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凶悪化するアメリカの万引犯罪を他山の石とせよ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:日本もコンビニなど、凶悪犯罪などの事例が増えるかもしれない件。命を守るリスク管理最前線。従業員の安全を守れる企業でないと勝てない。

凶悪化する万引き犯

The Wall Street Journal電子版2023年9月14日号は、America’s Battle With Shoplifting Is Getting Dangerous for Workers(アメリカの万引き犯との戦いは労働者にとってどんどん危険になっている)とのタイトルで、アメリカ企業がいかに労働者を危険から守るかが大きな経営課題になりつつあるかを報じています。

新しい心得は、これです。

万引き犯と対峙してはいけない。

最近の事件では、コンビニのオーナーが万引き犯を見つけ、立ちふさがったのですが、犯人は外に逃げ、自宅から拳銃を持ってきて再び店に戻り、オーナーを撃ちました。

万引き犯が武装していることも珍しくなく、とにかくすぐに警察に連絡することが大事です。

コンビニチェーンによっては、自らの身体に危害が及ばない限り、ポリスに電話することも禁じているところもあります。

基本を忘れるな

犯罪が悪質化、バイオレンス化しているので、万引きくらいだったら警察に通報しないほうが、従業員の安全を守れるという判断なのでしょう。

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とにかく、いかなる状況でも、企業の態度は一つです。

「従業員とお客さんの安全を守ることが、第一」

しかし、それはある意味きれいごとであり、現実はもっと厳しいのです。

大企業であれば、非番の警察官を雇うこともできますが、中小零細企業では、そんなゆとりもありません。

アメリカでは、万引きされた分、給料から引かれるとなれば、店主も武装して対応するのは、紛れもない現実なのです。

先日、コンビニの店員が、万引き犯の女性を撃ち殺してしまう事件があり、妊婦だったため、店員が逆に過剰防衛に問われる事件がありました。

店員は妊婦が武装していたと主張しましたが、アメリカの現実を考えると、過剰な反応は致し方ないところでしょう。

日本も他山の山とすべし

万引きは、コンビニのみならず、スーパーや書店でも大きな経営問題です。

店舗の売上の被害は、経営の死活問題になりつつあります。

2021年の経済産業省の発表によると、日本国内における万引き被害額は判明しているだけでも年間4615億円で、実際には報告されていない被害も含めるとその10倍はあると推定されています。

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一方で、働く従業員の安全を守る観点から、日本でも犯人が凶器を持っている前提でこれからは対処すべきだと考えます。

もちろん、万引きだけではなくて、強盗その他の凶悪犯罪にも備えなくてはなりません。

問題は先程もふれましたが、警備にコストをかけられない零細、中小企業をどう守るか、ということです。

究極の答えは無人店舗で、入店も支払いもID(身分証明)をかざすだけならば、万引きも強盗もないでしょう。

でも無人店舗はコストがかかりすぎるから、やはり大企業の選択ですよねえ。

少なくも、24時間営業は絶対ダメで、夜10時で有事の際はボタン一つで警察とつながるしくみを作る、くらいでしょうか。

いずれにせよ、企業にとって従業員の命の次に大事なのは、競争に勝つことであって、その意味でも従業員が危険を少しでも感じるような職場はNGです。

中小企業であっても、従業員の安全を第一に考える企業をアピールできる組織こそ、今の時代の勝ち組なのです。

野呂 一郎
清和大学教授



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