1968年のベースボール

成田美名子氏の漫画「CIPHER 」で主人公の女性アニスが父親と過去の出来事について話す場面がある。それは舞台となるアメリカの80年代の平均的な世代が過ごした青春期の60年代後半から70年代についてである。彼の口から出たのはアポロの月面着陸、そしてウッドストックフェスティバルである。
この漫画を読んでいたのは1986年ごろで自分は大学生であったが、始めて自分の生まれた時代を意識した。なぜなら自分の生まれた年は1968年、アポロやウッドストックはその翌年1969年だ。
浦沢直樹の「20世紀少年」はその謎めいたトモダチなる存在が有名だが、そのタイトル通り歴史的な出来事が事件の鍵となっている。アポロ11号の月面着陸も1969年である。主人公たちは皆小学生で、そう考えると自分とは10年くらい前に生まれたという設定になる。70年代の音楽シーンが背景なのもそれが青春期だったからである。
興味でウィキペディアを調べると1968年はマルチンルサーキング牧師暗殺、ベトナム戦争のソンミ村虐殺事件、フランスの五月革命など歴史で読むような事件が横行している。アポロ計画のスタートもこの時期だが、推進したケネディは殺されてニクソン大統領が就任したのもこの年である。
また日本ではプロ野球が人気でテレビアニメで巨人の星が始まったのもこの1968年だった。自分が小学生の頃はスポーツといえば野球やソフトボールだったので頷ける。
自分の人生はそんなわけでプレイボール的に混乱した世の中からスタートした。ここで書きたいのは自分の過去について、キャリア変遷についてである。

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