作家

アルベルト・モラヴィアの登場人物は
「私」が若ければ年上の女性に
「私」が中年だと若い女性に恋する

若い「私」を書いている彼は中年だった

理由を想像する
ひとつは関係性を含む平均化
ひとつは「私」に没入する彼

「私」が「彼」と一体化して歳をとれば
彼は自分が幾つになろうが
永遠に若い女性に恋するだろう
彼の心が欲しているのは
若い女性に恋する若い「私」なのだから

作家は自分を騙さない代わりに人を騙す

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