スマホが壊れたらスマホを買えるくらいには豊かになった
審査を通過したことによって、今日は正式に新しい家が決まった。
夏休みのない8月の中のかすかに存在しうるお盆の終わりの日である終戦記念日。その日から新居の契約が始まるらしい。
オークションでギリギリ買えそうな軽バンも見つかった。
全てが順調で、何も憂いはなかった。
というのは嘘。
でも、そういう嘘ってのは不思議と信じたがるもので、現実をうまく隠してくれるから厄介だ。
車を買った後に破滅しないようにするために、今日からしばらくUberEatsでも何でもやってまとまったお金をつくっていこうと思っていた。
いや、本当はそうしたくなかったんだけど、それでも車が手に入るんだったら...と頑張る以外の他の道を閉ざしていた。
スマホがこわれた
家の契約を終えて、マチマチと生駒駅で別れた後、難波に向かいドコモのシェアサイクルを借りる。
乗った瞬間に支えにしていたタイヤがその形を失い、走れない自転車とそれにまたがる僕だけが残った。
今日は何だかいつもと違う予感がする。
幸い、借りてすぐに返却したドコモサイクルの料金は無料。
別の自転車を探して、それで走り始める。今度は大丈夫だ。
ハンドルにスマホスタンドを取り付けて発進。しかし、いつもならすぐに鳴るはずのUberのベルは全く鳴らず。このまま稼げずにシェアサイクル代だけ払わなければいけない。せっかくがんばろうと思ったのに...と、損な気持ちが大きくなってくる。
そんなタイミングで僕のスマホを掴んでくれていたスタンドが突如外れ、スマホは地面に落下し、2回ほどバウンドする。
不幸にもスタンドに取り付けるためにカバーを外していたので、スマホの画面はバキバキに。それだけだったらよかったものの、壊れかけのブラウン管テレビのように乱れた映像が画面に映し出された。
たまにアイコンが二重になってしまうときがあって、そんなときはどこを押せばいいのかわからなくなる。
Uberは中断。このとき、本町くらいまで来ていたけれども、慌てて日本橋のオタロードを目指す。
欲しいスマホは決まっていた。
大阪市内で2回ほどUberをやっていたおかげで、新しいスマホを手に入れる店舗もその最寄りであるドコモシェアサイクルのポートを把握していたのが幸いか。
多少迷ったものの、無事に自転車をポートに返却し、オタロードの散策を始めた。
狙いは去年の年末に出たOPPO 2020 A5。
今使っているOPPOAX7の後継機にあたるそれは、カメラの性能も良く、動作も早いとレビューで確認していたので、このタイミングでスマホが新しくできることに少し嬉しさを感じていたのだ。
日本橋エリアでUberの昼自主休憩時にオタロードを散策していたときに、じゃんぱらで念願のそれが17800円(新品税込)で売っていたのをチェックしていたので、選択に迷いはなかった。
あとは動作確認をして、今のSIMでこれが使えるかどうか。奇跡的に楽天モバイルのみ対応していた128GBモデルのそれにSIMを差し込んで起動したことを確認して大変喜んでこれを買うことを決めた。
実際にカメラを扱ってみると、期待通りのそれで、これで綺麗な景色をたくさん撮れる!と喜んだ。
また、同じOPPOだったこともあり、データ移行も大変簡単で、ものの20分くらい放置してたらアプリや設定の引き継ぎが終わっていた。
スマホを壊した瞬間は大変苦しい感情がでていたけれども、この新しいスマホを手にした途端にここまでテンションが回復しているのも珍しかった。
スマホが壊れたらスマホをその場で買えるくらいに豊かになった
給付金である10万円があった。Uberで稼いだ25000円もあった。さらにセミナー運営などの仕事でお金ももらえていたし、これからもらえる算段もあった。
つまり、ここ最近やたら仕事をしていたのだ。
5月、4月に働きまくっていた反動でぐったりしていたからお金がなくなってきていたのもあって、六月からはちょこちょこ仕事をしていた。
