2024年京成杯①(今年の牡馬クラシック戦線をイメージして)
昨年はソールオリエンスがここを勝って皐月賞1着、ダービー2着、菊花賞3着と活躍したように、京成杯の予想にあたっては、今年の牡馬クラシック戦線をイメージしていきたいと思います。
昨年夏から行われている同世代同士の重賞の勝ち馬について、血統(父、母父)という切り口で見ると以下のとおりです。
同一馬が複数のレースを勝っているケース等もありますが、単純に数えると、父か母父がミスプロ系という馬が延べ12頭、次いでディープインパクトを経由しないサンデーサイレンス系が7頭、そして、ノーザンダンサー系が6頭となっています。
現3歳世代にはディープインパクトの直仔がいないということはありますが、同馬の血統は母父に2頭のみとなっています。
日本の競馬スタイルにぴったり合ったということはありますが、歴代のリーディングサイアーを見ると、1995〜2007年の13年間がサンデーサイレンス、2008年のアグネスタキオン、2009年のマンハッタンカフェと15年もの間、サンデーサイレンス系が日本競馬を席巻しました。そして、2010〜2011年の2年間こそミスプロ系のキングカメハメハに変わりましたが、その後2012〜2022年の11年間にわたってディープインパクト産駒の天下が続きます。もちろん社台系や海外から輸入された優秀な繁殖牝馬と配合されているアドバンテージはありますが、物凄い勢いでした。
そして、2023年はミスプロ系のドゥラメンテがリーディングサイアーでした。
先に示した表とあわせて何が言いたいかというと、「過去にノーザンテーストがそうだったように、サンデーサイレンス、とりわけディープインパクトの血は飽和状態に近づいているのではないか」ということです。
欧州ではかなりキツいインブリード配合の馬が成功しているケースもありますが、基本的にはあまり近親交配しすぎると、気性や体質面でデメリットが生じるリスクが高まりますし、種の保存という生物の本能からも、あまりに同族が多くなりすぎると闘争本能が乏しくなるという見方もあります。
クラシックというのは「優秀な種牡馬(繁殖牝馬)を選定する競走」ですので、上の表をそういう視点で捉えることができるかもしれないということです。
今回の京成杯をそういう視点で見ると、もちろんレースの質が合う合わないとか、個体の能力差というものはありますが、ディープインパクト系種牡馬の産駒が1着に来ることはないかなと考えられます。
その場合、ディープインパクトの全兄であるブラックタイドをどう扱うかという点に関しては難しいところがあります。
ディープインパクトとブラックタイドでは産駒に伝える形質に大きな違いがあるように思いますが、血統的には同一ですので、一応疑ってみたいと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?