見出し画像

アメリカの労働市場の構造変化。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:アメリカの労働市場の変化。アメリカ経済の実情から、日本経済の未来を占うことはできるか、実験。

対岸の火事から学ぶ

よく、アメリカがクシャミをすると、日本は風邪をひくなどといわれたものです。

この言説は、日本がアメリカの強い影響化にあった60~70年代によく言われたもので、「アメリカかぶれの日本人」という自虐でもありました。

しかし、今はグローバル化の進展、交通機関の発達、インターネットの普及などで、アメリカの影響はよりダイレクトになっていると言えましょう。

もちろん、それはアメリカだけに限ったことではなくて、それ以外の国からの影響を受けている度合いもどんどん大きくなっています。

いま、アメリカの銀行の破綻が次々に報じられ、世界的な金融危機が起こるのではないかと懸念されています。

2008年のリーマンショックを引き合いに出すまでもなく、世界の金融機関は相互依存をますます強めており、心配ですね。

アメリカの風邪が日本に伝染るか実験

だから、アメリカの現実に目を向ければ、日本の未来もわかろうというものです。ちょっとやってみましょう。

仮説→理由→証拠→結論、としてみました。

仮説:投資家と経営者を優遇していたアメリカ企業は、今度は労働者をより大事にする方向にシフトする。結果労働者の収入は増え、消費は拡大するが、企業は労働力不足に対応するためコストがかさみ、企業の利益は上がらない。株価も低迷し、それは日本経済にも悪影響を与える。

理由:
1.歴史的なインフレで原材料費が高騰、企業の収益を圧迫している
2.労働者特に製造業、労働集約的な業種での採用が困難になっている。
3.失業率が低く、従業員が集まらない
4.移民の流入がより厳しく規制されて、労働力確保が困難
5.企業は採用と労働者定着の為に、よりコストがかかっている
6.企業ではシニア労働者がリタイアしつつある

証拠を示す数字

1.一般労働者の給与水準が上がっている

米経済シンクタンク、エコノミック・ポリシー・インスティチュート(Economic Policy Institute)の調べによると、製造業と非マネジメント職に携わる労働者の昨年の賃金は2007年から、その他の労働者に比べ最も大きな伸びを示した。

2.低賃金の労働者への給与、手当が増えている

ホームデポが時給労働者の賃金を上げるために10億ドルを支出ウォルマートがバイトの最低賃金を上げ、手当も増額。

3.史上最低の失業率

ここ40年で最も低い失業率。3.4%。

結論

労働力不足が続く限り、アメリカ企業は低賃金労働者の引き止め、獲得にコストを引き続き支払わなければならず、利益は上がらず、株価も低迷するだろう。

アメリカは企業が利益を上げると、その大半を投資家と自社エクゼクティブに気前よく配分し、その残りを一般社員と末端の時給労働者がもらう、という構造だった。しかし、今やそれは逆転したのだ。

好条件を要求しているのは低賃金労働者だけではなく、特にコロナをきっかけに、リモートワークは当たり前で、オフィス勤務なら週3日以上ならば人が来ない現実がある。

労働者の時代がやってきたのかもしれない。

戦争が続けば、ますます米企業の収益体質が弱まり、それが日本経済にもマイナスを及ぼすであろう。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。

野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?