8ミリ上映、ポイント制景品、輸入菓子

父は酒屋を高校卒で継いだが、高校では映画研究会の代表だった。本当かどうか知らないかその代表の証を見せれば、授業中でも映画館で映画を観れたらしい。

そんな趣味が高じたのか、従兄弟が酒屋の隣で喫茶店を始めた時分に8ミリ映画上映などをエンターテイメントとしてやっていたそうだ。今でいえば音楽のプロモーションビデオをスクリーンで流しているような演出の先駆けだった。だがまったく客受けしないのでやめてしまったそうだ。

小学生の頃、父は店をリニューアルした際にコーヒー豆を挽き売りを始めた。また合わせて酒屋でロイヤリティプログラムを取り入れた。詳しい仕組みは覚えてないが、店の商品を買うとポイントがたまり、ポイントによって賞品がもらえるようだった。店の隅には、大きな回転式の棚があり、そこに賞品が飾られていた。最近はじめたコーヒー挽き用の道具だったり、ウイスキーのグラスなどの酒の関連のものだった。これもしばらく店にあったが、人気がなかったのかやめてしまった。

酒屋には菓子などの食品があったが、テレビで見るような大手菓子メーカーのものではなく、アメリカの輸入チョコレートやラムネ菓子だった。なかでも好きだったのはコインやタバコの形をしたチョコレートだった。輸入菓子は不味いものもあったが、新しい菓子もあり、後ほど流行った口の中ではねる飴やガムはまず輸入菓子として店に並べられた。

今思い出すと父は店の販促やマーチャンダイジングには工夫をしていたらしい。のちにやめてしまうものが多かったので、多くのそれは父の思いつきや趣味だったのかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?