『彼女持ちなのに上司が誘惑してくるんですが...』
〇:ふぅ〜やっと昼休憩だ
俺は〇〇。ごく普通の会社員だ
〇:ラーメンでも行くか〜
??:〇〇〜!ランチ行こ〜!
〇:あ、山下さん
この人は山下美月さん。俺の上司だ
美:あれ、もう誰かと行く予定あった?
〇:いや、一人でラーメン行こうとしてただけなので大丈夫ですよ。行きましょう
美:やった〜!
山下さんはとても美人で社内でも非常に人気がある人だ
俺はそんな山下さんとよくランチにも呑みにも行く関係だ
そして二人は会社の近くのレストランに来た
美:は〜お腹すいた〜!
〇:そうですね
美:あれ〜?〇〇なんかテンション低くな〜い?
山下さんはこういう風にラフに接してくれる
〇:いや、上司との食事なので...
だが俺はあくまでも上司と部下という関係なので同じようにラフに接することはしない
美:え〜未だにそんなこと言ってるの?笑
そういって山下さんは手を机においていた俺の手に重ねてきた
〇:ちょ、ちょっと山下さん…何してるんですか...
美:ん〜?ただ手置いただけだよ?
〇:い、いや、それがおかしいんですけど...
美:じゃあ、そんな堅い感じじゃなくて普通に話してくれる?
〇:い、いや、それは...
美:上司の命令だよ?
〇:がんばりますよ...
美:よ〜し、えらいえらい
〇:ちょ、ちょっと...そういうのはまずいですって...
そう言って山下さんは俺の頭を撫でてくる
先程俺が山下さんとラフな感じで話さないのは上司と部下という関係だからと言ったが実はそれだけではない
これまで流れを見てもらうとわかると思うが山下さんはラフに接してくることに加えてスキンシップも厭わない人だ
それに加えて実は俺には遥喜という彼女がいる
だから関わりすぎると大変なことになると考えて堅苦しい感じにしていたという訳だ
美:え〜なんで?笑ただよしよしってしてあげただけなのに笑
〇:山下さん...俺赤ちゃんじゃないんですよ...?
美:てか、山下さんって呼び方やめてよ笑
〇:え?じゃあなんて呼べば...
美:ん〜...普通に美月でいいじゃん!
〇:いや、それはさすがにダメですよ...上司を呼び捨てなんてできないです...
美:え〜ダメかな〜?私は良いのに〜笑
〇:山下さんは良いかもしれないですけど俺のことも考えてくださいよ
美:じゃあ私と二人の時だけでいいから!ね?
山下さんは上目遣いでそう言ってくる
〇:くっ...わ、わかりましたよ...
俺としたことが上目遣いに負けて思わず許可してしまった
美:やった〜!
〇:ていうかなんで呼ばれたいんですか...?
美:え〜だって〇〇かっこいいし仲良くしたいな〜って思って!笑
〇:いや...俺彼女いるって前にも言いましたよね...?
美:え、それ関係ある?
〇:あるでしょ...
美:たとえ彼女がいても彼女より私のほうがいい思わせたら勝ちじゃん
〇:いや、言ってる事自体は間違ってないのかもしれないけど大切ななにかが欠落してる気が...
美:まあいいでしょ!笑じゃあ私先に出とくね
〇:え、あ、ちょっと!
そういうと美月はそそくさと店をあとにした
机には空になった容器と二人分の代金が置いていた
〇:あの人いつの間に食ったんだよ...
〇〇は話に夢中でまったくと言っていいほど食べていなかった
〇:はぁ〜...
ピロリン
〇:ん?
遥L:今日も夕飯いっしょに食べるよね〜?
彼女の遥香からのLINEだった
〇:いろいろあるけどなんか幸せって感じだな〜...
日々仕事のストレスを感じている〇〇だったが彼女が家にいて料理を作って待っていてくれるということに幸せを感じる〇〇であった
〇L:うん!いっしょに食べる!
〇〇は遥香にそう返信し美月にだいぶ遅れて店をあとにした
〇:ふぁ〜...食べたばっかで眠いけどあと少し頑張らないと...
〇〇は眠い目をこすりながら午後の業務をこなしていた
ピロリン
〇:お?
遥L:今日は〇〇の好きなからあげにするね〜!
〇:今日からあげか...最高だな...笑
仕事が終われば彼女とからあげが待っているという事実に思わずニヤけてしまう〇〇
美:〇〇くん仕事中にニヤニヤしながら彼女さんとLINEですか〜笑
急に美月が後ろから囁いてきた
〇:い、いや!こ、これはその...!
驚きと動揺で思わず大声を出してしまう
美:しー!おっきい声出したらみんなに聞こえちゃうでしょ〜?
