ロシアが負ける理由。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益：ロシアが勝てないという根本的な理由。人間の本質とは何か。プロパガンダで騙される国民の致命的な欠陥とは。
ロシアは勝てるのか？根本的な問い。
海外の文献を読んでいると、根本的なことを、実に簡単な言葉で教わることが多々あります。
それは一流と言われている媒体の共通の特徴です。
どこかの経済新聞みたいに難しい言葉を使って、気取ってわかりにくい文章を書くことがか権威だなんて、思ってないんです。
それは思いがけない、平易な言葉で読者を殴りつけるかのようです。
BusinessWeek2022年3月21日号8－9ページは、Russia's New Brain Drain(ロシアの新しい頭脳枯渇）と題して、巻頭コラムでロシアの将来が心もとないものになると予言しています。
確かにそうだ、と思わせる平易でいてパワフルな言葉を紹介しましょう。
記事は、いきなり読者にこう切り込みます。
「ロシアってサスティナブルな国だと思う？」
ロシアはもう死んでいる
オックスフォード・ディクショナリーによれば、サスティナブルの意味は2つです。
１．ある比率やレベルで維持することができる（able to be maintained at a certain rate or level）２．続けることもしくは守ることができる（able to be upheld or defended）
要するに、サスティナブルとは、その存在が永らえることができる、という意味ですよね。
ロシアは永らえることのできる存在でしょうか？
BusinessWeekは「No」とにべもないのです。
理由をこう率直な言葉で述べています。
ロシアがサスティナブルな国でない理由
１．プーチン政権は恐怖と暴力による支配だ。しかし、この２つがあると明快な思考を妨げる。
この言葉はまさに人間の本質を喝破しているのではないでしょうか。
恐怖と暴力による支配は結局は破綻するのです。でもその前に、クリアな思考ができないという指摘は、まさに人間の本質をついています。
恐怖と暴力による支配は、いつか国を誤らせるのです。
２．ロシア政府がスポンサーになっているシンクタンク、省庁、知的なコミニュティの分析的能力は、”組織的なバカ（institutional stupidity)”に似た何かに苦しめられている。
あえて直訳にしましたが、いわゆるこの症状は”グループシンク(group think)と言われるものです。
グループシンクとは、集団浅慮とも呼ばれ、同質的な集団（組織）は、えてしてリスクなどを適切に判断・評価できず愚かな決定をしてしまうことを言います。
この連載でもたまにでてきますが、集団による意思決定で決定的に重要なのは、devil's advocateと言われる、タブーなき少数意見を重んじる文化です。
ロシアは、この偏狭なグループシンクにすでに陥っており、これが改善される見込みは限りなくゼロです。
３．ここ数年ロシアの知性が国外脱出というかたちで、プーチンに異を唱えているから。プーチンのいう”偉大さ”は彼ら彼女らを侮辱している。
ワシントンのシンクタンクAtlantic Council が２０１９年に発表したレポートによれば、”プーチン原因出国Putin exodus"と呼ばれる、プーチンイヤさに国外逃亡したロシア人の数は、２０００年以降１６０万から２００万人と言われています。
その半数以上が契約社員として、また留学生として西側諸国で生活しています。亡命者もかなりの数にのぼります。
この頭脳流出は止まらない流れです。
ロシアがアホやから
記事のハイライトはこの記述です。
ウクライナへの侵略は戦略、戦術、準備において痛々しい失敗である
痛々しい失敗がなぜ引き起こされたのか。
それは先の3つで明らかですよね。
それは一言でいえば、「ロシアはバカだから」です。
昭和の阪神タイガースの名投手、江本の名文句
「ベンチがアホやから」に倣うと、
「ロシアがアホやから」となります。
なぜアホなのか、いや、アホになっちゃったのか。
○恐怖と暴力で支配してるから、バカになっちゃった
○優秀な頭脳が海外に逃げ出したから、バカになっちゃった
○バカばっかりの集団が、集団催眠でますますバカになっちゃった
からです。
頭の悪い人が成功できないように、頭の悪い国が成功できるわけがなのです、つまり永らえることはないってことです。
どうでしょうこのBusinessWeekの見立ては。
僕は正しいと思いますね。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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