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Google UX Design Certificateを完走した感想とまとめ


オンライン学習サイト「Coursera」で受講できるGoogle UX Design Certificateを完了し、受けてよかったと思ったので、受講前に知りたかったことなどを共有できればと思います。
実際の制作内容や、カリキュラムなどについて質問があればお気軽にお声がけください。

Google UX Design Certificate(グーグルUXデザイン プロフェッショナル認定)とは

未経験者を対象とした、UXデザイナーの職業訓練プログラム。

10時間/週の学習で、約6ヶ月で完了することを想定したもので、現在は英語のみで提供されている。

費用は39ドル/月(4,207円でした)で、7日間の無料トライアルがあります。

受講の目的

・UXデザインを体系的に学びたい
(情報デザインを専攻していない&実務経験の少ないリサーチの手法について特に知りたかった)

・GoogleのオンラインコースのUXそのものに興味があった

・英語のオンラインコースを一本やりきってみたかった
(日本語で書いてから訳すのではなく、英語で受けて英語で考える(困ったらdeepLで単語は調べる))

カリキュラム

□コースの構成

コースは1~7まであり、3プロジェクトのデザインと、それらを掲載したオンラインポートフォリオサイト
(とオプションでレジュメなど)を作ります。

Course1:Foundations of User Experience (UX) Design

Course2:Start the UX Design Process: Empathize, Define, and Ideate

Course3:Build Wireframes and Low-Fidelity Prototypes

Course4:Conduct UX Research and Test Early Concepts

Cours5:Create High-Fidelity Designs and Prototypes in Figma

Course6:Responsive Web Design in Adobe XD

Course7:Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs

Course1~Course5:1つめのプロジェクト。
Figmaのスマホアプリのプロトタイプ+ケーススタディのスライド作成です。ここでUXデザインのプロセスを一周します。

評価方法は、他ユーザーと相互レビューです。プロトタイプの制作時間は30~1時間が設定が
多く、就職活動のポートフォリオとしての制作の場合は、どこまで時間をかけるかはユーザー次第な感じです。

Course6:Responsive Web Design in Adobe XD
このコースから、2つめの作品です。コース1~コース5と同様のプロセス2週目です。
XDでレスポンシブを想定したWEBサイトを作ります。

Course7:Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs
このコースから、3つめの作品です。コース1~コース5と同様のプロセス3週目です。
後、就活用のレジュメを作れます(必須ではない)

各Courseは週単位で区切られており、テスト等があります。

各コースの内容

Course1:Foundations of User Experience (UX) Design
UXデザインの概論。デザインのプロセスの全貌、具体的にどんな仕事があるのかなどの講義や読み物中心のコース。
講師の声や説明はとても聞き取りやすく、全文スクリプトも表示されており、アクティブな部分がハイライトされます。
(字幕表示可能、再生速度も調整可)

Course2:Start the UX Design Process: Empathize, Define, and Ideate
リサーチ、ペルソナ、ジャーニーマップからユーザーを定義、競合リサーチ、アイディエーションまでの流れを、
サンプルプロジェクトをと自分が選んだテーマの制作を通して学びます。
それぞれのフレームワークについてはたくさんの情報がありますが、1つのプロジェクトを通して学べる点がとても実践的でよかったです。
ユーザーインタビューを行う際には、協力者が必要になります。

どんなプロジェクトを選ぶか?ですが、sharpen(https://sharpen.design/)のジェネレータでランダムに表示されるテーマから選択するのが楽しいです。
ここで選んだテーマはCourse5まで長いお付き合いになるので重要です。私は、映画館のチケット予約アプリにしました。

Course3:Build Wireframes and Low-Fidelity Prototypes
動画、読み物→サンプルプロジェクトの課題→ポートフォリオプロジェクトの課題でそれぞれのステップを進めます。
サンプルプロジェクトは前のコースから続いて同じ題材が続くのが、情報をプロセスに沿ってどう使っていくのががわかりやすくてとても良いです。
このコースでは、前コースのアイディアから、ユーザー視点のストーリーボードと、アプリ視点のストーリーボードを作成します。
手描きのワイヤーフレームを複数案作りブラッシュアップする工程から、グレースケールのワイヤーフレーム→遷移可能なプロトタイプ化までを行います。

