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【顛末書】蜻蛉玉鰐の涙も塩からく

ご無沙汰しています。お元気でしょうか。

8月の初旬から9月の終わりまで、抑鬱状態にありました。地元を出て以降の約10年間で、もっともこころの状態が荒んでしまっていました。

原因ははっきりしています。これまでの過労がたたり心身ともに疲弊していたこと、本務の環境が変わり適応できないままでいたこと、自身の引越しや実家の法事のため生活が落ち着かなかったこと。暑すぎる長い夏。
休む時間がなかったわけではないし、マッサージ、鍼、カウンセリング、こころの病院(30年生きてきて初めて足を運びました)、銭湯。自分を労わるための行動もできる限りしてきました。それでも、エンストしてしまっていました。趣味や活動にかける情熱を失い、これはまずい、と思いながら耐え忍んでいるような夏でした。

引っ越す直前の週、どうにも耐えがたくなって、熱川まで行きました。踊り子に乗って、出奔しました。表題の俳句はその時、バナナワニ園で詠みました。露天で眠るミシシッピワニの瞼にシオカラトンボが止まったその瞬間、ずっと泣きたくて、でも泣かずに居続けていたことに気付きました。

生きていて、よかった。全部終わりにしてしまわなくて、よかった。

皆様もどうかご自愛ください。