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AIと旧弊に板挟みで苦悶する日本のナレッジワーカー。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ナレッジワーカー誕生から60有余年、新人種だったはずがいまピンチに。AIの現在地アップデート。日本の生産性を上げるにはどうすべきか。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3YVBZwy

ナレッジワーカー異聞

ナレッジワーカー、1959年にかのピーター・ドラッカーが発明した言葉です。

繰り返し性のない知的な仕事、特に問題解決をする人の意味です。

https://qr.quel.jp/pv.php?b=3FXLfaY

以来、ナレッジワーカーがこれからのナレッジ・エコノミーを担うのだ、という時代の雰囲気ができつつありました。

ニューヨーク・タイムズWeekly2022年12月18日号は、このナレッジワーカーがAIにその存在意義を問われている、と報じています。

先日もこのネタを紹介しましたが、今回は歴史的な視点と、AIの最新到着地について論じています。

記事の結論はすでに、ナレッジワーカーの一部の仕事はAIに奪われており、この問題を真剣に考えるべきだ、というものです。

ニューヨークタイムズは、AIはこれから本格的に知的労働者の仕事を奪うだろう、と予想しています。                                                                                                                                                                                                                                                                                               

産業革命以来、肉体労働は機械に取って代わられました。

組み立てラインのルーティンワークは、ロボットが行うようになったのです。

これをニューヨーク・タイムズは「筋肉は機械に代替されたMachines replaced muscles」と表現しています。

しかし、いまや機械AIはナレッジワークを代替し始めています

人間よりも知的な会話ができるAI

最近注目されているAIの性能を示す試みが、チャットGPT(ChatGPT)です。

これは人間とAIの実際の会話を模したプログラムで、人間が質問をしたり、リクエストをすると、AIが反応するものです。

この反応が驚くほどクリアで、情報をよく取り込んでいる(well-informed)つまり博識ぶりが凄い、というのです。

言葉自体も機械的でなくて、ときに詩的な表現もするというのです。

ある人がAIに今の不況の分析を聞いたら、知的で詩的な答えが返ってきたというのです。

これって、人間と話すより面白くないですか?

AI翻訳の実力

ニューヨーク・タイムズは、AIの翻訳技術の進歩について
こう報じています。

「昔は機械による翻訳なんてジョークだった。しかし、いまや翻訳のレベルはこんなところまで来ている このロシア語を英語に訳させるとこんなだ。

原文
 The spirit was willing the flesh was weak
精神は健全だが、肉体は弱っていた
          ↓

AI翻訳
The vodka was good but the meat is spoiled
ウォッカはうまかったが、肉は腐っていた
 
これはAIがもはや文脈まで読んで、原語にとらわれずに、流れの中で文章を解釈する力をつけていることを意味している。
 
確かに、偉大な文学作品を英愛が書けるというレベルではない。

しかし、翻訳機としては十分使えるレベルだ、これは、ほかの目的にも十分使えるのだ。
 
それでもあなたは、クリエイティブなことにはまだ使えない、と言うかもしれない。
 
じゃあ、人間はそんなにクリエイティブで深い洞察力があるのか、と言いたい。」

前掲ニューヨーク・タイムズ

日本の課題はデジタル化とAI化

日本経済の弱さは、結局、ホワイトカラーの生産性がダメなことです。
 
数年で、韓国や台湾にもGDPで近く抜かれるという報道があります。

それは、デジタルの活用が、かの国々に劣っているからです。
 
おそらくAIの使用についても同じでしょう。
 
僕の職場もあなたの職場も、どうせ起案書だとか稟議書の山で、管理職はハンコを一日何百回つくのが仕事の大半、という具合ではないでしょうか。

有休をとるんでも、分厚い帳面を繰って、手帳のカレンダーを見ながら、最後にハンコを押すんでしょ。

出張がめんどうなのは、出張そのものじゃなくて、出張のあとの書類作成ですよね、領収書をひとつひとつ紙にくっつけて提出するまで、下手すると1週間かかるのはザラです。

こんなのも、デジタルとAIを融合したアプリを作ればいいのに。

それ以前に、大部屋制度をやめろよ、といいたいですね。

ショッ超邪魔が入り、管理職のあなたも電話を取らなきゃならないこの職場でホワイトカラーの生産性が上がるわけないでしょ。

ナレッジワーカーの危機は、つまりあなたの危機は、すぐそこにあります。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
 
                           野呂 一郎
              清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
 
 
 

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