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『クールキャラになりたいの!』

遥:こういう服を着て…こういう表情なら…

私の名前は賀喜遥香

私は今あることを頑張っている

それは…

遥:これでさばさばした感じの受け答えにすればクールに見えるかな…

そう!クールキャラになろうとしているのだ!!!

普段の私はいっつもニコニコしたり何か言われるとすぐにニヤニヤしてしまうクールとは真逆の人間だ

ではなんでそんな私がクールキャラになろうとしているのか…

それは親友の田村真佑と話しているときのこと…


真:結局○○君とは話せたの?

遥:いや、全然だよ…

○○君とは私が今気になっている同級生の男の子だ

真:遥香~!話さないと何も始まらないよって何回も言ってるよね~!

遥:うん…でももっと○○君のこと知ってからじゃないといけないよ…

真:あんたかわいいんだからいい加減自信持ちなって~

遥:う~ん…

真:あ!○○君のことでいい事教えてあげる!

遥:え、なに…?

真:○○君はクールな女の子が好きらしいよ…?

遥:クールな子…ほら~もう私無理じゃ~ん!!!

真:だ~いじょうぶだから!

遥:私どちらかと言えばデレデレしてるほうだし絶対無理だよ…

真:今からクールになればいいじゃん!

遥:私にクールなんてできないよ…

真:大丈夫だって!練習すれば絶対できるから!ね?

遥:ほんとかなぁ…

真:ほんとだって~!私も協力するから!頑張ってみよ?

遥:うん…頑張る…

真:よし!そうと決まればいろいろ変えないと!

遥:いろいろ変える…?

真:服装とか話し方とか…

遥:どうすればいいか全然わかんないよ…

真:まあ服は最悪私が貸せばいいとして…問題は話し方だよね~

遥:クールな話し方ってどういう感じなんだろ…

真:まあなんて言われてもそっけない感じに返すとかかな~

遥:そっけない感じ…普段と真反対だ…

真:まあとりあえず練習してみよ!遥香おはよ~!

遥:あ、真佑おはよ~!あっ…

真:そんな元気に言ったらダメ!ほらもう一回、遥香おはよ~!

遥:真佑おはよ

真:いい感じじゃん!でもちょっと顔がニコニコしちゃってるかな~!

遥:難しいな…

真:まあ、もうちょっと練習したら大丈夫だよ!

遥:うん…真佑ありがと

真:いいのいいの!でもまずは○○君誘わないと始まらないからね?

遥:そっか~それも難しいんだよな…

真:じゃあもう今から言いに行っちゃおうよ!

遥:え…今から?

真:うん!こういうのは勢いで行っちゃうのがいいのよ!

遥:できるかな…

真:大丈夫!私も見ててあげるから!

遥:うん…わかった…

真:ほら、そんなこと言ってたら来たじゃん!

遥:えぇ…ど、どうしよ…

真:行っておいで!クールも忘れずにね!

遥:う、うん…

そういうと遥香は廊下に出ていった

遥:あ、ま、○○君…

○:あ、賀喜さんどうしたの?

遥:こ、今度の週末さ二人でお出かけでも行かない…?

○:あ、うん!行こう!

遥:あ、ほんとに?やった!あっ…

○○に了承されたことで思わず喜んでしまう遥香

○:賀喜さんどうしたの?笑なんか変だよ?笑

遥:そ、そう?

○:まあいいけど笑じゃあ今度の週末ね!

遥:あ、う、うん

○:じゃあまた連絡するね!

遥:うん、またね

そう言うと○○は去っていった

真:遥香~!頑張ったね~!

そう言うと真佑は勢い良く遥香に抱きついた

遥:は~緊張した…

真:でも、ちょっとデレが出ちゃってたからもうちょっと練習しなきゃ!笑

遥:うん…がんばる…

真:がんばれ!笑


そして今に至る

遥:よし、これでいける

そして今日が○○君とのお出かけの日だ

遥:服装よし、表情よし…

遥香は鏡を見ながら言う

そして遥香は待ち合わせ場所に向かうため家を出た


遥:あ、○○君いる…

待ち合わせ場所に到着すると先に待っている○○がいた

遥:あ、○○君お待たせ

○:あ、賀喜さん!服装めちゃくちゃいいね!

