2023年有馬記念⑥(臨戦過程など)

これまでの稿では有馬記念好走の条件について、牝馬(②)、牡馬馬齢別(③〜⑤)という切り口で、前走やそれまでの実績からみてきました。

その結果、
(1)牡馬、牝馬とも5歳以下
(2)牝馬は芝2200以上の国内G1勝ち
(3)3歳馬は菊花賞または天皇賞・秋好走
(4)4歳以上の牡馬は
   ・前走国内G1で5着以内かつ
   ・芝3000以上の国内G1好走

といった条件が浮かび上がってきましたが、ここから切り口を変えて、さらに好走条件をブラッシュアップしていきたいと思う。

注目するのは、有馬記念に至る当該秋シーズンの臨戦過程(前走、前々走)です。なお、ここでは今年の出走予定馬との兼ね合いから牡馬と牝馬を区別せずに過去10年の結果を取り扱います。

前走レース別では、天皇賞・秋が【3、2、1、12】で連対率27.8%、馬券内率33.3%となっています。さらに馬券圏内に入った6頭のうち5頭は3着以内でした。

他方、ジャパンカップ組は【2、2、4、44】で連対率7.7%、馬券内率15.4%という成績です。

ジャパンカップ組に関しても、馬券圏内に入った8頭のうち7頭は5着以内でした。

さらに天皇賞・秋、あるいはジャパンカップの前走をみていくと、天皇賞・秋は春シーズンのG1からの休み明け(有馬記念が休み明け2戦目)でも構いませんが、ジャパンカップに関しては、好走馬は全て前哨戦を使っています(有馬記念が休み明け3戦目)。

ジャパンカップを経由する場合、有馬記念が休み明け2戦目だと【0、0、0、5】、同4戦目だと【0、0、0、9】と全く好走できていません。

ちなみに3歳馬は、昨年2022年はイクイノックスが天皇賞・秋と有馬記念を連勝しましたが、菊花賞組だと【2、2、2、7】で連対率30.8%、馬券内率46.2%となっており、かなり優秀です。

今年の出走予定馬のうち、天皇賞・秋からの直行はジャスティンパレス(2着)ですが、同馬は前述の条件(天皇賞・秋3着以内)を満たしています。

ジャパンカップ組はスターズオンアース(3着)、ドウデュース(4着)、タイトルホルダー(5着)、ディープボンド(10着)の4頭ですが、スターズオンアースは出走予定だった天皇賞・秋を脚元のトラブルで直前回避したとはいえ、データ上は有馬記念が休み明け2戦目ということになりますので、ここでは消し対象です。また、ジャパンカップで10着だった6歳馬のディープボンドについても消し対象となります。さらにドウデュースも長距離G1の実績が足りませんので、積極的には買えない馬ということになってしまいます。

3歳馬2頭、ソールオリエンスとタスティエーラに関しては、好走条件を踏まえると、3000メートルの菊花賞での好走(先着)に加えて、2400メートルのダービーでも先着しているタスティエーラが菊花賞組のこれまでの成績からみても有力です。



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