アメリカをプロファイリングしたら”プロレス”になった。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:FBI&民主党が、なぜこうもトランプに執着するのかの真の理由。世界最大のプロレス団体WWEとアメリカはなぜこうも似ているのか。プロレスラーKENTA変貌の理由。トランプこそ史上最強の”プロレスラー”。トップ画はhttps://aozora-pw.com/wpwn/archives/19719
なぜKENTAはああなったのか
こんなことを書くと、また当のプロレスラーからクレームが入るかもしれませんけれど(笑)、KENTA選手はWWEに行って変わりましたよね。
本が出たみたいだから、プロレスファンの皆さん買ってあげて。
いやいやすみません、KENTAと言ってもプロレスファン以外は「それ誰?」っていうことかと思いますけれど、彼はかつてノアというプロレス団体に所属していて小柄ながらも対戦相手を壊してしまうようなファイトで一時代を築いた選手です。
もう10年もたつでしょうか、その後彼はスカウトされてWWEに行ったんですよ。でも、正直スポットライトが当たることはなかった。
プロレスファンの皆さんは一昨日「プロレス総選挙」をご覧になりましたか。KENTA選手は30何位かだったか忘れましたが、そのあおり映像を見ると、隔世の感が拭えませんでしたよね。
なんか完全にヒール(悪役)になっちゃって、カメラに向かって毒づくんですよ。昔の正統派の真面目なレスラーKENTAを知っている人にとってはショックだったと思うんです。
何がいいたいかと言うと、KENTAはWWEに行って気がついたんだと思うんですよ。
これはあくまで僕の仮説だから、KENTA選手怒らないでくださいね(笑)
何を気がついたか。
いろんな日本人選手がWWEに行きましたけれど、成功したのはほんの一握り。TAJIRIとTAKAみちのく、女子だとASUKAくらいじゃないでしょうか。
中邑真輔も、日本女子最強と謳われたサレイ、もメインクラスで使われることはありませんでした。
それはあくまで仮説で繰り返しになりますが、アメリカのプロレスはあくまで、善が悪をやっつけるという図式がないと、ビジネスにならないからです。
そして、リングは、実はアメリカ社会の実相が単に反映されている場所なのです。
トランプという国民的ヒール
今回のFBIがトランプ邸をガサ入れした事件、民主党は挙党一致でこの問題を最優先事項として、結果的に彼らの意図したとおりになりました。
なーんで、とっくにやめたトランプが、今もナンバーワンのターゲットなのか。
思えば、バイデンさんは、2020年大統領選のキャンペーンスローガンは
「オレに投票しろ。そうすれば、トランプがもうしゃしゃり出ない。(Elect me and we will put Donald Trump behind us)でした。
大統領になった最初の記者会見でもこんなことを言ってました。
「もうトランプの話は飽きたよ。これからの4年間は国民と向き合うよ、トランプじゃなくて(I'm tired of talking about Donald Trump and vow to spend the next four years talking about the American people)」。
しかし、これが嘘だったことは周知です。
何でもかんでもトランプを引き合いに出して、自己の優位性を訴えてきたのです。
トランプ依存症
The Wall Street Journal2021年3月30日号のオピニオン欄で、コラムニストのウィリアム・マックガーンさん(William McGurn)が「やんなっちゃうなあ、敵も味方もトランプ依存症かよ(All Trump's Codependents)」という大変興味深い記事を書いています。超意訳ですけど(笑)
要するに、表面ではみんなトランプ大嫌い、トランプ反対って勇ましいんだけれど、実は腹の中ではトランプを歓迎してるくせによく言うよ、という内容なのです。
例えば訪台でいちやく時の人になった、ナンシー・ペロシ下院議長。トランプ大嫌いは、彼女のパフォーマンスだというのです。
彼女はトランプに助けられている、という人さえいます。
難局が持ち上がるたびに
で切り抜けてきたからです。
セクハラでニューヨーク知事の座を追われた、民主党のクオモ知事(Andrew Mark Cuomo)だって、反トランプを自分のアイデンティティとして、一度は次世代のリーダーに躍り出ました。
彼の「これがコロナ・パンデミックからのリーダーシップだ(Leadership Lessons from the Covid-19 Pandemic)」なる著書は、一時ニューヨーク・タイムズのベストセラーにも入ったほどでした。いま思うと笑っちゃいますけど。
反トランプのワシントン・ポストはこんな皮肉を言っています。
「トランプもいいところがあった。スキャンダルや悪事を書き立てれば売れるので、アルバイトの記者やマスコミはうるおった」。
実際そうなんですよ。
アメリカで最も有名なニュースサイトの売上は、トランプ撤退後急落、CNNやMSNBCといったキー局はプライムタイムの視聴率がそれぞれ45%、26%下落しました。
トランプが下野して最も被害を被ったとされるのが、反トランプの共和党員8名がトランプおろしを画策して作ったリンカーン・プロジェクトです。
名前のとおり、リンカーン大統領を理想のリーダーとし、トランプをその正反対の”社会の分断を煽る悪”と位置づけ、活動してきました。
トランプがステージにいない現在、その存在価値はありません。
アメリカの分断はフェイクなのか
誤解を恐れずに言えば、アメリカの本質はやっぱりプロレスなんですよ。
善玉っていうか、ベビーフェイスだけじゃ成り立たないんですよ。
いつも仮想敵がいないと、社会が活性化しないんです。
でも実は、そのことにアメリカ人自身は気がついてないんです。
まさにそれはユンクの言う”集合的無意識”なんです。
アメリカ人は自分で意図しないで、自分でも知らないうちに、何ごとにも対立概念、善と悪、味方と敵をこさえるんです。
古くは南北戦争、白人対黒人、民主主義vs共産主義、アメリカvsソ連、トランプvs反トランプ、そしていままたバイデンvsプーチン。
WWEその善vs悪の歴史
プロレスもそうでしょ。
WWEって、ずっとそれで来てたんですよ。
古くはジャイアント馬場の修行時代の1960年代、日本人、日系人がヒールでした。
中東紛争のときは、アラビア人がヒールになり、いまはちょっと混乱の時代で、ベビーフェイスが突如ヒールになったり(プロレス用語でヒール・ターン)しています。
KENTAはそれを肌で感じて、レスラーとしてのアイデンティティを白か黒かはっきりさせる必要に駆られたんです。
まあ、トランプはもともとプロレスファンだから、政治でも自然にプロレスやってるだけさ、という声もありますが、実はプロレスやってるのはトランプじゃなくて、アメリカ社会なのではないでしょうか。
その意味で、アメリカはガチで「プロレス国家」なのです。
僕はマジで岸田さんが、WWEのリングに立って、パフォーマンスをやれば、日米関係一気によくなり、それが世界に波及すると思っています。
どうするか、それはあなたと私でじっくり考えましょう。
今日も暑かったですね。明日もひどく暑いとか。くれぐれも皆様無理をされませんように。
じゃあ、またあすあなたとお話できることを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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