?

〇:もちろん...俺もそうしたい...

クールな和なりの告白だった

和:これからは少し人生が退屈じゃなくなりそう...笑

〇:退屈させないよう頑張るよ

クールな2人の恋愛はまだ始まったばかり

end


















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