Course4:Conduct UX Research and Test Early Concepts
このコースでは、リサーチのプランニング→実践→分析→ブラッシュアップの流れを体験できます。
ほとんどの課題にテンプレートが用意されているため、取り組みやすいです。
分析の部分は、Miro等のホワイトボードツールを使用し、収集、整理、課題に優先度をつけ、実際にプロトタイプをブラッシュアップするところまで行います。

Course5:Create High-Fidelity Designs and Prototypes in Figma
前コースで作成したプロトタイプにビジュアルデザインを施したモックアップ制作→遷移やアニメーションを含むプロトタイプを作るコースです。
使用ツールのFigmaの基本操作の講義等も含まれます。モックアップのフェーズでは、文字・色・レイアウトなどのデザインの基本原則も講義があります。
Figmaのプロトタイプ、スタディ用のスライドを作って、1つめの作品が完成です。
課題の評価は、他ユーザーとの相互レビューです。

Course6:Responsive Web Design in Adobe XD
2つめのプロジェクトです。レスポンシブWEBデザインですが、メインはウェブブラウザを想定した上でモバイル版も作るという感じです。
ここでもsharpenでテーマを選びます(コース用に制約はかかっている)。
私は、オンライン建築学生のためのWEBノートアプリというテーマを選択しました。

XDのプロトタイプ、スタディ用のスライドを作って、2つめの作品が完成です。
コース5と同様、課題の評価は他ユーザーとの相互レビューです。

Course7:Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs
3つめのプロジェクトと、ケーススタディのスライド、オンラインポートフォリオ、レジュメ作成(オプション)、面接対策などコンテンツがあります。
私は、栄養療法の患者用の栄養管理WEBアプリを制作しました。

オンラインポートフォリオは、ケーススタディのスライドをWEBとして再構成するイメージです。
ノーコードツールの使用OKです。私は、日本語が使えて広告も表示されないIM Creator(https://www.imcreator.com/)を使用しました。

受講の仕方

全てオンラインで、コンテンツは動画視聴・テキスト・選択式のテスト・制作のアクティビティなどがあります。
講師のフィードバック等があるわけではなく、課題を提出して完了or他ユーザーとの相互レビューで合格したら完了という形式です。
1つのコンテンツは数分、アクティビティも30~1時間を設定しているものが多く、細切れ時間でも手軽に取り組みやすく設計されれいます。

こんな人におすすめ

シニアデザイナー

実務で経験はあっても、体系的には学んだことがない人。
また、ジュニアデザイナーの指導をしている人が教材として使うのにもおすすめです。
(前職では、若手向けの業務マニュアル作成の参考にしました)

ジュニアデザイナー
・ペルソナをやや雰囲気で作ってるかも(もしくは作りっぱなしになっている)という人
・カスタマージャーニーマップの作り方はわかるけどそれをどう次のステップにつなげるかで迷う人
・アイディア出しから設計に移る部分で迷いがある人
・ワイヤーフレームをデジタルツールで作り始める人(絶対手描きやらされます)

エンジニアさん
デザインのプロセスの全貌が見えることで、どのタイミングで協働やレビューをしたいなどの依頼や、コミュニケーションがしやすくなると思います。
また、リサーチ等のバイアスやアクセシビリティの知識が身につくのでおすすめです。

感想

コースの構成として、例題プロジェクトもコース3まで続いていること(自分が選んだテーマと並行で進む)と、
ポートフォリオプロジェクトでUXデザインプロセスを3週するため、とにかく繰り返し経験することで身についていく感じがとてもよかったです。
また、デザインシステム等の海外の事例も多く、参考になる情報が多かったです。自分としては、認知バイアスやアクセシビリティの知識もとても役立ちました。

課題を進める上では、テンプレが用意されているので、内容に集中できること、そしてテーマ選びが楽しいことや、
各コース終了時の修了書が地味に嬉しかったです。

大変な点は、実際にユーザーインタビューを行うために5人の協力者が必要だったことと、ドキュメントを英語で作成する必要があることです。
ただし、ここは内容のみへの関心の場合は、割り切って翻訳ツールを使っても問題ないと思います。

いまいちなところとしては、courseraのUIにくせがあることくらいです。(あとスマホ版はなぜか動画再生でめっちゃエラー出る。。)

(なんで氏名を漢字で登録してしまったんだろう・・・)


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