【翻訳】Kaiserreich進捗リポート114 国粋フランスリワーク・その1
(元記事はこちらから↓)https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/i9qyqn/progress_report_114_the_national_france_rework/
Bonjour、皆さん。今日はみんな大好き狂気の報復主義亡命国家を見てみましょう。
国粋フランスはKaiserreichの世界で大きく拡張されたことはありません。ツリーはmodの中でも最も古い、ハッキリ言って最低限のものです。これはKR世界の亡命フランス人の状態にも大きく反映されています。その前史は少なく、ストーリーはほとんど、またはまったくと言っていいほど語られず、中身は更に味気ない。ゲームプレイは通常、協商の地中海基地、自殺的なプロヴァンス上陸作戦の開始地点でしかない。ようやく本土に戻ったとしても、今度はゲームが終わるまで三つのNFツリーをすべて完了してしまう。すべての中身が無謀な国土回復を狙う悪辣な植民地国家でしかないというのは、いささかがっかりする点です。
そのため完全なリワークが必要となり、(できれば)すぐに仕上げる予定です。リワークチームは自殺的な上陸作戦の防止については保証できませんが、より魅力的で楽しいプレイヤー体験を作りたいとは考えています。
歴史
西武戦線の血みどろの戦況の末、フランス陸軍は窮地に立たされた。バルカンでは敗北し、ロシアは既に戦争から離脱した。経済は戦争活動のために広く動員され、予備兵力も底が見えていた。前線では反乱の兆しが芽生えつつあったが、すぐに鎮圧され、待遇と規律の改善によって兵士の士気も回復し、1918年春の攻勢は多大な犠牲を払って成功を収めた。だが1919年の膠着状態はドイツの大規模攻勢の前触れでしかなく、ついに浸透戦術が最大限活用された。英仏両軍間の戦線は崩壊し、協商に楔が撃ち込まれた。パリに迫るドイツ兵を阻止せんとフランス軍が奮戦する中、イギリスは戦闘を行いながらの撤退を命じ、共通の主導国という建前をすべて放棄した。フェルディナンド・フォッシュ最高司令官は更迭され、フィリップ・ペタンが就任した。ペタンはヴェルダンの戦いで苦戦の末にドイツの攻勢を阻み、1916年の反乱未遂にも対処してきた過去があった。19年中ごろ、パリは包囲されたが、しかし縦深防御戦術と決死の機甲化反攻によって戦線は安定していた。オアーズでは騎兵と戦車が奇跡的な突破を成功させ、これがフランス指導部の目を曇らせた。パリの解囲とイギリス派遣軍との接続、あるいはドイツ人から少しでも有利な講和条件を引き出そうという雰囲気が生まれ、絶望的攻勢が始まった。
攻勢で運命は決した。フランス労働総同盟(CGT)の組織したストライキによって国内が一時的にマヒし、厳しく弾圧された。だがこれは大きな要因ではなかった。既に後方では十分な戦車を用意できず、小規模な反攻作戦の成功は軍民の指揮を高めるには至らなかった。更に悪いことに、前線の維持を信じた兵士たち、更には下級士官までもが攻勢に反対し、自分たちの命を捨てるようなものだと声を挙げた。事ここに至りて、1919年10月4日、政府は休戦を求めた。二日後、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世と兵士たちはシャンゼリゼ通りを行進した。戦争に敗北したのだ。復員令が届いても兵士たちの多くは命令を拒否し、社会主義派のフランス社会党[SFIO]とサンディカリスト派のCGTは抗議運動での連携を宣言した。11月1日、ヴェルサイユ条約が調印され、過酷な条件が課された。軍と世間では大きな怒りが生まれ、大規模な抗議活動となって噴出した。いまだ動員を続ける兵士たちに武装解除の最後通牒が発表され、兵士たちを支持するゼネストが呼びかけられた。法執行機関、抗議活動、フランス軍の間での暴力的衝突が発生し、革命が始まった。
