2023年阪神JF③(ダイワメジャー)
以下は過去10年における阪神JF優勝馬の父です。
2022年 ドゥラメンテ
2021年 エピファネイア
2020年 クロフネ
2019年 ダイワメジャー
2018年 ディープインパクト
2017年 オルフェーヴル
2016年 Frankel
2015年 ダイワメジャー
2014年 ディープインパクト
2013年 ステイゴールド
ディープインパクトとダイワメジャーが優勝馬を複数回出しています。
今年の2歳世代にディープインパクト産駒はいませんので、上記の結果からは「ダイワメジャー」が一応このレースにおける有力な種牡馬ということになります。
そして、今年の出走予定馬の中では「アスコリピチェーノ」と「ボンドガール」という、上位人気になると予想される2頭がダイワメジャー産駒です。
ちょっとここで、過去に阪神JFを勝った2頭のダイワメジャー産駒について、主に血統面を掘り下げてみると、ひとつの共通点に気がつきました。
2019年 レシステンシア
母母父 サドラーズウェルズ系
2015年 メジャーエンブレム
母父 サドラーズウェルズ系
母系にサドラーズウェルズ(欧州的なスタミナ・底力の血)が入っている点で共通しています。
私の中でのダイワメジャー産駒は「(早熟ではなく古馬になってもそこそこ走るが)仕上がりの早いスピード血統」というイメージですが、重賞クラスのレースで活躍するためには、上記のとおり、母系に欧州的なスタミナ要素が必要ということでしょうか。
それでは、今年の阪神JFに出走を予定している2頭のダイワメジャー産駒の母系はどうでしょうか。
アスコリピチェーノ
母父 デインヒル系
母母父 サドラーズウェルズ系
ボンドガール
母父 マンノウォー系
母母父 ボールドルーラー系
アスコリピチェーノは注文どおり母母父が欧州のスタミナ血統(サドラーズウェルズ)、母父(デインヒル)も欧州の主流血統となっている一方、ボンドガールのほうは、純粋に米国的なスピード系統です。
マンノウォーは少しスタミナ的な要素もありますが、日本で供用されていた同系統の種牡馬(ウォーニング辺り)からは、主にダートまたは芝の短距離用というイメージですし、ボールドルーラーに関しても、スピードに勝ったタイプの米国のダート血統というイメージです。要するに、サドラーズウェルズに代表されるような欧州の重厚なスタミナ血統とは真逆のタイプです。
このボンドガールの兄は、言わずとしれたハーツクライ産駒のダノンベルーガです。
ハーツクライ産駒に関しては、母系に米国のダート血統が入っている馬がよく走ると言われているようですので、ボンドガールの母系との相性はピッタリですが、ダノンベルーガを見る限り、ベストは1800〜2000というところかと思いますが、ボンドガールは父がダイワメジャーに変わったことで、兄よりもさらにスピード色を強めた配合になっているように思います。
私自身はダノンベルーガに関しても過大評価されていると思っているのですが、前の稿で書いたような、経験してきたレースのレベルだけでなく、血統的なところからみても、ボンドガールは危険な人気馬になりそうな気がします。
今回の阪神JFに限らず、ダイワメジャー産駒としての配合的な比較としては、ボンドガールよりもアスコリピチェーノのほうが大成しそうな気がします。
【追記】
と書き上げて公開した後から「ボンドガール回避」の一報が入ってきました。まぁ私はボンドガールは切る予定だったので、正直なところ出走して人気を吸って欲しかったのですが、先のある馬なので無理はさせないという陣営の判断は適切だと思います。
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