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「経営学的経済学」が指摘する「日経平均最高値陰謀説」。

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:経済学はわかりにくい。でも、経済学に経営学視点を取り入れるとわかりやすくなる。経済学は学者の占有物ではなく、むしろ一般人のもの。なぜならば庶民の現場感覚のほうが、経済の実態を捉えているから。日経平均最高値はデマじゃないけれど、誇大広告じゃね、という悪魔の指摘。トップ画はhttps://qr1.jp/a1SznY

日経平均株価最高値は陰謀か

僕は、こういう自由な発想こそ、経営学的な経済のとらえかただと思っているんですよ。

つまりこういうことです。

経営学的な経済のとらえかたの根本って、「現場感覚」なんですよ。

それは、昨日も喘息の最新情報について書いた記事で触れました。

現場感覚とは、あなたの体で感じる快、不快のことですよ、ということです。

経済学って、数字と理論だけが独り歩きして、それはほぼいつも現実と乖離しているんですよ。

数字や理論で、経済の実態が捉えられないことは、経済学が心理学に移行しているように見えることが証明しています。

行動経済学や神経経済学は、人間の心理と行動によりスポットを当てたもので、例えばスーパーで買い物客の目の動きを分析して、それがどの程度実際の購買に影響しているかを検証するものです。

下は行動経済学でいうところの、バンドワゴン効果、で、多くの人が並んでるから美味しいはずだ、という心理が働くことを説明したイラストです。

https://qr1.jp/0C8nPR

もはやマクロで需要と供給がどうのこうので、経済の実態はわからないのです。

経済学も現場を取り入れている

街かど景気の経済学、っていう本を学生にススメているんですけれど、これは経済の現場感覚が経済学にとりいれられていることを、解説した本です。


日銀短観ってあるじゃないですか、あれは日銀が定期的に大企業、中小企業に対し、景気の実感をポイントで評価させる仕組みです。

景気ウォッチャー調査、もそうです。

企業に対して景気の実感を言え、って尋ねてポイントで発表するわけです。

この調査って、経済理論や統計数字が一切はいらないのがミソです。

経済学も、すでに「現場感覚」が取り入れられているのです

もう20年くらい前かなあ、当時読んでいたUSA Todayにこんな事が書いてあったのを思い出します。

経済予測はエコノミストや経済専門家の予測よりも、一般人のそれのほうがあたる、これは数字もある、事実だ」。

そんなことで、経営学的な経済学へのアプローチも、ありです。

デフレマインドで経済学が効かない

「日経平均株価最高値陰謀説」。

これはね、経営学的な理屈で、あり得る考察なんですって。

なぜならば、この日経平均株価最高値って、現場感覚つまり庶民の景気感覚と離れすぎてるでしょ。

それをマスコミがはやし立てれば立てるほど、庶民は「はぁー?」って感じが募るでしょ。

だって、日本は先進国の中で唯一、1996年からインフレ調整後の賃金が13%も下がっている国なんですよ。

BusinessWeekはこの経済での、日本人のメンタリティを「デフレマインドdeflationary mindset」と表現してますね。

2019年あたりのBusinessWeekの日本に関する記事をみると、こんなのがありました。

「日本銀行の頭取はデフレマインドのおかげで、どんな経済施策をやっても経済が復興しないと嘆いている。Bank of Japan Haruhiko Kuroda blames for thwarting his efforts to revive the economy, using every trick in the central bankers' playbook」

BusinessWeek2019年4月22日号 Japan and the paradox of thriftP34-35
(日本とケチンボという逆説)より

これは先ほど僕のいった、従来の経済学が役に立つの?という疑問を裏付ける言葉でもあります。

要するに、「デフレマインドという強い意識」が、経済学で考える理屈をはねのけちゃっているという事実を示しているのです。

日本人のデフレマインドに大変苦労した黒田さん。https://qr1.jp/lbQg13

もう一つ経営学的に言えば、この記事でも指摘していたんですが、日本人の「節約気質thrift mentality」も、景気回復を防げている可能性があります。

節約気質に加え、デフレマインドが日本の景気回復を拒んでいるのです。

そこに持ってきて「日経平均株価3万円超え」ってなんだ、ってことですよね。

スーパーの実態

皆様もじゅうじゅうお感じのことですが、スーパーでもみんな安い棚に行きますよね。

近くのサミットでせんべい20%引きのチラシに誘われて、昼間にでかけたんですが、もう棚はカラでした。

https://qr1.jp/fglFp4

インフレ(物価上昇局面)になっても、デフレマインドは健在なんです。

日経平均株価が上がって、企業は賃上げをしてますけれど、でも実質賃金は下がってるんですよ。

だけれど、新聞の見出しには「日経平均株価最高!」「景気回復!」「トンネルを抜けた日本経済!」なんて、経済現場にいる我々とかけ離れた掛け声が踊っています。

やっぱりこれは自民党とマスコミがタッグを組んだ陰謀なのでは、とも考えるわけなんですよ。

間違ってないよね。

野呂 一郎
清和大学教授



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