凄惨な内戦の末、政府は敗北し亡命を決断、フランス海軍と共にまずはコルシカ、次にアルジェリア准県に逃れた。エリート層や多くの難民が革命の暴力を逃れた。新たに建国した「フランス・コミューン連邦」は早晩内部から崩壊するか、あるいは忌々しいドイツ人の手で鎮圧され、この一時的状況も解決するだろうと期待していた。結局はどちらの予想も外れ、ドイツ帝国とフランス・コミューンの間で条約が締結され、亡命政府は蚊帳の外に置かれた。コミューンは新たなドイツ陣営諸国のほとんどからフランス共和国の継承国として承認され、大戦時に共に戦った国々は亡命政府を承認した。しかし難民たちは消極的姿勢に否定的だった。彼らはフランス全土とその植民地帝国の正当な政府としての主張を新たにし、咥えて協商との繋がりを再確認し、攻撃の機会を虎視眈々と狙っていた。だが亡命の余波は非常に不安定だった。政治家は長期政権を確立できず、その代わりに些細な口論が一層増え、亡命本国人とピエ・ノワールとの対立もあ相まって、状況は悪化の一途を辿った。1926年、軍が介入し、非常事態を宣言、退役兵と大戦の英雄としての名声に支えられ、ペタン元帥の下で事実上の軍事政権が編成された。
1936年のフランス
ゲームスタート時の国粋フランス。今までの「コミューンへの反抗」「国内不安」のほかに、厳しい植民地政策を反映した「原住民関連諸法(Code de l'indigénat)」の国民精神が追加されている。
ゲーム開始時の説明イベント。ダルランや後述するモルダック将軍がペタンを支持している点、主要な政党として急進党、民主共和党、社会党、アクション・フランセーズの名が記されている。
非常事態宣言以来、「ヴェルダンの獅子」はフランスを支配している。敗戦の苦い記憶、そして戦時中の「輝かしい」経歴によって、ペタンは政治家として生まれ変わり、民主主義への深い疑いを抱き、社会主義に毒された祖国の浄化、そしてフランス回復を心に決めた。ほとんどの亡命政権支持者は、戦線は維持できたと信じている。フランス軍がもっと早くにペタンに耳を傾けていれば、政府がドイツ人から援助されていたであろう社会主義者や和平論者・敗北主義者どもにもっと徹底的に対策していれば、あるいは戦争にも勝てたかもしれないと考えている。要約すると、多くの者にとって敗戦の真の原因は政治であり、政府による和平案受諾がその証左であるというわけだ。
ペタンは強権的な統治を敷いている。国家元首兼フランス軍最高司令官として、ペタンはフランスをほぼ完全に掌握しているが、憲法は一度も改定や破棄などはされておらず、そのため共和国やその政府組織も、書類上では存続している。議会は元帥とその側近たちの追認機関以上の機能を果たしていないが、政党はまだ存続し、民衆に民主主義の幻想を見せるために活動している。彼らが実際に権力を握っていると考えるほど理想主義的な人間はごくわずかだが。しかし1936年の状況は異なる。ペタンの権威主義的手法は更なる民主化を熱望する多くの穏健派勢力を疎外し、軍内部でもペタンの弟子たちの権勢を苦々しく思う者は多く、裏では「縁故主義の横行」と批判されている。一方の政治勢力にしても、統合主義を掲げる王党派は共和制とその制度の転覆こそがフランス救済の唯一の手段であると信じており、軍や伝統的フランス人、それに原住民のエリート層の多くがこの思想に懸念を抱いている。軍事政権はゆっくりと、しかし着実に政治的信頼を失いつつあるが、ペタンの威光によって団結している。
だが国が直面する最大の問題は、亡命体制の足元そのものだ。
懸案についての説明。ペタン元帥は周りをイエスマンで固め、モルダック将軍はそれを非難している。
アルジェリアは19世紀後半に海外准県として正式に併合され、亡命本国人とピエ・ノワールは人口でも大きな割合を占め、一部の主要都市では多数派を形成しているが、全体で見ればヨーロッパ人はいまだ数百万もの原住民を支配する少数派だ。原住民はフランス人によって二級市民と位置づけらえているにもかかわらず、原住民エリート層や軍によってアルジェから支配され、重い課税と強制労働を課せられている。
大戦での敗北以来、植民地の状態は不安定なものになっている。不満の声は厳しく弾圧され、近年の飢饉はずさんな対応しかなされず、サンディカリズムや汎アラブ主義の工作員は植民地支配に対するプロパガンダを広めている。だが大多数の原住民エリートはいまだフランスを支持し、原住民の中にもフランス語教育を受けた者、大戦の退役兵などが増加しつつあり、改革を望んではいるものの、いまだにフランスへの忠誠を保っている。しかし一つ確かなのは、統治がおろそかになれば、更なる暴動、最悪の場合は反乱すら勃発するだろう。
ゲーム内容:政治
ゲーム開始時、プレイヤーは重大な対立を抱えた政権を任される。政権の背骨たる陸軍では、将来のドクトリンについて議論が始まる。
