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美術史特殊講義〜奈良大学スクーリングの想い出〜

奈良大学通信教育部文学部文化財歴史学科に在籍、所定の単位を取得して令和2年(2020)3月に卒業しました。奈良大学通信教育部では毎年、7月〜9月、2月〜3月の金曜日〜日曜日にかけてスクーリングが開催されます。

スクーリングでは日本全国各地から学生が集まり、世代を超えてキャンパスで学びます。私が実際に履修したスクーリング科目について、回顧も含めて書いていきたいと思います。

今回は美術史特殊講義。3日間のスクーリングは1日目と3日目が大学内での講義、2日目は学外見学でした。

初日はまず、「美術史とは?」ということで先生の講義がありました。美術史は文字通り、美術の歴史についての研究で、対象となる美術品には仏像・仏画、刀剣・鎧、調度品、絵巻・掛軸などがあることについて説明がありました。美術品の見方については、観賞するための個人的な見方である主観的な見方、主題や形状など研究という視点による客観的な見方があること、そして美術史の方法として、図像学的方法、技法的方法、文献学的方法、歴史学的方法、様式的方法の5つの方法があることなど、美術史を学ぶにあたっての基礎となる説明がありました。続いて翌日の学外見学で訪ねる法隆寺の西院伽藍、東院伽藍、大宝蔵院、中宮寺について講義があり、どういった仏像が所蔵されているのかなど翌日、見学するにあたって見るべきポイントなどについて講義がありました。

2日目の学外見学では、まず大和文華館に集合。大和文華館を見学しました。私が訪れた時期に行っていた特別展は「宴の器」。古来、人々は儀式や酒盛りなどの宴を通して、お互いの交流を深めてきましたが、こうした宴の場で重要な役割を果たした器です。大和文華館が所蔵する趣向を凝らした器が展示されていました。大和文華館を見学した後は、バスに乗って法隆寺へ。金堂や五重塔を見学した後、大宝蔵院へ。教科書でもお馴染みの玉虫厨子や夢違観音と呼ばれている観音菩薩像をはじめとする国宝、国指定重要文化財に指定されている数々の仏像を前日の先生の講義を思い出しながら見学した後、夢殿のある東院伽藍へ。その後、中宮寺へ。本堂を拝観、国宝に指定されている菩薩半跏像を見学しました。

3日目は先生が専門的に研究されている絵巻物について、信貴山縁起絵巻について講義がありました。信貴山縁起絵巻は信貴山に毘沙門天を祀った命蓮という僧に関する三つの小話を描いたもので、飛倉の巻、延喜加持の巻、尼公の巻の3巻からなります。講義では社寺縁起とは何か、そして毘沙門天王の聖地として聖徳太子により創建されたと伝えられる信貴山朝護孫子寺についてまず説明がありました。そして宇治拾遺物語や今昔物語集に登場する話についての解説も交えながら、絵巻について説明がありました。

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