極真カラテ道場開設に見る新時代の キッズ・マーケティング
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:コロナ禍における空手を含めたフィットネスビジネスのあり方。極真カラテに学ぶブランディング。マーケティングとはプロデュースであること。現代における「保護者」という忘れ去られているビジネス価値。以上に関する考察。
極真カラテの持続する強さ
この間の選挙で期日前投票に行ったとき、空手着を着た子どもたちの一群に遭遇しました。
胸のマークには極真会とあり、極真カラテの道場が近くにできたのだとわかりました。
投票所に歩を進めると、エイサ、エイサとあの独特の気合が聞こえてきます。その道場は環七通りからさほど離れてない、住宅街の一角にありました。
保護者たちが、道場の外で我が子の稽古を遠巻きに見ています。
僕はこんなことを感じたのです。
1. 子どもたちは元気に空手をやっているなあ。空手の訴求力はすごいな
2. 極真カラテのブランド力は大したものだ。
3. 空手道場が地下や2階以上でなく1階(地上)にあるというのは、宣伝効果という点で、また周りから見られるという安心感もあって、いいな
4. 極真カラテはなぜ、保護者を中に入れて座らせてあげないのかな。大きなビジネスチャンスを失っている
フィットネス、空手などの室内運動は冬の時代なのか
当然そうですよね。
コロナで極真カラテもダメージを受けたはず。
特に接触型のコンタクトスポーツ、柔道、剣道、空手はダメージが大きかったわけです。
しかし体を動かすことは人間の本能的な喜びであり、逆説的ですがコロナに打ち勝つためにも必要不可欠であり、安心安全を確保するという課題をクリアできれば、「コロナに負けない心身を」というアピールは有効だったはずです。
しかし、室内運動のどのジャンルもこうしたアピール(マーケティング)をしてこなかったのではないでしょうか。
僕に届いてないということは、世間に届いてないということです。
もちろん、コロナはこうしたコロナを逆手に取ったアピールなどという積極性をも奪う悪魔のパワーを持っていた、と言えばそれまでなんですが。
人工知能の時代、カラテは成長産業だ
さて、1から4を見ていきましょう。
1. 子どもたちは元気に空手をやっているなあ。空手の訴求力はすごいな
暴力、いじめ、うつ病。現代において子供にも容赦なく襲いかかるこうしたリスクに対して、空手は最も有効な手段の一つです。
特に機械化、IT化、ロボット化が進めば進むほど人間力がますます重要になってきます。その根本が心身の健全さ、強さであることは言をまちません。
しかし、空手界は極真カラテを除いて、非常にこのアピールがコロナ前から下手です。
2. 極真カラテのブランド力は大したものだ。
そう、子どもたちがコロナなのに集まり、お父さんお母さんたちが遠巻きに眺めているのも、極真カラテだからです。
それは少年マガジンに連載された、極真カラテ創設者の大山倍達氏の自伝的劇画「空手バカ一代」の影響が今なお健在だからです。
この劇画の原作は、漫画原作王の梶原一騎。物語は虚実ないまぜで、大半が梶原の創作でした。
しかし、大山倍達氏を無敵の格闘王と持ち上げ、極真カラテを世界最強と描くその凄まじい表現力は、マーケティングとして50年経った現在も極真カラテの屋台骨を支えているのです。
いま東京MXだったかで、アニメ版の空手バカ一代が放送中ですが、番組冒頭に「空手バカ一代アニメ50周年記念」とテロップがでます。
この再放送が何度目かわかりませんが、荒唐無稽な創作だとは知りつつも、その出来栄えは素晴らしく、いまでもあれを見た子どもたちが超人・大山倍達にあこがれないはずはないな、と思わせます。
極真カラテは、比類のないブランドを創ることに成功しましたが、その中心に位置したのが、「空手バカ一代」だったのです。
小さな子どもたちが極真カラテのマークのついた道着を着て、元気に自転車を漕いでいるのを見ると、50年続く極真カラテのブランド力の強さを感じないわけには行きません。
ブランドとは、マーケティングとは、なんのことはない、プロデュース力のことだったんです。
プロデュース力とは、梶原一騎の表現力と言い換えてもいい。このことについてはまた稿を改めて考察、分析したいと思います。
3. 空手道場が地下や2階以上でなく1階(地上)にあるというのは、宣伝効果という点で、また周りから見られるという安心感もあって、いいな
家賃の関係もあるのでしょうが、空手道場が地上1階にあることは、まれです。
でも、これはアピールの面からも、安全性の面からも大事だと思います。
空手はかけ声や気合いが大きいので、近所迷惑も考えて1階を避けているのかも知れませんが。
でも1階はなによりも、そのビジネスがオープンである、ということを示せます。
これは空手に限らず、企業の姿勢として最も重要なことであり、異常時に外に知らせることができるという安全面の理由もさることながら、一企業としての戦略としても、この「オープン性」は大きな意味を持ちます。
4. 極真カラテはなぜ、保護者を中に入れて座らせてあげないのかな。大きなビジネスチャンスを失っている
空手道場では、保護者の参観を認めているところも多くあります。
しかし今回僕が見た道場は、多くの父兄が外に立って子供の稽古が終わるのを待っていました。中に入れる仕組みになっているの、あえて、なのかもしれません。
僕は現代において、これは空手に限りませんが、あらゆる教育機関は参観者を積極的に受け入れるべきではないでしょうか。
理由は3つ。一つは社会的責任です。父兄は教育機関がどういう教育をしているか常に開示すべきであること。
2つ目は説明責任です。どういう教育をしているか、常に保護者に説明する義務があること。
3つ目はビジネスの拡大です。空手あるあるなのですが、子供の練習を見ていた親が空手を始めるケースが、ままあるんですね。
僕が道場主だったら、父兄接遇専門の担当者をもうけます。
昨日の立憲民主党のスポークスパーソン案じゃないけれど、ホスピタリティ担当です。
彼は彼女は、お茶とお菓子でもてなし、気持ちの良い御座所をあつらえます。
父兄のあらゆる質問、疑問、相談に丁寧に答えます。
稽古前には今日の稽古の内容と意義を伝え、指導者には最後に挨拶と稽古の内容の振り返り等を説明させます。
時には学校の勉強も見てあげたり、学校の問題の相談にものります。
ビジネスをオープンにすること、子供だけでなく、保護者(関係者)を大事にすること。この姿勢はあらゆるビジネスで応用が効くのではないでしょうか。
もちろん、親御さんは時間がありませんから、稽古をライブ中継で保護者のスマホに生中継などもできればやれればいい。
専用バスで送り迎え、なども、保護者を大事にするという姿勢の一つでしょう。
塾では保護者も一緒に勉強はどうでしょう。子供の隣で宅建の問題を解かせることだってできなくはないでしょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
明日、新潟プロレスの10周年記念の前日になるので、新潟に行ってまいります。仙女(センダイ・ガールズプロレスリング)のタッグマッチもありますよ。僕の一番推しDASH・チサコもでるよ。
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野呂 一郎