アンリ・モルダックとドゴールの対立。モルダックは史実ではWW1ではアラス防衛線などで活躍、引退後もペタン政権下で批判を続け、43年に水死体となって発見された。この世界ではペタンとはやや距離を置き、優秀な将校の不足と最高司令部の現状把握能力を挙げている。ドゴールはこの世界では19年の機械化反攻作戦の成功で名を挙げ、史実通り航空機を組み合わせた機甲戦を目指しているようだ。
ペタンの肩入れによって、彼の弟子の多くが重要な地位に就いている。実際彼らは有能であるが、多くの将校が取り残されており、これをドクトリンの腐敗を助長していると懸念する者もいる。
二人の人物が軍内部の非公式派閥を率いている。アンリ・モルダックの改革派と、ドゴールに連なる比較的若い将校による「ヤング・ガード」だ。両派とも元帥に忠実だが、ヤング・ガードは特にその傾向が強く、ペタンにすべてを捧げ、また背後からの一刺し論に賛同している。ドクトリンの対立はすぐに制御できなくなり、政治問題に発展する。モルダックは今のところ民主主義を擁護し(実際には一時的な停止を求めているが)、一方のドゴールは統合主義を掲げるアクション・フランセーズのシンパであると知られている。ペタンの副官ルイ・フランシェ=デペレ(Louis Franchet d'Espèrey)元帥がゲーム開始から数か月後に引退すると、元帥は後任を指名するという決断を迫られる。
フランシェ=デペレの退任。史実ではマケドニア戦線で活躍している。この世界ではジョゼフ・ジョッフルの後任として軍事評議会の副議長を務めたようだ。
アンリ・モルダック
ペタンがモルダックを選んだ場合、これは後継者の指名と見なされる。実際その後まもなくペタンは辞任し、議会にモルダックを国家元首に選出するよう強く働きかける。
「ありがとう、元帥!」
このルートでは民主主義陣営の希望が復活する。彼らはモルダックをより与しやすい相手と見ているが、将軍は軍事改革により重点を置いているため、実際には道徳的な議論を受けるには程遠い存在だ。
民主派によるモルダックへの嘆願。緊急事態宣言の終結や民主制復活を要請しているが、パリ解放とコミューン撃滅までは軍事政権の継続を望むモルダックはあまり乗り気ではないようだ
こうした改革は軍部を憤慨させ、兵士と将校はアクション・フランセーズに参加する。クーデターの噂が将軍の耳に届いた時、どのように対応するかはプレイヤー次第だ。民主主義陣営と妥協し、政権への物理的支援と資金援助を獲得するか、あるいは単独路線を継続するか。妥協を選んだ場合、モルダックは部分的に民主主義を復活させ、ド・ラロック率いる社会党を中心とする大連立政権を任命する。この政権は伝統的な共和派(純粋に儀礼的大統領と強力な議会という第三共和政への回帰を求める)と、第三共和政の忌まわしき政治不安を防ぐ手段として大統領制への移行を望むド・ラロックとの間でバランスを保つことになる。またモルダックが政情不安を恐れて議会の要望を断り、独立独歩の路線を歩み続けることもできる。どちらにしろ、選択次第では悲惨な結果に終わる可能性がある。
ドゴール将軍とアクション・フランセーズによるクーデター
ペタン続投
ペタンはフランシェ=デペレの後継者を指名せず、更なる集権化を進めることもできる。これはペタン派とモルダック派の分断を一層助長する。
ペタンとモルダックの決裂
政治闘争ディシジョン
ここで軍部と一般フランス社会への影響力拡大競争がスタートする。プレイヤーは元帥として、消えゆく政権の残り火を再び焚きつけようとする。このルートは根深い汚職が暴露されたりするため、容易な作業ではない。
報道機関による政治闘争暴露。権力闘争とは無縁と信じられてきたペタンの名声は大きく傷つき、民主派の勢いが増す。
最終的にペタンは政権の強力な後援者「フランス再興」と呼ばれる組織と接触し、軍事政権を存続させ、必然的にあらゆる共和政や真の民主主義の体裁を封印し、完全な軍国的・テクノクラート的・コーポラティズム的国家を樹立する。
エリート層と教育を受けた大衆からなる新体制の樹立宣言。タイトル文の「フランス再興(Redressement français)」は史実では1926年にフランス石油社の社長エルネスト・メルシーが提唱したテクノクラート・コーポラティズム的思想。
あるいは年老いた獅子は民衆から見放され、モルダックが元帥にクーデターを敢行し、軍人や学者、議員から構成される国民救済委員を樹立する。
モルダックによるクーデター
その後モルダックがフランス社会を完全に改革し、動員を進め、来るインターナショナルとの戦闘の備えを進める。
