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2024年トランプ復活は十分ありうる。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:The Wall Street Journal最新記事から読み取れるアメリカ人の”大統領像”。バイデン大統領の明らかな欠点。トランプが、FBI家宅捜査にも関わらずこうも人気がある理由。

なぜ経営学がトランプを追うのか

アメリカ政治が気になるということは、大学で経営学を教える身としては、案外いいことだな、と最近思うようになってきました。

なぜならば結局、経営学の勘所っていうのは、今の世界を囲むマクロ環境とは何か、にあると思うからです。

アメリカがクシャミをすると、風邪をひくのは日本だけではありません。

ビジネスも、文化も、価値観も、アメリカが変われば世界は右に習え、なのです。

だから、日本のみならず世界の経営学者はアメリカを追っかけているだけ、と言っても過言ではないでしょう。

情けないことです。

しかし、経営学が「まずは今世界で、いやアメリカで何が起きているか、これからどうなるか」をしっかり理解し、予測しないと、使えない学問の烙印を押されてしまうと思うのです。

だから、アメリカの動向をおさえることは、重要だと考えます。

さて、僕は、その核心をつかんだつもりでいるのです。

それは「トランプとは何か」を問うことです。

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27828

アメリカの経済ではなく、政治。

政治ではなく、その背後にある人々の思いや価値観、それを見極めないとアメリカ経済もわかりません。

それは、トランプを研究することが、一番わかりやすいかな、と気がついたのです。

トランプ=アメリカだ

2016年のトランプ当選から6年、アメリカの中心は依然としてトランプです。

大統領職を離れても、いまだアメリカ人に、アメリカに大きな影響力を持っているのはなぜなのか。

それがわかれば、アメリカがわかると考えているのです。

毎回トランプの記事は熟読して、前後を考えるのが趣味になりました。(笑)

さて、さっき読んだ、今日付のThe Wall Street Journalオンライン版の記事は、僕は読み終わって「ハッと」したんですよ。

そこに、僕が求めていた「トランプ=アメリカ」の答えがあったからです。

聞いてくれます?

バイデンの評価でトランプがわかった

例によって、新聞の翻訳はしませんよ、僕が解釈した内容は以下です。

この記事のタイトルは、Biden Is Angry but Not Serious (バイデンは怒ってけれども、真剣じゃない)というものです。

コラムの筆者は、ウィリアム・マッガーンさん(William McGurn)です。

https://www.wsj.com/news/author/william-mcgurn

この記事はバイデンの批判なんですけれども、これは翻ってトランプへの賛辞ととれるのです。

記事は、バイデンがいろんなところで怒っている事実をあげます。

・ガソリンスタンドを経営する会社に怒っている。
「コストがかかってる以上に値上げするんじゃねえ」

・記者会見のあとにコメントを求める記者に、怒っている。
「オレのことをほめないキミたちにやるコメントは、ない」

・トランプのサポーターに怒っている
「トランプを支持する?恥を知れ」

前掲The Wall Street Journal

という具合です。

記事の見出しは、しかしながら、このバイデンの怒りの本質をあらわにしています。

「怒ってるだけで、(その問題解決に)真剣じゃない」。

要するにフラストレーションを怒りにしているだけで、実際は何もしてない、というのです。

この意見コラムを書いたマッガーンさんは、おこりんぼバイデンにこう反論します。

「怒りたいのはこっちの方だよ。お前はアメリカの俺たちが怒っている問題を一つも解決してないじゃないか。インフレがひどくてドルの使い勝手がひどく悪くなっている、アフガン撤退の不始末はどうつけるんだ、中絶問題で国が割れてるのをなんとかしろ」。

マッガーンさん

オバマのアドバイザーの辛辣なバイデン評

オバマ前大統領のデイビッド・アクサロッド(David Axelrod)さんは、今年2月自身のブログで、バイデンさんにこんな皮肉を言っています。

「ロシアのウクライナ侵攻があったその夜、バイデンはえらくカッコつけたよなあ。なんか怒りをエネルギーに変えたつもりなのか、あの名画「グラン・トリノ」でのクリント・イーストウッドを気取ってるつもりかよ。」

David Axelrod

(「グラン・トリノ」はイーストウッド俳優最後の作。ベトナム戦争に参戦したトラウマを抱えた元軍人役を演じた)

https://www.memories-of-movie.com/%E6%B4%8B%E7%94%BB/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E/gran_torino/

バイデンがなぜ嫌われるのか

このコラムの筆者は、「これはバイデンだけの手口じゃないけれど」と断りながらも、バイデンに手厳しいことを言っています。

「バイデンは政敵を間違っているとけなすだけではなく、”悪”とレッテル貼りをする。選挙民がバイデンを嫌っているよりも、その敵をもっと嫌いにさせるのが常套手段なんだ。」

マッガーンさん

マッガーンさんが、コラムの最後に言ったセリフで、僕はなぜアメリカ人がトランプをこんなにも愛しているのか、がわかった気がしたんです。

「もしバイデンがギャーギャー怒っている諸問題を解決できないならば、バイデンの怒りや怒鳴り声は、アメリカの大統領で一番あってはならない資質をあらわにした、といえる。

それは「無能impotence」ということだ」。

マッガーンさん

そうか、やっとアメリカ人の本音が聞けた気がしました。

それは、「口先ばかりで、問題解決に真剣じゃないリーダーはいらない。トランプは口も出すけど、実行もする」ということじゃないでしょうか。

2024年トランプ復活とこの拙論の見出しで書いたのは、だから、意外とはずしてないと思うんです。

さてもう9月ですね、今年もあと3ヶ月、速いですねぇ。

皆様季節の変わり目、お身体に気をつけてお過ごし下さい。

                             野呂 一郎
               清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー



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