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流行りの「国連不要論」は誤りだ。大事なのは平和への情熱だよ。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:国際刑事裁判所(ICC : International Criminal Court)という国際正義の番人の存在。ロシアを追い詰めるには完全主義は禁物。ICCも国連も不完全、でも情熱があれば機能する。国際機関が真価を発揮するには、各国の分担が必要。
プーチンの戦争犯罪を認定せよ
ここ数か月、なぜかBusinessWeekが届かずに、最近そのツケを返そうというのか、毎日3か月くらい前のBusinessWeekが次々と送られてきます。
BusinessWeekは内容は申し分ないけれど、海外読者への対応がひどすぎますね。領収書頼んでもスルーだし。
そんなことで今日は久しぶりに、BusinessWeekのネタを見てみます。
ちょっと古いんですが、先月4月4日の社説で、BusinessWeekはプーチンに戦争犯罪の責任を取らせろ(How to hold Putin accountable for war crimes in Ukraine)と力強い主張を展開しています。
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具体的には、プーチンをICC(国際刑事裁判所)にかけろ、ということです。
![](https://assets.st-note.com/img/1653739826557-5W42QWeqBU.png)
こう言うと、国連をはじめ、国際機関っていうのは、そろいもそろって、今回のウクライナ戦争をやめさせるのに役立たずってわかったじゃん、とあなたは反論しますよね。
でも、BusinessWeekの主張はそれでもやるべし、というのです。
この態度は、今後日本が世界的な問題を解決するのに、非常に大事な態度だと考えます。ちょっとおつきあいください。
完全主義は間違った態度だ
ロシアのやってることは明らかに戦争犯罪だから、しかるべき国際機関が調査して、証拠をあげて犯人を裁判にかけろという議論は日本でもありました。
実際にICCは調査を開始し、あまたの証拠が集められています。
しかし、ロシアの高官がすぐに訴追されることはありません。
なぜならば、ロシアは、ICCを産んだ”国際刑事裁判所に関するローマ規程(Rome Statute)を批准してないからです。(実はアメリカも)
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クレムリンは、だから、ICCに自国民を裁かせることを認めません。
日本ではここで議論が終わりです。
「じゃあ、だめじゃん」。
僕はここが、日本人の陥りがちな間違いだと思うんですよ。
完全主義ってやつです。
人権無視の独裁主義とはこう闘え
ビジネスウイークは、「それでもやる価値がある」、という態度なんです。
同誌の言い分を聞いてみましょう。
「たとえそうだとしても、十分でないにせよ国際的な戦争犯罪の調査は価値がある。
ロシアがなに食わぬ顔をして、罪もない一般市民をターゲットにしているという証拠をたくさん集めれば、それはプーチンの言う”合法的な軍事作戦”なぞは真っ赤な嘘という証明になる。
ロシア政府の中堅役人たちは、戦争犯罪に当たるかもしれない命令を出せば国外で逮捕されるかもしれないと考え、今後は不当な命令を躊躇するだろう。
残虐行為を分類し、公にすることで人権を守り、法の遵守を守るという世界の強い決意を浮き彫りにするだろう。
ロシアに自分たちがやったことを直視させるには、何年もかかるかもしれない。
でも、ロシアは永久には責任逃れができないことは、歴史が証明している。」
どうでしょう、読者の皆様。
最近日本で、ウクライナ戦争に関して「国連ダメダメ論」がにわかに湧き上がっているようです。
グテーレス事務局長は、無能だとか役立たずだとか。
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でもやはり、国連の決議や呼びかけはニュースにもなるし、一定の威嚇にもなるし、世界の世論を動かすことにはなると思うんです。
そのためには、各国が国連にもっと協力すべきだと思うんですよ。
同じように、ICCに対しても、ね。
ビジネスウイークは各国の協力についても、主張します。
ICCの本拠はオランダのハーグにあるので、BusinessWeekはヨーロッパ諸国がリーダーシップを取るべきだと言います。
その上で例えば、アメリカに命じてICCの検察官にこんなサポートをさせろと言うのです。
・証拠としての衛星を使った画像提供
・通信傍受
・諜報活動へのサポート
「日本も、ICCがだめだとか、国連は解体しろとか文句ばかり言う前に、人類が2つの大戦の反省としてせっかくこさえた国際機関に、もっと積極的に協力しろよ」、と言いたいですね。
国連担当大臣という職を新設したらどうなんだ?
まあそれにしても、話は変わるけれど、日本の大臣こそ、そろいもそろって無能ですよね。それは、能力や専門性で選んでないから。
どの大臣とは言わないけれどね。
さて戻ります。
どんな平和のための国際機関だって、世界に200くらい国があるなかで、完全なものなんて、できるわけないじゃないですか。
だから不完全だからといって、ゴミ扱いはやめるべきです。
大事なことは、各国がいかに平和に対して情熱があるか、ということじゃないでしょうか。
高校生の皆さん、今後の世界の平和はキミたちにかかっているよ。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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