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スタンフォードMBA留学記(2024年卒業) ⑥日本から海外MBAに行く意味 その2

その1からの続きで、②海外ではなく日本で働きたいと思っているのに海外MBAに行く意味はあるのか?ということについて書きます。

結論から言うと、本当に日本を良くしたい、変えたいのであれば、一度外に出て客観的に日本を見てみることはとても大事だと思います。というのも、日本では当たり前のことが、外から見ると特異だったりします。
強みも課題もより鮮明に見えますし、他の国の事例を学ぶことで、日本の事情と照らし合わせて何がうまくいきそうか、何がうまくいかなさそうかという考えも培うことができます。

地方転勤をしていたときにも、同じことを思いました。外から見た地域の持ち味を売り込んでいくなかで、地域の人たちが外の視点を持つことが必要不可欠で、地域の人たちにとってはありふれたものが、外からみるとすごく価値のあるものだったりします。Uターン、Iターン人材は人口を増やすためだけに大事なのではなく、外の視点を持ち込むことに価値があると気づきました。

日本の課題をクラスメイトたちに説明して、質問やアイディアをもらうことで、自分の考えが深まることも多々ありました。

キャンパスにある入場無料の美術館

また、多様性についての視点をもつという意味でも、外に出ることはおすすめです。日本でも最近意識が高まってきてはいますが、スタンフォードにいるとまだまだだと感じました。日本にいるよりも人種など多様性がはっきりくっきり見え、それに基づく格差や権利の確保に向けた活動などを目の当たりにすると、日本にも実は多様性があってそれが見えづらいだけだということに気づきます。
特に、日本で海外MBAを目指すような方々は、いわゆるいい大学、いい企業出身の「社会の勝ち組」の場合が多いかと思います。自分自身も外国人学生のマイノリティとして弱い立場になってみると、共感力が育ってより良いリーダー、アントレプレナーになれると思います。

ただ、MBAはもともとキャリアアップのために行くものですが、日本でのキャリアアップにどれほど効果があるかは謎というのも事実です。国によってはアメリカ名門MBAをとっていれば、とても重宝されると聞きますが、日本ではそこまでではない気がします。アメリカ名門MBA卒業後の給与水準を支払える日本企業が少ないようにも感じています。MBA卒程度の年齢では、日本ではまだ若手扱いなのもあるかと思います。

アメリカのMBAに海外から来た学生には、どうしてもアメリカに残って働きたいという人もいますが、国に帰る、帰りたいという人も一定数います。本当に自分の選択次第という感じです。

個人的には、日本で働くつもりの方にこそ、日本を客観的な視点から見て、多様性を包含するリーダーになるために、海外MBAをお勧めしたいです!


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