2023年チャンピオンズC①(過去の傾向、コース適性等)

このチャンピオンズCというレースは、以前は「ジャパンカップダート」ということで東京2100で行われていたのですが、2008年に阪神1800へ施行条件が変わり、2014年からは「チャンピオンズカップ」として、今の条件(中京1800)で行われるようになりました。

ですので、まず過去の傾向を見るときには、ローテーションの面を除けば、2014年以降の9回分を参照するのが正しいように思っています。

そういう意味で、色々なサイトなどで「過去の傾向」として「前走JBCクラシック組が主力」というデータには、少々違和感を持っています。

なぜなら、JBCクラシックというレースは以外の通り持ち回り開催で行われていて、距離は一応2000を基本としていますが、開催競馬場の都合により1900や2100となることがあったりするわけですし、そもそもコースレイアウトや周回方向(右回りか左回りか)も違ったりしています。

 2014年 盛岡2000
 2015年 大井2000
 2016年 川崎2100
 2017年 大井2000
 2018年 京都1900
 2019年 浦和2000
 2020年 大井2000
 2021年 金沢2100
 2022年 盛岡2000
(2023年 大井2000)

同様に、11月初に京都の1800で行われる「みやこS」組から勝ち馬が出ていないというデータも、単純に有力馬は同時期のJBCクラシック(グレードが「JPN1」)のほうに出走することが多いということかと思います。もちろん、相手関係という面で見れば、JBCクラシックで好走した馬は、相応に強い相手と戦ってきたということではあるわけですが。

結局のところ、それぞれの馬がどこのコースでどのようなレースをしてきたか?ということに尽きると思います。当たり前ではありますが。

下の図は中京競馬場のコースの断面図です。

ダート1800のスタートは上り坂の途中からで、約300メートルで最初のコーナーになるため、特に前へ行きたい馬はパワーとダッシュ力が必要になります。ただ、向正面は約200メートルの間に高低差1メートルほどの坂をさらに登った後、4コーナー出口まで600メートルの下り坂が続きますので、前に行った馬がなかなか止まらないし、直線が約400メートルあるとはいえ、ゴール前に急坂があるので差し馬にとっても力が要るということになるかと思います。コーナーも東京等に比べればタイト(というか、中央競馬各場の中でもかなりタイト)ですので、そのあたりが「イン寄りの先行優位」というレースになる所以ではないでしょうか。

これは私の個人的見解ですが、同じようなアップダウンのある中山競馬場の1800や東京競馬場の2100(特に東京の2100は中京1800と同様、上り坂の途中からスタート)で好走した経験のある馬に、コース適性があるような気がしています。

みやこS(京都1800)との関連性がないとすれば、コースレイアウト的に求められる能力が違い過ぎるという点でしょうか。

また、JBCクラシック(地方競馬)との関係性についても、砂質・砂の深さなど、異なる点が多いので、馬の能力や資質の面での関連性はあまりないと思います。

▽中山競馬場

▽東京競馬場

ここまで整理したうえで、どちらかというと全体的にスピードよりはパワーとタフさ(≒スタミナ)が求められるというのが、このコース・レースに対する私の見方です。

次稿以降、そういった切り口で出走馬をチェックしていきたいと思います。



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