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なぜ、企業はコロナの不確実性を克服できないのか?

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:アメリカのほぼ100%のオフィスワーカーが、コロナ前のオフィスに戻りたくないという事実。多くの企業が、この事実に手をこまねいてオフィス環境改善に取り組まない事実。ポストコロナのオフィス政策、オフィス環境改善についてのヒント。

オフィスワーカーの真実

昨日BusinessWeekのリモートワークに関するデータを見ていただきました。

このデータだけでなく、The Wall Street Journal等の報道などでも確実に言えることは、以下のことです。

1. 全ての労働者がオフィスでも、在宅でも仕事の生産性は変わらないと思っている(BusinessWeek8/2/2021)
2. だから、毎日オフィスに出てきて仕事をするのはマスト、と企業が考えるのは無理がある
3. 昨年在宅勤務でキッチンのテーブルで仕事をすることを余儀なくされた多くの労働者は、5段階の苦悩を経験したという。また今度オフィスワークに戻ると、同じような症状に苦しめられるかもしれない。(人材会社コーン・フェリーのリクルーター兼コンサルタントで産業心理学者のDennis Baltzley氏)

オフィス環境改善に二の足を踏む企業

労働者の答えはでています。リモートワーク希望です。「週5日出てこい」はジョークです。

完全リモートができないならば、週に1日から3日出社を義務付け、あとはリモートワーク、こういう構えです。

しかし、多くの企業がまだ、この新しい変化に答えを出していません。来年2022年まで様子を見るつもりです。

しかし、その中でハッキリ態度を決めた大企業もあります。

バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースは、なんとコロナ前の体制を変えません。「週5日きっちり出てこい」の姿勢を明らかにしています。

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週の一部だけ出社すればあとはリモートワークを認める、いわゆるハイブリッド型の導入は最もポピュラーな案です。

昨日のデータでも明らかになりましたが、1500人を対象としたGrant Thornton LLPのコンサルタントが行った調査では、40%の労働者がフルタイムのオフィス勤務ならば、転職すると答えており、実際にそれを実行にうつしています。79%の労働者はフレキシビリティ、柔軟な働き方を求めているのです。

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なぜ、企業は手をこまねいているのか

従業員全員が、コロナ前の体制を拒否しています。そしてもう企業の出すべき答えは、ハッキリしています。最低でもハイブリッド(オフィス+リモート)です。

しかし、多くの企業が態度をはっきりさせていません。明確なオフィス・ポリシーを発表していません。なぜか?BusinessWeekは3つの理由をあげます。

1. 明確にどの業務をリモートにするかの判断が難しい。絶対にこの仕事はリモートのほうが生産性が上がるという特定ができてない。
2. マネジャー教育ができてない。ハイブリッド下におけるマネジメントは、これまでと違うものさしが必要だ。在宅でどう部下をマネジメントするか、ハイブリッドではどうするか。評価もこれまでと同じであってはならない。企業はまだマネジャー教育をどうするか考えあぐねているのだ。
3. フレキシブルな職場環境をますます求める声は、企業にも聞こえている。しかし、実際どうしていいかわからない

野呂はきのう、日本はDXとリモートを組み合わせろ、と申し上げましたが、アメリカではそういう議論はないようですね。もうすでにデジタル環境は整っているのでしょう。

経済の主役は言うまでもなく労働者です。その労働者がより気持ちよく、効率的に働ける環境を整えることが、不確実性を乗り越える根本ではないでしょうか。

しかし、驚いたことに、アメリカ企業のほとんどがその準備をしておらず、宙ぶらりんの状態にいるのです。

未来を予測し、その描いた詳細を明確にし、それに備えることが生き残る企業の条件ではないでしょうか。

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企業は上記3つの課題をクリアせずして、コロナ前の生産性を超えることはできないと思います。

今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

それではまた明日。

                             野呂 一郎


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