〇:す、すいません...こ、これはLINEが来て思わず見ちゃって...
美:ふーん...それで今日は〇〇くんの大好きなからあげなんだ笑
LINEの内容を覗き見してからかってくる
〇:ちょ、ちょっと...!
美:ふふ笑まあ理由はどうであれ事実は事実だから罰を与えないとな〜
〇:え、ば、罰ですか?
美:うん!今日一緒に呑み行くよ!
〇:い、いや、さっきLINE見ましたよね?今日はさすがに帰らないと...
美:うちの会社厳しいからこれがバレたらめんどくさいことになっちゃうと思うけどな〜
〇:くっ...わ、わかりましたよ...
美:うん!じゃあ決まりね!
また美月の思うつぼだ
美:じゃあ今日は私の方がいいって思わせてあげるから...
美月は耳元でそう囁くと自分の席に戻っていった
〇:やっぱあの人は危険だな...
改めて美月に対する警戒心を強める〇〇だった
〇:あ、遥香に伝えないと...
〇〇は遥香に対する罪悪感を感じながらLINEに文を打ち込んでいった
〇L:遥香ごめん!急に上司から呑みに誘われちゃったから夕飯一緒に食べれなくなった...
〇:本当に申し訳ないな...
ピロリン
〇:お、早いな..!
遥L:大丈夫だよ〜!気にせず行っておいで〜!
〇:なんていい彼女なんだ...
改めて彼女の偉大さを感じた
〇:ここか?
時間は19時。仕事も終わり一足先に仕事を終えていた美月を追って待ち合わせ場所の居酒屋についた
〇:えーっと山下さんは…
美:おーい〇〇!こっち〜!
店を見渡すと奥に一人で待つ美月がいた
〇:おまたせしました
美:大丈夫だよ〜!私はビールにするけど〇〇どうする?
〇:俺もビールで大丈夫です
そう言ってビール二杯とおつまみを頼んだ
美:今の彼女とはいつ出会ったの?
〇:大学1年生の時に出会ってそこからって感じです
美:へ〜彼女のどんなところが好きなの?
〇:ん〜…優しいし、話しやすいし、料理もうまいし…ありすぎて選べないです
美:え〜本当にラブラブじゃん
届いたビールを飲みながらそういう
〇:ま、まあそうですね
美:ねえ〇〇…
急に美月の雰囲気が変わったような気がした
美:どうしたら〇〇を私の物にできる?
俺のネクタイを掴みながら美月はそう言った
〇:や、山下さん…俺彼女いるんですって…
美:美月って呼ぶ約束は?
〇:ぐっ…美月…彼女いるからダメだって…
不覚にもドキドキしてしまった
美:私ね昔から諦めるの嫌いなんだ〜
そういうと顔を近づけてくる
〇:本当にダメだって…美月...
美月はさらに指を〇〇の指に絡ませてくる
美:しらな〜い
チュッ
そう言うと美月は〇〇の首元にキスをした
〇:ちょ、ちょっと…!
〇〇は美月を自分から少し遠ざける
美:いやだった?
〇:い、嫌とかそういう問題じゃ…
美:ちょっといじめ過ぎちゃったかもね笑〇〇今日はありがと!またね
そういうと美月は昼と同じように代金をおいて店を出ていった
〇:あぁちょっと美月さん…あの人は本当に自分勝手な人だな
〇〇はそういうとビールを飲み干し店を出た
〇:ただいま〜
遥:あ、おかえり〜!意外と早かったね
〇:うん、なんか結構早く解放してくれた
遥:解放って笑ん…?あれ〇〇ちょっと横向いて?
〇:え?うん
遥香に言われた通りに横を向く
遥:え、この赤いの何…?
〇:あっ…
〇〇は一瞬で美月にキスされたときのものだと悟った
遥:もしかしてキスマーク?
〇:い、いや、遥香!こ、これには理由があって…
遥:〇〇〜!浮気か〜!
〇:は、遥香!聞いてくれ…!
それから話を聞いてもらい許してもらうまでかなりの時間がかかった。完全に許してもらったわけではないが…
〇:はぁ〜本当に大変だった…
ピロリン
〇〇が自室で息を吐いているとLINEの通知が鳴る
美L:今日はありがと〜彼女さんに怒られたりしなかった〜?笑
〇:この人本当に...
〇〇は美月少し怒りそうになる
〇L:本当に大変だったんですからね!
怒りを抑え返信する
美L:ふふ笑ごめんね笑
〇:絶対反省してないだろこの人...
ピロリン
〇:ん?
美L:でもまだ諦めてないからね
〇:この人...でも今日のも俺が悪かったとこもあるから気を引き締めないとな
不覚にも美月にドキドキしてしまったことを反省しつつ気を引き締め直す〇〇であった
end?
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