ドラマ:税務調査官 窓辺太郎の事件簿

僕は王道展開とかお約束といわれるような作品が好きなのですが、そのお約束が詰まったドラマが「税務調査官 窓辺太郎の事件簿」です。

汚名を着せられ世田谷の税務署に左遷させられた元東京国税局のエリート査察官、窓辺太郎が政治とカネを悪用するヤツラの不正を暴いていく。

という展開がひたすら繰り返されるお話なのですが、この流れが実に心地よいのです。

むしろ流れを知っているほうが楽しめると思うので、窓辺太郎のテッパンな展開をここに書いてみようと思います。



冒頭5分で政治の闇に触れた人間が消されます。必ず消されます。

のどかなBGMと共に窓辺さんが自転車で商店街を練り歩きます。
そうすると「窓辺さん、ちょっと聞いてくれよー」と住人からお声がかかり税の相談が。
テロップ付きで税の仕組みについての解説が始まり教育番組ような一コマが流れてひとつ賢くなれます。

税務署に戻った窓辺さん、年下の統括官から「住民に節税の仕方を教えるんじゃないよ、だからお前は窓際(まどぎわ)なんだ」とネチネチと小言を言われます。
この統括官を渡辺いっけいさんが演じられているのですが、実に憎たらしくかつコミカルに様々な難癖をつけてくれ毎話飽きません。


そうこうしていると国税局時代の上司から秘密裏に呼び出される窓辺さん。
ここで冒頭の政治の闇に触れて消された人物の話題に繋がります。
「君にはこの事件を調べてほしい、税務署のほうには研修という名目にしとくから」

ということで研修と称した窓辺さんによる地方での極秘調査が始まります。
福岡、神戸、仙台等、窓辺さんの研修先は様々です。
新幹線での移動シーンが一瞬差し込まれるのですが、1998年から始まったドラマなので新幹線の進化やその時代の駅前風景が楽しめます。


地方税務署に研修に来た窓辺さん。
「君があの左遷で有名なまどぎわくんかー、じゃあ彼女とこの仕事やっといてよ」と冷やかされながらお当番のヒロインとどうでもよい書類整理をさせられます。

「あなた仕事できなさそうだから私が教えてあげるわ」と得意げになるヒロイン。
そんな書類整理をしているうちに会計上の矛盾を指摘しだす窓辺さん。
次第に「この人もしかして…超有能な人なのでわ」となるヒロイン。
この手のひらクルーとなる展開に毎回ニヤニヤしてしまいます。

そして事件の真相を突き止め、黒幕の不正を見抜く窓辺さん。
全身黒ずくめのマフィアスーツ姿で登場し、大勢の部下を従えて黒幕の事務所へのスーパー査察タイムが始まります。
この状態になった窓辺さんは無敵状態になっており、政治家が雇ったヒットマンであろうと軽く投げ飛ばしてしまいます。


礼状を出し、一言。
「書類やコンピューターには一切手を触れないでください」
これを言われる側ではなく言う側だとこんなに痛快なんだなぁ、と感じさせてくれます。
また、このモードになると何故かべらんめえ口調になっており、凄みよりも面白さが勝ってしまい、ちょっと笑ってしまいます。

事件を片付け税務署に戻る窓辺さん。
戻った矢先からまた統括官が難癖をつけ初め、二人のケンカ(イチャイチャ)が始まってフェードアウト、という締め。  


そんな窓辺太郎の事件簿。
Amazonプライムで1話から29話まで見ることができます。
この展開、キライじゃないわ、と思われたらぜひ視聴してみてください。

窓辺さんののんびりした空気に癒やされ、笑い、最後にはスカッとなるはずです。

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