2023年朝日杯FS①(過去と現在の傾向等)
まず、12月9、10日の阪神芝コースは京都競馬場の3年振りの再開に伴って阪神競馬場を長期間使い続けなくてもよくなったことで芝生の生育状況が良いのか、ロベルト系や欧州寄りノーザンダンサー系の馬が目立って好走していました。
そして、前目に行った馬がそのまま止まらなかったり、好位のインを回ってきた馬が直線で伸びたりしていました。これは、裏返せば後方追走からの大外ぶん回しでは指し届かないということでもありました(例えば、そこまで極端な競馬でもなかったですが、阪神JFで4着だったサフィラ辺り)。
中間に相応の降雨がなければ、朝日杯FSが行われる17日もさほど大きく傾向が変わることはないと思いますので、そういう点を念頭に出走予定馬をチェックしていきたいと思います。
そして、この朝日杯FSというレースの性格ですが、かつては中山芝1600メートルという条件で施行され、ミホノブルボンやナリタブライアンといった、翌年のダービーを制する馬が勝つようなレースでしたが、JRAのレース体系の整備・改革が進むにつれて、翌年のクラシック戦線を目指す馬は、中山芝2000メートル(朝日杯が阪神芝1600メートルで行われるようになる以前は阪神芝2000)のホープフルSに向かい、朝日杯のほうは、よりマイラー色の強いレースになってきています。実際、それぞれのレースが現在の施行条件になった以降でみても、ホープフルSからはレイデオロ、サートゥルナーリア、コントレイルといった皐月賞馬、ダービー馬が出ているのに対して、朝日杯のほうはドウデュースがダービーを勝っているくらいで(私は同馬の本質はマイラーだと思っていますが)、ほとんどの馬は皐月賞くらいには挑戦しても、その後はNHKマイルCに進む馬が目立つようになっています。
ですので、そういう「マイラー」というイメージも持ちながら出走予定の各馬を見ていく必要もあると思います。
まず、過去9年における好走馬の主なステップレースについては、以下のとおりとなっています。
①サウジアラビアRC(3、2、1、 5)
②ベコニア賞 (2、0、0、 3)
③デイリー杯2歳S (1、4、2、18)
④アイビーS (1、0、0、 3)
それぞれ勝率/連対率/複勝率でみると、
①27.3 /18.2 / 9.1
②40.0 / 0.0 / 0.0
③ 4.0 /16.0 / 8.0
④25.0 / 0.0 / 0.0
となっています。
上記のうち、①サウジアラビアRC、②ベコニア賞、③デイリー杯2歳Sは、いずれも芝の1600メートル戦です。さらに、①と②はいずれも東京1600メートルで行われるレースですし、③についても京都の外回りコースです。要すれば、直線の長い大箱のコースで好走した経験が必要ということです(朝日杯が行われるコースが阪神の外回りということを考えれば当然かもしれませんが)。
先日の阪神JFでは、前走のアスター賞で3番手追走から直線豪快に差し切り、2着馬に0.8秒差をつけただけでなく、稍重馬場でありながらレコード勝ちというパフォーマンスをみせた「キャットファイト」が4番人気に支持されましたが、見せ場なく勝ち馬から1.1秒離され10着に敗退しました。
もちろん調子だったり、血統(馬場適性)や展開など様々な要素はあったと思いますし、前走の中山コースはゴール前に急坂がある点で阪神コースとの共通点もありますが、「阪神⇔東京、京都」といった本番のコースとリンクする場所以外での好走は、慎重にチェックする必要がありそうです。
シュトラウスは、サウジアラビアRS3着の後、東京芝1800メートルの東スポ杯2歳Sを快勝しています。上で示したとおり過去には東京芝1800メートル(アイビーS)勝ちから本番も勝利した馬もいますが、1600メートル組に比べれば分が悪そうです。
何よりもシュトラウスに関しては、サウジアラビアRSでボンドガールに後ろから差された内容を私は評価していません。間違いなく上位人気になると思いますが、とりあえず疑ってかかりたいと思います。
上で示したステップレースの中では、ベコニア賞組の勝率が、母数は少ないものの、他のレースに比べて優秀です。
今年の出走予定馬をみると「オーサムストローク」が前走ベコニア賞を勝ち上がっています。この馬、血統的には、サドラーズウェルズ✕ダンチヒの肌にエピファネイアという字面から受けるイメージは距離不足な感じはしますが、阪神の馬場傾向が大きく変わらなければ好走が期待できそうです。あとは、ここまでのレース振りをチェックしてみたいと思います。
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