見出し画像

「恐怖マーケティング」の時代が来た!

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:科学的解明が進む「恐怖」。恐怖の持つ経営学的、マーケティング的可能性。恐怖の持つポジティブな効能。

ホラーの科学的解明が進んでいる

やっぱりそうだろうと思ったよ。

僕は真顔で「怪奇経営学」「怪奇マーケティング」なんてのを学生に教えていたことがある。

怪奇を恐怖と置き換えてもいい。

なぜならば、恐怖や怪奇はビジネスとして巨大な可能性を持っているからだ。

それを満天下に示したのは、1973年のホラー映画最大のヒット作と言われる、リンダ・ブレア主演「エクソシスト」だった。

でも個人的には好みではない。

スプラッター(おぞましいシーンがこれでもかと出てくる映画)という直截な表現はむしろお笑いであり、恐怖とはそこはかとなく、静かな描写にあると信じているからだ。

その意味で「貞子」を始めとする、ジャパニーズ・ホラーこそ、恐怖映画の本道のような気がする。

あらら、僕の恐怖映画の好みなんてどうでもいいや、僕が今日言いたいのは、恐怖をもっとビジネスに使え、「恐怖マーケティング」があっていい、ということなのだ。

The Wall Street Journal電子版2022年10月29日号は、The Surprising Benefits of Scaring Yourself Silly(気が狂っちゃうくらい怖い体験をすることがあなたにもたらす驚くべき利益)と題し、「恐怖経験」が人間にポジティブな影響をもたらすことを、科学者の最新知見を通じて紹介している。

例えば以下のような発見があるのだ。

キーワードは「リクレーションとしての恐怖(recreational fear)」だ。

この言葉は「恐怖を積極的に楽しむ姿勢」のことを指す。

恐怖の功徳とはなにか

1.リクレーションとしての恐怖には大きなメリットがある。

それは、積極的に楽しみのための恐怖を求めることが、他人とのつながりを強化し、ストレスや心配を和らげ、あなたをよりレジリエント(困難に対する耐性力がある)にする、ことだ。

2.恐怖に対しての感情的な反応は、恐怖がリアルであろうがフェイクであろうが、我々に危険を警告する機能である。

3.恐怖に対峙する時、人間の交感神経システムが働く。それは恐怖と戦うか、逃げるかの二者択一の決断をコントロールする神経回路である。

4.人間の交感神経システムは、恐怖に直面した際にわれわれの脳や身体をアドレナリン、やノルアドレナリンといったポジティブな神経伝達物質で満たし、我々のスピリットとエネルギーを高揚させる

5.恐怖の際に放出されるアドレナリンなどの神経伝達物質こそが、我々の気分を盛り上げるのだ

6.お化け屋敷に行ったことのある人は、行ったことのない人に比べ、ストレス減少、疲労感軽減、有能感、気分の高揚をより感じる経験をしている。

7.ホラー映画ファンはそうじゃない人達に比べ、より大きな心理的レジリエンス(困難に対する耐性)を示した

8.恐怖を楽しみのために自分に課している人たちは、恐怖へのリアクションをどうやってコントロールするかを知っているために、実生活での恐怖をよりマネジメントできる能力がある

(以上ピッツバーグ大学の社会学者Margee Kerr氏、デンマークのアーハス大学の研究者Recreational Fear Lab at Aarhus Universityたちによる研究成果)

恐怖マーケティングの時代が来た

どうだろう、僕が本能的に「恐怖にはもっとビジネスポテンシャルが眠っている」と感じ、実験的な怪奇経営学を講じてたのは、やっぱりあってたのだ(えへん)

恐怖にこんなにたくさんの説得的な科学的知見がでてきたいまこそ、本当の恐怖経営学が出てきていい。その中から、当然恐怖マーケティングが起こっていいのだ。

明日から気が向いたら、恐怖経営学のヒントを皆さんと一緒に考えたいと思う。

ただ、さっきいったように欧米人の「リクレーショナル・フィアーrecreational fear楽しみのための恐怖」って、典型的には次のような映画を指すんだって。具体的に言うと「シニスター」と「ミザリー」だよ。

見ないほうがいいって、スプラッターだし(笑)

シニスターhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3WgTciU
ミザリーhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3DJKRwO

今日も最後まで読んで頂き、ありがとう。

では、また明日あなたにお目にかかるのを楽しみにしているよ。
 
                            野呂 一郎
               清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?