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プロレスファンをエキサイトさせる 天才・鈴木健.txtの言葉術


この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:プロレスパンフレットとは何かについての深い理解。プロレス・ジャーナリズム、プロレス文学のトップを走る男から学ぶ文章術。

プロレスジャーナリズムの神・鈴木健.txt降臨!


週刊プロレス伝説の記者・鈴木健.txt氏が、昨日の私の拙い記事をフェイスブックでシェアしてくださいました。

次のようなコメントも頂戴しましたので、鈴木氏ご許可のもと読者の皆様と共有させていただきます。


「(プロレスパンフレットは)紙媒体としての維持が難しく、その価値が守れなくなってきたことを実感します」。

鈴木健氏ご許可の上掲載

プロレスパンフレットについての秀逸すぎる鈴木氏の見解は、こちらのURLを御覧ください。


鈴木氏はこんな言葉もくださいました。

アルバムジャケット文化を例に持ってきたのは、なるほどと思いました。我々の世代はジャケ買いのワクワク感がありました。 あるアーティストがアルバムを出さなくなった理由として「1曲ずつダウンロード購入されると、曲の並びで描くアルバム全体の物語性が描けなくなるから」と言ってました。パンフのページ割もパッケージとしての物語性ですよね

鈴木健氏ご許可の上掲載


音楽アルバムとプロレスパンフの意外な接点

アルバムジャケット文化について、ちょっと言葉足らずだったので付け加えます。

プロレスパンフレットがないプロレス観戦は、アルバムのないCDに例えられるのではないでしょうか。

鈴木氏のおっしゃるように、アルバムはあの大きな表現空間の中に、宣伝コピー、使う写真のアングル、音楽評論家の解説というテキスト、そして鈴木氏が指摘された曲の並びを見せる等々の「全体性」があり、それが一つの文化になっていました。

アルバムがなくなった今、その文化もなくなりました。(もっともレコード復活でアルバム文化も復活するかもしれませんが)。

プロレスパンフレットも、キャッチコピー、写真、解説、見どころ解説といった「全体性」があり、それは立派な文化と呼んでもいいと思います。

観戦前に、パンフレットに目を通してもらうことによって、プロレス観戦がより楽しく、面白くなり、結果として奥深い体験になるのではないでしょうか。

全体性の把握という忘れられた価値



しかし、プロレス表現界の王者、鈴木健.txtはそんなリクツなんかぶっ飛ばすような、痛快な作品をぶっ放しました。

それはパンフレットのように見開く手間さえ必要ありません。中身を読む必要もありません。

鈴木氏が話題の新興団体旗揚げに際して創った作品は、これです。

https://ameblo.jp/kensuzukitxt/entry-12629956568.html?fbclid=IwAR2mUca6amM3t_lZ_i7IuFuvB2Ms2_GwcyZVI8-8c1W3RyyEhWsofzfftB0


どうですか、みなさん。GLEATという団体の来し方、行く末をこの一枚で言い尽くしており、この一枚の表現媒体に、ファンが観戦をより楽しく、興味深いものにするためのすべてが含まれています。

この短いメッセージは、刺さる言葉を選びぬき、それをどう並べ、写真も含めどうレイアウトするか、全体としてどういうインパクトを与えるかを考え抜いています。まさに一枚に全体性がつまっているのです。

どうやらこの一枚は、会場の都合でパンフが配布できず、電子媒体として出した電子パンフレットの一部のようですね。

プロレスファンをエキサイトさせる言葉を紡ぎ出す源泉


この一枚でも十分にパンフレットと呼べますね、絶対。

それにしてもこの言葉の力。

鈴木氏のここに記されている言葉を紡ぎ出すためには、それこそプロレスを鳥瞰する視野と知識が必要です。

UWFの歴史はおろか、プロレス全体の歴史、GLEATの設立経緯、GLEAT創業者兼社長の鈴木裕之氏のプロレス観の理解、編集者としてのプロレスファンに向けてどんな言葉を使うべきかの知識、そしてなによりも強いプロレス愛が必要とされます。

それを兼ね備えている人物が、他に誰かいるでしょうか。

鈴木健.txt新潟プロレス特別イベント電車プロレスMC中


もとよりプロレス・ジャーナリズムのカール・ゴッチと讃えられる鈴木健.txtと私を比べるつもりなど毛頭ありませんが、改めて鈴木健.txtの凄さ、偉大さを思い知らされた次第です。

僕ごときがプロレスパンフレットを語るなんて、「10年早い!」     (その昔アントニオ猪木がラッシャー木村の挑戦表明に返した名文句)だったわけです。

鈴木健.txt氏はこの度、新潟プロレス10周年大会にも足をお運びくださり、今般成功裏に終了した「粟島しおかぜトリップ新潟プロレスinあわしま」でも実況をつとめてくださいました。

新潟プロレスをひいきにしてくださっている鈴木健.txt氏に、この場を借りて改めて感謝申し上げる次第です。

さて、皆さん。このnote原稿は鈴木氏に見ていただき、反対されたんです。

「天才だ、神だと、これは猪木やゴッチの専売特許なんで、私ごときが」 とのことでした。

ご本人のお言葉を再現

しかし、第三者の私が今こそ声高らかに鈴木健は天才、神だとはっきり言わないことには、業界が進展しないので、無理やり健氏の抗議をはねつけた次第です。謙遜も美徳じゃないことがあるのです。

鈴木健.txt氏 簡単プロフィール
https://profile.ameba.jp/ameba/kensuzukitxt/

プロレスのみならず、音楽、演劇のジャンルでも評論、執筆をされており、今年は「純烈」の渾身取材で著書も出されました。

読売日本テレビ文化センター恵比寿センター「鈴木健.txtの体感文法講座」講師もつとめられています。

ご著書の数々は以下。
プロレス きょうは何の日?』https://www.amazon.co.jp/dp/4309279430 2『白と黒とハッピー~純烈物語』https://www.amazon.co.jp/dp/4594083846/ 『純烈物語20-21』http://amazon.co.jp/dp/459408768X 
『日刊SPA!』連載「白と黒とハッピー~純烈物語」全120回分
https://nikkan-spa.jp/spa_comment_people/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%81%A5txt

プロレス博物館「闘道館」にて月一でトークイベント「鈴木健.txt対決シリーズ」開催中。次回は12月19日、対戦相手はザ・グレート・サスケ選手です。
https://www.toudoukan.com/versus_vol22

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまたあしたお目にかかりましょう。

今回の記事はぜひ拡散してください。

                            野呂 一郎
               新潟プロレスアドバイザー/清和大学教授


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