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「名前を覚えること」こそワン・トゥ・ワン・マーケティングの真髄。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ワン・トゥ・ワン・マーケティングは使えるのか。機械より人間のほうが優秀かもしれない件。記憶力を軽んじるべからず。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングの終わり

今日、大学の授業でワン・トゥ・ワン・マーケティングをやりました。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングとは、企業が一人一人の顧客に対し顧客データベースを利用し、アプローチするマーケティング手法です。

店頭での営業に、ハガキやカタログの作成に、パソコンにストックした顧客情報をふんだんに使って、特定顧客だけに向けた売り込み、またはマーケティングメッセージを届けることができる仕組みです。

しかし、いま、ワン・トゥ・ワン・マーケティングは実質ウェブ・マーケティングがその役を担っています。

最新のウェブマーケティングは、顧客情報をアルゴリズムでマーケティングの目標別に最適化し、瞬時にウェブ上でワン・トゥ・ワン・マーケティングを実行するのです。

だから、僕は学生に「ワン・トゥ・ワン・マーケティングは終わった」といっています。

ウェブマーケティングが、もっと先進的なやり方でやっているからであり、データベースの時代ではなくなったから、です。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングは、でも、使える

しかし、どっこい、ワン・トゥ・ワン・マーケティングは生きているのです。

なぜならば、アルゴリズムよりも処理速度が速いソフトウェアがあるからです。

それは「人間の脳」です。

https://qr1.jp/Z63rVc

例えばビックカメラの店頭で、営業マンがデータベースを使って、ワン・トゥ・ワン・マーケティングを行うとしましょう。

営業マンが、目の前のお客さんの購買データをチェックすべく、パソコンを開きますよね、その前にお客さんの名前を聞かなくてはなりません。

この作業に1分はかかるでしょう。

しかし、営業マンがパソコンのデータベースを、そらんじていたらどうでしょう。

お客さんの顔を見たら、瞬時に名前と購買履歴がでてきたらどうでしょう。

瞬時にデータが出てくるので、かかる時間はゼロ秒です。

最高の体験を提供できるのが「人間の脳」

お客さんにとって、どちらの営業マンがより心地よい体験を提供しているでしょうか。

眼の前で名前を聞かれ、パソコンを1分間ガチャガチャやる営業マンと、瞬時に名前を言われ、前回何を買ったかを記憶している営業マン。

後者に決まっています。

読者の皆様は「たしかにそれはそうだけれど、いちいちお客の名前なんて覚えてられないよ」とおっしゃるかもしれません。

そうでしょうか。

一度あっただけで、お客様の名前を必ず覚えるという豪のものがいるのです。

それは、リーガロイヤルホテル、チーフドアマン安岡貞良(やすおか・さだよし)さん氏です。

彼は正面玄関に高級車が付いた瞬間車のナンバーで誰の車か見分け、名前を読んで出迎えるというのです。彼がそらんじることのできるお客様の名前は、5000を超えます。

安岡貞良氏 https://qr1.jp/xKX36D

彼の特技がこのホテルに大きな貢献していることは、火を見るよりも明らかです。

新しいワン・トゥ・ワン・マーケティングとは、つまるところ、お客様の名前をおぼえること、です。

そして、そのワン・トゥ・ワン・マーケティングのもっともすぐれた使い手は、安岡さんなのです。

野呂が学生の名前を覚えられない理由

この動画をご覧ください。記憶力日本一の池田義博先生の、記憶術講義です。

僕はこのビデオを見て、がーんとなったのでした。

それは、「なぜお前が学生の名前を覚えられないのか」の本当の理由がわかったからです。

それは、「そもそも覚える気がないからだ」、そう池田先生はおっしゃるのです。

覚えられないのではない、覚える気がそもそもないのだ、とおっしゃるのです。

覚える気がないというのは、記憶のスイッチが入っていないことだ、というのです。

なるほどなあ、本気で覚える気がないと、覚えるスイッチが入らないのか!

思い当たることがあり、反省した次第です。

名前を覚えるコツ

顔はわかるんだけれど、名前が出てこない。

池田先生は、ビジュアルの形ではないと、人間は記憶ができにくいというのです。

顔はビジュアルだから脳に残影が残りますが、名前はビジュアルにできないので、覚えにくいというのです。

山本ならば、本が山のようにある、というビジュアルにでも変換しない限り、覚えにくいのです。

名前を覚えるには、アウトプットを行うといいらしいです。

例えば田中くんだったら、「田中くんは、どう思う」「田中くん髪切ったね」「田中くん、よくできたね」などと、「田中くん」をつけて呼ぶと、忘れないというのです。

新しいワン・トゥ・ワン・マーケティングとは、なんのことはない、お客さんの名前を覚え、名前で呼ぶことなのです。

それはビジネスのみならず、教育でも効果満点のマーケティングなのです。

野呂 一郎
清和大学教授

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