大リーグのコーポレート・ガバナンス問題。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:結局、一平氏問題はドジャースのコーポレート・ガバナンス問題と言える。いや、そうではなくMLB全体のコーポレート・ガバナンスが問われている。
コーポレート・ガバナンスとは何か
コーポレート・ガバナンス(Corporate governance)とは、直訳してみれば企業の統治となります。
統治とは不祥事たとえば経営陣の暴走、企業倫理の無視などが起きないように監督すること、です。
そのためにはお目付け役や、制度が必要になります。
洋の東西を問わず、組織は都合の悪いことを隠す性質があります。
しかし、今の世の中はコンプライアンス(compliance法や規則の順守、
情報開示、高い倫理観が企業に求められており、スポーツ産業も例外ではありません。
ド軍の問題
結局は、コーポレート・ガバナンスで最も重要なのは、僕の意見ですが、「未然防止」につきます。
不祥事を起こさない仕組み、の構築です。
その意味で、ドジャースおよび球団の統括団体と考えられるMLBには、抜かりがありました。
3つを指摘できましょう。
1.選手サポートスタッフのバックグラウンド調査の甘さ
彼のギャンブル癖は、表に出ていたはずです。しかし、ド軍はそれをチェックした形跡はありません。
一平氏は学歴詐称も疑われていますが、この件も同様に見過ごされています。
2.一平氏のジョブ・ディスクリプション(職務記述書)の誤り
一平氏がド軍に雇われている限り、契約を交わしているはずです。
その中心がジョブ・ディスクリプション(job description 職務記述書)と呼ばれるもので、職務の細かい内容を記したものです。
彼がやっていたのは、通訳だけではなく、運転、大谷選手の身の回りの世話、キャッチボールの相手など多岐にわたります。
しかし、これらは本当にジョブ・ディスクリプションに記されていたのでしょうか。
とてもそうは思えません。
マネジャー業務は通訳と切り離すべきだし、トスバッティングの相手をすることも適切とは思えません。
3.インターナショナル選手管理の不備
カリフォルニアには大勢の移民がいて、人種のるつぼであるアメリカにおいても、文化や言語の多様性が顕著です。
その中でド軍は、大谷選手のような「インターナショナル選手」の管理は、非常に大きな経営問題だったはず、です。
個人のプライバシー問題とは別に、インターナショナル選手が活躍するためのサポート、そしてリスク管理を徹底すべきなのです。
大谷選手が個人で代理人を起用することは構いませんが、球団としてこの点で何もしてないように思えます。
さて、これから合宿に行かねばならず、まだ書きたいのですが、取り敢えず今日はここまでとします。
皆様よい一日を。
野呂 一郎
清和大学教授
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