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【翻訳】Kaiserreich進捗リポート97 オスマン帝国その2

原文、高画質の画像はこちら↓

(https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/donae6/progress_report_97_the_ottoman_empire_part_2/)


 前回お見せした部分ではオスマン帝国集権化ルートの概要を示しただけで、その中身は史実のムスタファ・ケマル・アタテュルク政権が実施したのと本質的に似たようなものだった。しかし当時は全く別の政治運動も存在していた。自由派と多くの上流階級出身の政治家がこの運動を主導し、進歩と統一委員会型の統治スタイルからの完全な脱却を目指した。長期にわたって政権を担ったことがないため、実際に何を目標としていたかを定義するのは難しいが、しかしこの一派の出身者の中でも最も有名な人物、社会学者のプレンズ・サバハッティンの著書を基に、最大限似たものを作るよう努めた。

自由派ルート

 KR世界の1936年時点で、自由派は連立の崩壊と前年の選挙での敗北とムスタファ・ケマル率いる人民党の政権復帰という大きな挫折に苦しんでいる。ケマルが多くの改革を推し進め、自身の構想に基づいて国を変え、すべての権力を集約化しようとする過程で、新たな自由協約党は彼を食い止めようとするだろう。もし阻止に成功すると、スルタンは両派の間で選択を迫られ、大宰相を支持するか、彼を解任して新たなに選挙を行うかを決めなくてはならない。言うまでもないが、誰からも受け入れられる選択肢は存在しない……

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前回紹介されたイベント。今回は下の静観を選ぶのだろうか

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自由主義志向のアブデュルメシド2世は議会の混乱を見て介入を決断する。人民党と自由協約党の間で後任大宰相か早期選挙の実施を選択する。

 ケマルを追放した場合、スルタンは自身の地位を心配しなくてはならない。軍高官は帝位を脅かす大きな脅威となる可能性を秘めており、実際に行動を起こすかもしれない……

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自由協約党勝利。しかし連立内で様々な派閥が動き、大宰相候補の選出時点で難航している

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大宰相候補の一人、キャーズム・カラベキル・パシャがアルメニアからイスタンブールへ

 だが万事を乗り切れば、選挙で帝国の未来と次の大宰相が決まる。自由派は統一戦線の体裁を整えようと尽力するが、旧連立よりも派閥の役割は大きな割合を占めているため、選挙に勝ったとしても実際に政務を進める前にやるべきことは多い。
 自由協約党はオスマン防衛党(DF)の人気を前に苦戦したが、それでも最大議席を獲得し、プレンズ・サバハッティン皇子が大宰相に任命され、現実的な連立の形成に取り掛かる。ここで自由派ルートでの新たな進路が開かれ、これを説明しないわけにはいかない。

議会システム

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 オスマン下院の混沌をシミュレートすべく、バニラ合衆国の議会システムを採用し、独自のアレンジを加えた。議会システムは賛成か反対かだけではなく、四つのグループに分裂した、もう少しダイナミックなものに代わっている。トルコ民族主義派、アラブ民族主義派、保守派、無所属議員が議会のメインプレイヤーで、残る議会を人民党、自由協約、防衛党の三大政党が占めている。多数派の形成は一筋縄ではいかない。議員の懐柔に安易な選択肢は存在せず、イベントやディシジョンは熟慮が求められる。

 先のPRで紹介した「州の相互関係」システムと組み合わせることで、プレイヤーは帝国のマイクロマネジメントをさらに細かく実行し、選んだ民族グループの税金を挙げたり下げたりできる。例えば次の改革でアラブ人の票と支援が必要だとしたらどうだろうか?バグダードを少し満足させれば、アラブ人たちは態度を変えてくれるかもしれない。そのためのコストを補うとしたら?これまで無視してきたが、クルド人の票を集めるという選択肢だってある。

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税金の上限システム。人口に応じて議員を獲得できる代わりに徴兵人口が下がる

 これと同じメカニズムがイベントでも発生し、しばしば選択を迫られる。議員を失ってでも帝国に真の改革をもたらしたいのか、それとも現状を維持し、支持基盤を維持するほうが賢明だろうか?

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戦時中にアラブ人に財産を奪われたアルメニア人への対応。アルメニア人は請願を続けているが、アラブ人は反対している

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ジャンダルマのアラブ人登用改革。実施するとトルコ人民族主義派は野党に、アラブ人民族主義派の議員は与党に加わる


 この議員たちがロールプレイ以外でどう必要になってくるのか、という疑問にお答えするために、フォーカスツリーを見てみよう。

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「地方議会への権限移譲」

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「自治令の発布」どちらも全国的に州の不穏度が減少する

 自由派ツリーでは一定数の議員を獲得することで解除される国家方針(大きな効果を得られるものが多い)が複数用意されている。そのためプレイヤーはツリーを最後まで進める場合はバランスを取る必要がある。

保守派ルート


 強力な保守派を始め、あまりに他派からの支援が少ない場合、彼らは自由協約は統治にふさわしくないと考えはじめるかもしれない。

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首都圏でも保守派の暴動が発生し、自由協約党は退陣を迫られる

 自由協約党が辞任に追い込まれれば、帝国はかつての汎イスラム主義方針を採用し、「雄弁の貴公子」ことシャキーブ・アルスラーンが大宰相となる。スルタン・カリフが帝国の最高権力者として復活し、生協の再合流をを目指すこのルートは、多くの人にとって次にアップデートでオスマン帝国に実装される中で最悪のものだ。

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解放令の廃止。女性の権利すら剥奪される

これがオスマン帝国の終着点となるのではという心配は必要ない。穏健な軍高官勢力が存在すればトルコに変体せずに済む。アルスラーンがあまりにも性急に、あまりにも度を越しすぎた場合は、より「有望な」候補者が見つかるまで、軍事政権が発足する。

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フェヴズィ・パシャのクーデター。

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 最後に、自由派は独自の経済と外交ツリーが実装され、これも先述のシステムが導入される。

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自由派ツリーの全体図。協商や帝国協定、独自陣営の立ち上げもできるようだ

何事もなければ、次回はマシュリク地域失陥で終わらないトルコを見せられたらと思います……

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