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土曜日、1万歩の吉祥寺

在宅勤務になって早4ヶ月。この平日、歩いて3分のところにあるスーパーしか行かなかった。iphoneの万歩計を見ると、月曜日の歩数は16歩……。週末はどこかへ出かけたいと思っていた。

すると金曜の夜、夫と晩酌をしていると「明日は仕事で吉祥寺に行く」という。わたしも行きたい! と、便乗させてもらうことにした。

土曜の朝、夫の同僚の方々が車で迎えに来てくれる前に、ドトールで朝食を食べた。モーニングセットCのホットドッグを頬張りながら、「ドトールでお茶することを“ドトる”と、動詞的に使うのはどうだろう?」と思い付いた。

車に揺られて、吉祥寺駅に近づくとわたしは先に降りた。

さて、久しぶりの吉祥寺。何をしよう?

とりあえず、映画を観ることにした。吉祥寺パルコに入っている映画館アップリンク(2018年にオープンしたばかりで、ピカピカ)に向かい、映画.comで評価が高かった「ブック・スマート」のチケットを購入した。

11:55の開演まで、あと30分ほど時間がある。

吉祥寺パルコの地下1階では、タイミングよく古本市が開催されていた。陳列された背表紙とにらめっこしながら店内をぐるぐる回り、ファッション関連の本を5冊ほど買った。

映画「ブック・スマート」は、とても面白かった。成績優秀でザ・生徒会長な女子高生が、チャラい同級生たちも実は良い大学に進学したり有名企業に就職したりするということを知り、「そんならわたしも遊んどけばよかった!!!」と卒業前夜にハメをはずす、というストーリーだ。

ミュージックビデオのような画づくりというか、観客をワクワクさせてくれる工夫がすごい。音楽の使い方に「ベイビードライバー」を思い出した。

あと、出てくるキャラクターが全員チャーミングで憎めない。 以下の監督のインタビューを読むと、なるほどーと納得する。

鑑賞後、お腹が空いたので、気になっていたカフェ「くぐつ草」でカレーセット(カレーにコーヒーか紅茶が付く)を頼んだ。洞窟のような店内は、旅の道中の気分になれる。

カレーは欧風。まったりとした甘みの中にスパイスがしっかり広がる、美味しいカレーだった。食後のコーヒーも完ぺきで、カフェのサービスを存分に味わった。

そうこうしていると、夫からLINEが入った。仕事が終わったそうで、合流することにした。

待っている間、以前友人に教えてもらってインスタをフォローしていた「Orfeo」という古着屋さんを見ることにした。

すごく好みの洋服ばかりだった! なかでも、ピンクのボーダー柄のワンピースが目にとまった。七分丈の袖は、着物を思わせる太めの幅で、めずらしい。動きやすく涼しそうで気に入った。しかも半額になっていたので、そのままレジへ向かった。

夫と合流してから、本屋さんを2軒回った。

・ブックマンション

西日暮里スクランブルのブックアパートメント然り、棚貸しの本屋ムーブメントがあるんだなあと思った。店の顔見知りが多く来店しているようで、コミュニティができてる感じがした。

・百年

入ってすぐにある新刊コーナーには、わたしもイラストで参加させてもらった本『のみタイム』が平積みされており、嬉しくなった。ちなみに、姉妹店の「一日」は休業中のようだった。

16時になる頃には、映画鑑賞、カレーとコーヒー、古着屋のワンピース、本屋めぐり……と、吉祥寺をエンジョイしきっていた。

そろそろ日本酒でも買って帰ろうか、と酒屋さんに向かって商店街を歩いていたら、ドイツパンのお店を発見。わたしはビールを飲むためにドイツへ2回行ったくらいには、ドイツが好きだ。

https://www.lindtraud.com/

なにかの木の実がたくさんまぶしてある丸いパンを買った。(今日、目玉焼きとハムをのせて食べたらとても美味しかった。)

そして、Google Mapで見つけた「未来日本酒店」という日本酒専門店に入った。「未来」の名前通り、新しい感じのする酒屋さんだ。AIでオススメの日本酒を診断してくれるサービスがあるらしい。

 わたしたちは、仁井田本家の「にいだしぜんしゅ」と水戸部酒造の「山形正宗」の2本を購入した。店員さんが嬉しそうに接客をしてくれて、本当に日本酒が好きなんだろうなと感じた。

パルコの古本市で購入した本、山室一幸著『ファッション:ブランド・ビジネス』を一気読みしたことで感化されて、夕食ではオードリー・ヘプバーン主演の映画「パリの恋人」を鑑賞した。

ざっくりいうと、書店員のオードリーがモデルの才能を見出され、パリでファッション雑誌の撮影をすることになる話だ。

フレッド・アステアが演じるカメラマンのディックは、ファッション写真家として有名なリチャード・アヴェドンがモチーフになっているということを知り、興奮した。ばらばらだった知識が、何かのきっかけでポーンとつながる瞬間が好きだ。


吉祥寺をぶらぶらしたこの土曜日の歩数は、約1万歩だった。刺激的なインプットと歩数は比例する。

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日本を歩き回って地図を作った伊能忠敬は、情報社会だなんだといわれる世の中で生きるわたしたちより、生々しく強烈な情報に触れて生きていたんじゃないかと思った。

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