インドネシア語B級文法:受動形の問題の解き方

受動形の正誤問題は必ず毎回出ている。

B級の大問3(文法)で問われることをざっくり書き出すと:①語形の変化について、②前置詞について、③接続詞について、④外国語インドネシア語化、⑤曖昧な文章etc. といった感じかと思いますが、①であげた語形の変化についてが一番重要だと私は思います。

なぜかというと、これが分かるとインドネシア語文章の読解精度や処理速度も上がるからです。あと単純によく検定で出題されます。そしてその語形問題のバリエーションの一つが「受動形の正誤問題」だと思います。

2018-2020のB級問題でもこの手の問題が出ています。

受動形の基本のおさらい

meN- 他動詞の3つの形:meN-形,ゼロ形,di-形 :東京外国語大学言語モジュール

上記サイトで受身形(meN-動詞の変化形)について書かれていますが、ここで重要なのは他動詞(目的語をとる動詞)には、①meN-形、②ゼロ形、③di-形(いわゆる受動形)の3つが使い分けられているということと、di-形は他動詞になる語幹にdi-をつけた形だということです。

さらにこれらの使い分けは動作主ー動作対象「主語ー目的語」の関係性によって変わるということです。(一人称と三人称でゼロ形とdi-形と変化が異なる)

この辺はB級を受ける人は当然習っているんですが、問題として出されると何を問われているか分からなくなって、感覚で答えて適当に間違ってしまう、というのが前の私でした。

受動形の問題の典型

例えば
Tangga itu akan dinaik olehnya.
という文章は間違っています。

受け身の正誤問題を解く、理解するポイントは、
受動形は他動詞が変化したもの=自動詞は絶対に受身形にならない。
ということです。

自動詞には語幹動詞(=makan, tidur, naik etc)、ber-動詞(berlari, berdiri etc)、meN-動詞の一部 (meninggi, melebar etc) がありますが、これらは受動文にできません。

つまりmelarikanは受け身文にできても、berlariは受動文にできない。なぜならそもそも目的語をとらないので。
しかしberlariは自動詞だとわかっても、meninggiが自動詞か他動詞かはぱっと見て分からないのがインドネシア語の難しいところで、この問題のひっかけポイントです。

少なくとも2018-2020の問題ではmeN-形の自動詞を受身形にした文が間違った文として混じっておりこれが正解の選択肢でした。もし手元に過去問があれば、見てみてください。(diluncurkanはあっても、diluncurという変化形は文法的に存在しない)

受動形問題の解き方


ここが理解できれば簡単で、di-形を普通の形に戻して、「存在しない形or自動詞」(-kan や - iが抜けているとか)だったらその受動文は間違いです

つまり、

× Tangga itu akan dinaik olehnya.
〇 Tangga itu akan dinaiki olehnya.

ということです。

思考プロセスとしては、dinaik -> menaikに変換、menaik て単語あったっけ?、naikなら自動詞だし他動詞ならmenaikkan or menaiki のはず、menaikは「無い」か一般的ではない、ゆえに間違いだ。

というのが問題の解き方です。

この問題で問われていること

B級のこの問題で問われているのは、
この「受身形の基本的知識」とともに、「各単語の自動詞形、他動詞形」をきっちり使い分けできているか、ということでもあるということです。

B級に合格するなら、自動詞と他動詞くらい使い分けなさい、ということですね。自分には語形変化のパターンについて説明しきれないので、頑張って辞書を引きながらある程度のパターンを掴んでいってください。

例えば、語幹が形容詞でmeN-形になったらだいたい自動詞、とか。

この辺をきちんと意識して勉強すると、試験のためだけの勉強じゃなく、インドネシア語レベルが上がると思います。

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