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『君と夏が、鉄塔の上』を読んで

 賽助の『君と夏が、鉄塔の上』は、地味な主人公の伊達が、破天荒な帆月や不登校の比奈山と共に、鉄塔の天辺にいる"何か"の正体を知るためにひと夏を爽やかにかける青春作品だ。  私はこの作品を通して、今まで何も感じてこなかった世界に目を向け、気付きや思いを持つ事ができるようになった。  帆月が伊達に触れることで、鉄塔の天辺に何かがいることを認知した場面がある。これは、他人や物が私と接触することによってきっかけを生み出し、新しい世界が見えるようになるという事を示唆しているように感

    『君と夏が、鉄塔の上』を読んで