シャルル・ドゴール
最後に、ペタンはドゴールを副官に指名することもできる。まだ若いこの男はペタンの側近で、元帥が公言してはばからない議会主義への不信感に共鳴している。このルートでは、ペタンが権力を維持する間、元帥はモルダックの影響力と民主主義的な勢力との結託を恐れ、モルダックを逮捕し、軍部内のモルダック派の口封じを試みる。これはどう言い繕おうとも悪手だ。
モルダック逮捕。しかし民主派の殉教者となってしまう。
モルダックを移送中の車両が襲撃を受け、モルダックが脱走する。政府内部に内通者が存在する可能性が示唆されている。
軍は街頭で抗議し、法律で禁止されているにもかかわらず、民主派やアクション・フランセーズの支持者に加わり、様々な勢力が元帥の行動に大きく失望する。プレイヤーは分岐点に立たされる。ドゴールは統合主義者との仲介役を果たすことができる。彼らはメディア攻勢、武装組織による支援、その他の非合法的手段を通じた抗議運動鎮圧に快く協力を申し出て、大きな効力を発揮する。
「政治は結果がすべて」と称し、アクション・フランセーズが非公式の協力体制を申し出てくる。
その後ペタンはゆっくりとドゴールとその仲間たちに政府内での権限を委譲し、最終的にくたびれた老人は引退する。新たな国家元首はフランスの安定を保証する新憲法の制定を進め、当然の結論に達する。革命の炎の中から生まれた体制を炎で消すことはできない。したがってドゴールは君主制復古に乗り出し、フランスの共和政的性質を洗い流す。あるいはぺタンが抗議運動が根を挙げるのを待つかもしれず、これは悪い結果に終わるか、先ほど指摘したようなコーポラティズム国家樹立を目指し、治安を回復し、元帥の後ろ盾の望み通りにフランスを改革できる。その選択はプレイヤー次第だ。
ゲーム内容:解放準備
いずれにせよ、フランスの当面の政治的未来が決まれば、コミューンとの戦争に備えるための作業が残っている。勝利した将軍の派閥に応じて、次のPRで紹介するさまざまな軍事ツリーにアクセスできるようになる(適切な説明を付けて紹介する)。協商との協力は不可欠であり、外交政策は主にディシジョンを通じて扱われる。祖国解放に備えてレジスタンス網を準備することで、コミューン再征服の準備を十全に整えることができる。
最後に、原住民問題が存在する。国粋フランスはやはり植民地国家であり、人口の大部分は二級市民として生活している。多くのイベントは植民者と原住民の関係を取り上げ、多くの抵抗に直面し、時に政敵によって利用される。植民地制度の改革は急務であり、社会不安鎮静化のための簡単な、あるいは困難なルートが待ち受けている。アクション・フランセーズの現地人政策、あるいは共和派の無私の姿勢による「文明化の使命」は多くの現地エリート層に支持されるが、強力な実業家たちで構成されるペタン派の場合、強制労働と資源乱開発という現状の抜本的改革を望む可能性は低い。いずれにせよ、注意しなければ反乱に直面する。
こうしたすべての議題を乗り越えてフランス本土を回復した場合、新たなツリーがオープンする。一つはプレイヤーのイデオロギーによって変化し、再建と脱サンディカリスト化を取り扱い、もう一つは対外政策を扱う。ドイツと恒久平和を実現するか、逆に正当なフランス領土をすべて再主張するかし、ヨーロッパを新たな戦争に引きずり込むか。選択はプレイヤーに託されている!
更にインターナショナルの陥落をじっくりを計画する間にも楽しんでもらうため、非常に献身的なチームが、亡命フランスの雰囲気と文化に一層浸ることのできる数多くのフレーバーイベントを追加した。
今回はこれまでです。お読みいただきありがとうございます。次回は、中期および後期のゲーム内政治について詳しく解説します。それまでの間、こちらをお届けします。国粋フランスの前国家元首候補です。(一部ポートレイトは将来的な変更の対象です)
実装の際は、国粋フランスでのプレイを楽しんでもらえると幸いです!
Q&A
Q:立憲君主制ルートとナポレオンルートは残ってる?
A:残念ながらアクション・フランセーズはオルレアン家専制の選択肢だけ残され、ナポレオンルートは達成するのが難しいゲーム後期の隠しイベントになる。しかし立憲君主制という意味では最善の選択肢なので、リワーク後にプレイして確認してほしい。史実でも君主制論者は極右のアクション・フランセーズしか残っておらず、立憲君主主義者も20世紀初頭までに共和政を受容していた。