自動車王フォードのいまだ晴れぬ怨念。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:サプライチェーンの本質。知られざる自動車王フォードの真の姿。フォード主義とは何か。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3P2qHS0
サプライチェーンは古くて新しい問題
今年、この連載の流行語大賞があるとすれば、もう「サプライチェーン」で決まりでしょうね。
しかし、温故知新、サプライチェーンの問題はきのう、今日の問題じゃなかったんです。
2022年7月4日号のニューヨーク・タイムズは、自動車王フォードを”大量生産のゴッドファーザーthe god farther of ”と呼び、生産管理に関して並々ならぬこだわりを持っていたことを明らかにしています。
その一つがサプライチェーンに関しての考え方です。
記事はフォードの憤りで満ちています。
その結果、ヘンリー・フォードはミシガン州デトロイトに、大規模な工場を次々建築したわけです。
しかし、それも彼を安心させるには至りませんでした。
そしてついに、彼はつぎのような症状を呈することになるのです。
「彼は、自分が作った生産プロセスのあらゆる局面をコントロールすることに、取り憑かれた」
サプライチェーンの本質は「常に不安定」
フォードの死後100年たった現在、創業者の心配は解決されたのでしょうか。
いいえ。
工場は今日も操業していますが、致命的に重要なコンポーネントの不足に常に悩まされています。
半導体です。
半導体を精製して加工したのがチップで、フォードはそのチップの供給を台湾のたった一社に任せているのです。
昨今の世界的なチップ欠乏で、フォードはしばしば生産をストップするはめに陥っています。
フォードの人気車種F-150ピックアップトラックも、未完成のまま一時的に工場の一角に置かれたままです。
最終工程である、チップの取り付けを待っているのです。
記事のサビの部分はここ、です。
バックアップ計画とは、サプライチェーンが滞った時に、どうするかのプランA、プランBのことです。
記事は「フォードが生きていれば、とっくに自分で半導体を作っているだろう」とまとめています。
ものづくりの執念を見た
僕はこの記事から、やはり人類の歴史に残るシステムを創るような人の、精神は凄いな、と思いました。
それは、「常に生産現場すべてをコントロールするんだ」という熱意、いや執念です。
それは、サプライチェーンの宿痾ともいえる、部品、原材料の不安定さとの終わりなき戦いに勝つ、という強い意志です。それは叶えられてないがゆえに”怨念”と化しているともいえましょう。(ほんとか(笑)
フォーディズム(フォード主義)が色々に言われていますが、それは取り憑かれしものの怨念である、あえてそう言っておきましょう。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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