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アニメ感想「宇宙よりも遠い場所」

Netflixで一気見しました。
後半軽いネタバレが入っているのでご注意を。

最初の数話を乗り越えたら面白くなる、といったお話はよく目にしていたのですが、1話目でもう心を掴まれてました。

まず、オープニング映像がめちゃくちゃよかったです。
主役の4人がかわるがわる画面にチョークで文字を書いていくシーンがあるのですが、ローアングルでぐりんぐりん動くカメラと活き活きと文字を描いていく4人の溢れ出る青春感が素敵すぎて、あっ、これ好きな作品になるなと確信しました。

OPが流れるたびにこのカットが楽しみ楽しみで。
4人を見上げるアングルがとても素晴らしいのでVRで思う存分ぐりんぐりんしてみたいです。


メイン4人の女子高生達はかわいい部分と面倒くさい部分が絶妙に配合されてて、誰が一番好きかと聞かれても選べない魅力がありました。

声の話だけいうとマリ役の水瀬さんの夢を語っている時の希望に満ちた声と
日向役の井口さんの明るさのなかにちょっとだけ寂しさを感じる声がよきでした。

また、その4人を取り巻く人々についてもキチンとドラマが描かれているのも素敵でした。

特にキマリの幼馴染であるめぐっちゃん。
序盤だけ出てきて次第にフェードアウトしてしまう都合のいいモブ的旧友ポジションかと思いきや、キーパーソンもキーパーソン。
よりもいはめぐっちゃんに始まりめぐっちゃんに終わるのです。

親友を見知らぬ人間に連れて行かれてしまった時の疎外感。
友人の成長を喜びつつも追い抜かれてしまったことによる苛立ち。
そして、そういった感情を抱いてしまう自分への嫌悪感。

いやー、人間臭い、分かる、分かるよめぐっちゃん。

登場人物をほっとかないシナリオ構成に高感度あがりまくりでした。


少女達を取り巻く大人組のエピソードも素晴らしい。
描かれる場面は少なくても主人公達以上の熱量を持って南極へ挑んでいることが伝わってきました。
大切な仲間を失ってからの3年間という時間を想像するだけで心がじんわりします。

年をとったせいか最近は主人公組よりも大人組の心情に共感して泣けることが多くなった気がします。

特に、報瀬の笑った顔が母親そっくりだ、となるシーンは隊長の心情が想像できすぎてぼろぼろ泣いてしまいました。


よりもいは南極という死と隣合わせの世界に挑む恐怖とそれを乗り越えていくドラマであり、ヒロインの一人が死にかけて胃が痛くなる展開が待っているんだろうな、と勝手に思ってました。

結果、杞憂も杞憂で、南極が一番平和な感じまであって、道中のお話のほうが起伏に富んでいる、というのが新鮮でした。

逆にそれが先人達が積み上げてきたものや、極地でも日常を再現しようとする人間の逞ましさを感じさせてくれて、なんだか嬉しい気持ちにもなれたり。

同時に南極はただのきっかけであって、主役4人の出会いと交流にこの作品は重きを置いているんだな、と納得させられました。

全編通した結果、一番印象に残ったのは中継点であるシンガポールでのお話だったり。

このエピソード、旅のあるある感と対立する二人の性格の違いが際立ってて、なんか、いいんですよね。

旅というものは振り返ってみれば道中のトラブルが一番楽しい思い出になったりするものですが、まさしくそれだと思います。

どちらの立場も想像するだけで胃がキュっとなります。
そして二人の優しさに心がじんわりします。


なかなか思い切った旅行が難しい今日このごろですが、この夏に特大の旅をさせてもらえました。


最後に



南極で推しにサインを貰えるって一生モノの宝ですよね。


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