遥:え、ほんと?あ、ありがと…

服装を褒められ喜びそうになるがギリギリで耐える遥香

○:てか賀喜さんに服選んでほしいんだよね~

遥:私に?いいけど…

遥香は意識してそっけなく答えた


○:めっちゃおしゃれだな…

中高生に人気のファッションブランド店にやってきた二人

遥:こういうのとかいいんじゃない?

そういうと遥香は○○に似合いそうな洋服を指さした

○:お、着てみよ

そういうと○○は試着室に向かった

遥:はぁ…クール装うの疲れちゃうな…

少しの間一人になった遥香は少し気を抜く

遥:○○君といっしょにいると思わずニコニコしちゃいそうになるなぁ…

今日すでに何回か危ない場面があった遥香

○:あ、お待たせ~!

遥:あ、うん

○○が来ると急いで表情を作り直す遥香

○:どう?似合ってる?

遥:う、うん…いいんじゃない?

○:お、ほんとに?よし、じゃあこれ買お!賀喜さんは見なくていい?

遥:私はいいかな…

○○にこれ以上褒められて耐える自信がない遥香は自分の服を見ることはしなかった

○:そっか…

そうして二人は会計を済ませ店をでた


○:意外と長い時間いたね~

店の外に出ると辺りは暗くなっていた

○:結構いい時間だし夜ご飯食べに行こっか

遥:うん

そう言うと二人は近くのレストランに入った

○:俺はこのセットにしよ!賀喜さんはどうする?

遥:ん~私も同じのでいいかな…

そうして二人同じものを頼んだ

○:賀喜さんはなんで俺を誘ってくれたの?

遥:え、普通に仲良くなりたかったから…

○:誘ってくれてめちゃくちゃ嬉しかった!

遥:そっか

○: …。

そうして二人の食事はそこまで盛り上がらないまま終わった


○:おいしかったね

遥:うん

二人の会話はすべて簡単なものになってしまっていた

○:ねえ賀喜さん

○○は神妙な面持ちで遥香を呼んだ

遥:ん?

○:賀喜さんは今日楽しかった?

遥:え、うん、楽しかったけど…

○:じゃあ、なんで今日はそんなにそっけない感じなの?

遥:え、そ、それは…

○:賀喜さんはいっつもニコニコしててそんな賀喜さんと遊べると思って楽しみにしてたのに…なんか事情があるなら教えてよ…

遥:ご、ごめん…じ、実は…

遥香は○○がクールな女性が好きと聞きクールになろうとしていたことを正直に伝えた

○:そういうことだったんだ。じゃあ俺のためにしてくれてたんだ

遥:ま、まあそうかな…

○:でも俺はニコニコしてる賀喜さんが好きだよ

遥:え、す、好きって…

○:そうだよ?だから誘ってくれた時うれしかったんだ

遥:でもクールな人が好きって…

○:うん、でも無理矢理変えるなんてしてほしくないよ

遥:ごめん…私○○君にアピールしたくて…

○:いや、めちゃくちゃ気持ちが伝わったよ…でも賀喜さんにはニコニコしててほしいな

遥:う、うん!

そうすると遥香に笑顔が戻った

○:てかさ遥香って呼んでもいい?

遥:え?う、うん、いいよ笑

遥香はデレデレしながら言う

○:うん!やっぱり遥香はそっちのほうがいいよ

遥:あ、ありがと…///

褒められてちゃんとデレる遥香

○:これからもこのままでいてね?

遥:う、うん///

遥香は顔を真っ赤にして答えた

○○と遥香の恋はまだ始まったばかり…

end…?


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