2023年朝日杯FS③(狙いどころ)

日曜日の朝日杯FSの枠順も決まりましたので、そろそろ狙いどころを絞っていきたいと思います。

私の考える狙いどころとしては、前の稿で書いたとおり「東京や京都(あと阪神の外回りコース)」で好走経験のある馬、そして前走1600メートル組です。

そうした条件に合う馬は以下の7頭です。
 ③ジャンタルマンタル
 ⑤タガノエルピーダ
 ⑦オーサムストローク
 ⑫タガノデュード
 ⑬ナムラフッカー
 ⑮エンヤラヴフェイス
 ⑰シュトラウス

上記のうち、前走が未勝利勝ちのタガノデュードは、さすがにここでは少し足りないかなと思います。

前走デイリー杯2歳S組(1着ジャンタルマンタル、2着エンヤラヴフェイス、3着ナムラフッカー)ですが、ここからはナムラフッカーを狙ってみたいと思います。

まず、エンヤラヴフェイスの父エイシンヒカリは以下のとおり京都競馬場が滅法得意ですので、コースが阪神に変わってあそこまでのパフォーマンスを発揮できるか疑問です。

次に、自分自身で考えた狙いどころからすれば、当然高く評価するべきジャンタルマンタルですが、能力は認めつつも「今の阪神の馬場がどうだろう」という疑問があります。

金曜日の夜中から土曜日にかけての降雨で多少傾向が変わる可能性もなくはないですが、基本的に今の阪神は欧州血統向きの馬場になっているのに対して、ジャンタルマンタルは完全に米国ダートの血統です。能力は認めつつも、何かにやられる可能性が結構あるかなと思います。

一方、私の狙ってみたいナムラフッカーですが、こちらはその3代血統表です。

父は先の阪神JFで3着に検討したコラソンビートと同じスワーヴリチャード。今、最も勢いの有る種牡馬です。

この馬、血統的にちょっと面白くて、3代母のアイリッシュピースがハーツクライの全姉です。スワーヴリチャードの父はハーツクライですから、同馬はハーツクライの2✕3の同血クロスになっているわけです。ハーツクライは朝日杯FSを勝ち、翌年のダービーも勝ったドウデュースのほか、同じく朝日杯を勝ったサリオスを出していますので、血統的には十分勝てる可能性はあります。

同馬の場合、デビュー2戦目の未勝利勝ちのときに阪神の外回り(1800メートル)を経験していますし、前走のデイリー杯2歳Sでも勝ったジャンタルマンタルからは0.5秒離されましたが、直線追い込んでメンバー中最速の上がりを使ったところは見どころがありました。

今回は前に行きそうな有力馬が揃っているので、展開が嵌まりそうな気がします。

デイリー杯2歳S組では、エンヤラヴフェイスが8枠15番に入りました。この馬は気性的に他馬に包まれたり被されたりするのが良くないみたいなので、この枠であれば、デイリー杯の差し脚を発揮できるかもしれないと思います。

別路線で狙ってみたい1頭は、東京のマイル戦、ベゴニア賞を勝ったオーサムストロークです。

この馬については、前走のベゴニア賞の勝ちっぷりもなかなかしぶとい競馬だったと思いますが、血統的にも狙ってみたいところがあります。

以下は近3年で馬券圏内日本入った馬の血統です。

そして、こちらがオーサムストロークの3代血統表です。

近3年、血統内にサドラーズウェルズを持った馬が毎年必ず1頭は馬券圏内に入っていますが、オーサムストロークはサドラーズウェルズのS4✕M4✕M5というクロスを持っています。

また、父は先の阪神JFを勝ったエピファネイアです。

前走が東京芝1600メートルのベゴニア賞で、血統的にも近年の朝日杯FSと相性が良く、阪神芝1600メートルの好走例もあるとなれば、積極的に狙いたいところです。

サトミノキラリもサドラーズウェルズを内包しています。また、母系の4代前にストロベリーロードという馬が入っているのですが、これはドウデュースやリバティアイランドといった名馬と共通しています。

1600メートル未経験という点が、狙いどころから外れます。ただ、前走は1頭だけ別次元の33秒台の脚で前をまとめて交わしたレース振りを見る限り、折り合いに心配なさそうですし、距離もマイルなら十分こなしそうなので、ちょっと不気味です。

3頭目には、タガノエルピーダをあげたいと思います。キャリア1戦で唯一の牝馬ではありますが、前述のとおり人気どころが前で競馬しそうですので、切れ味が活かせても良いような気がしています。

血統的なところでは、父キズナも母父キングカメハメハも阪神芝1600はまずまず走りますし、上の表で示したとおり、キンカメ系も近年は馬券圏内に入ってきています。

とは言っても、新馬勝ちしただけの牝馬がここで通用しますかね?過去9年で牝馬の成績は【0、0、1、4】となっていて、唯一の3着はグランアレグリアです。前日発売でそこそこ人気になっていますし、馬券的には嫌ったほうがよい気もしますね。

さて、シュトラウスをどうするかですが、なかなか取捨が難しいですね。

早めに動いたサウジアラビアRCはゴンバデカーブースに後ろから差され、さらにボンドガールとの追い比べにも破れての3着でしたが、その後で1800メートルの東京スポーツ杯2歳Sを使ってきました(1着)。

父モーリスという点は今の阪神の馬場とピッタリですが、この馬に関しては、懸念というか疑問というかローテーションをどのように考えるかですね。サウジアラビアRCの後、東京スポーツ杯2歳Sを使い、いったん短期放牧に出したのに、いわゆる10日在厩という余裕があまりないローテーションで今走を使うのは、もちろん勝負気配ではあるのでしょうけど、実際のところどうなんでしょう。中間の調教も持っていかれ気味に時計を出してましたし、輸送もあって、当日のテンションが心配です。ちょっと安心して手を出しづらい気はします。

本当に、同馬のレース振りを見ると折り合い面にかなり難がありそうです。今回、大外枠に入りましたので、スタートからガーッと行ってしまうか、あるいは今回初めて手綱をとるマーカンド騎手はかなり腕っぷしの強いジョッキーですので、強引に抑え込んで、直線追い出したら案外伸びないという、個人的にはそういうリスクがあると思っています。

もう1頭の人気馬、ダノンマッキンリーもいましたね。

デインヒル系の肌にモーリス、血統は今の阪神の馬場にドンピシャで、デビュー以来2戦2勝、懸念は1400メートル戦しか使っていないという点です。これは私の考える好走条件からは外れます。

前走、前々走の競馬を見る限り、折り合い面でも少し難がありそうな気がします。私の中でこの馬は将来的にスプリンターズSを勝つようなイメージです。

ちなみにシュトラウス、ダノンマッキンリーともモーリス産駒です。

12月9、10日の阪神芝1600メートル戦は、黙ってモーリス産駒を買えば当たるような「モーリス天国」でした。ただ、たしかモーリス産駒は阪神JFや朝日杯FSも含めたマイルG1を勝ってなかったはずです。阪神JFもモーリスの父スクリーンヒーローの産駒で母系も含めればモーリスにかなり血統構成の近い馬があと1歩勝ちきれませんでした。その辺り何かが足りないのだろうと思います。自信を持ってアタマで買えるかというと、ちょっと違う気もします。

【16日夕刻追記】
土曜日の競馬を見る限り、前週のような極端な欧州血統向きの馬場ではなくなってきている印象です。

であれば、現在1番人気のジャンタルマンタル、米国ダート血統ということだけが懸念点でしたので、買わない理由はなさそうです。







 

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