特にUberEatsが奈良でも始まったのが大きくて、買い物のついでに運動がてら一回だけ配達してみたり、無目的だったサイクリングでお金がもらえることが楽しくなって全国各地を旅している道中でどれくらい稼げるかを検証し、こんな記事まで書いていた。
↑紹介コードから登録しても僕に特にお金は入りません
自転車は毎日30kmでも40kmでもこぎたい人なので、Uberとの相性は抜群によかった。今までで一番楽バイトだった出前館以上に気楽さを感じられた。
なので、お金はもっていたのだ。車を買おうと思っていたくらいに。スマホをさっさと復活させるために購入するくらいに。
ケチな心が喜びの少ない人生を招いてしまう。
ただ、今の自分が豊かな状態にあるかと言われれば残念ながらそうではない。
新しいOPPOに関して、1つ妥協した点があった。
それはFelica。これがあればメルペイの使える範囲が増え、モバイルSuicaも利用可能になるため、入っていたほうがいいに決まっているが、それが入っているOPPO Renoは一万円くらい高かったので、A5にすることにした。
というのも、そろそろ車を買おうとしていたため、まとまったお金が必要だったため、できる限り費用を抑えたいというケチな心がでてきてしまっていたのだ。
ただ、a5のカメラに変わっただけでも十二分に価値はあるので、本当は嬉しいのだ。でも、このケチったことによって、微妙にその喜びが遠くなってしまったのだ。
さらに夜のUberも大して鳴らなかったために、夜でスマホの半分くらい稼いでやろうという狙いも外れる。
結果、七時くらいに切り上げて奈良に帰る。このタイミングで、軽バンのオークションに競り負けたことを知る。
中古車屋が一般非公開中古車オーディションで3000円くらいで車検のないまだまだ走れる軽バンを簡単に購入できるという話を聞いて、車に10万円以上出す気になれなかったのもケチか。
ちなみにコミコミ全部で16万くらいあればだいたい軽バンは買えてしまう。ヤフオクならね。
ケチして無理をして背伸びをした結果が今回の件を招いてしまったのかもしれない。
いや、そうじゃない。もっと大きな話だ。
頑張らないと決めた自分に嘘をついて頑張ってしまった。
軽バンは現状少し頑張らないと手に入らない。
そして、それは今すぐ必要なものでもない。
なのに、目の前のそれに必死になって無理をしようとしていたことにあとで気づく。
不要不急の果報は寝て待て。寝ずに待てば寝不足になることを忘れ、ただ手元に買えそうなだけのお金と背を伸ばせば買えそうな金額の車があっただけでこうも惑わされてしまうとは。
軽バンをつかってやりたいことはたくさんある。
一週間くらい静岡の友人のカフェを間借りして飲食店をやってみたい。適当なコンロを積んで石焼き芋や焼きとうもろこしなどを売り歩きたい。しょぼいキッチンカーで屋外の食事会をやりたい。マチマチを乗せて彼女と一緒に全国行脚したい。GroundMole木津とかにもっと気軽に人を連れていけるようになりたい。
オマケでセーフティーライン的に軽貨物業もできることで、今以上に平穏な心を持ちながら自分の使命を果たすことができるだろう。
10万で即戦力な軽バンが手に入るなら、北海道と沖縄や離島以外ならどこにだって行ってやるくらいの気持ちなのはもともと。
ほしいほしい。望むものがそこにあるからこそ、冷静さを失っていたのだ。
冷静さを失ってらしくないことをやろうとしていた。
そんな反省をしながら家に帰ると、驚きながらも嬉しそうな顔でマチマチが出迎えてくれた。
ああ、夜に帰ってきてこの人を撫でることができる幸せを忘れてしまっていた。
不要不急の果報は寝て待て。蛸壺は沈めよ。うなぎはパイプの中にあり。
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