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恋愛時計 あとがき

恋愛時計はいかがだったでしょうか。

元々は恋愛時計をモチーフにしたポストが始まりでした。

多くの方からそのポストに賛同をいただき、調子に乗った僕は小説を書きます!と宣言してしまったのです。

過去に何回か小説のようなものは書いてはいたのですが、エンディングまで書けたのは1回のみ。進めるうちに描きたい内容が増えてしまい、ゴールが果てしなく先に見えて先に進めなくなってしまうんです。

なので、今回はエンディングを先に書きました。そこに向けてストーリーを作っていけばとりあえず形には出来るはずだと。

前半は祥子と彼女を取り巻く環境を丁寧に描きました。それによって後半の女風ストーリーの厚みが増すと考えたからです。音楽好きな女性が結婚して子宝に恵まれ幸せな家庭を築く前半と恋愛時計が動き出す後半。

普通の女風ストーリーにならないように、そこに音楽を絡ませて、セラピストを好きになるのではなくて好きになった人がセラピストでしかも遠い存在の人だった、という設定で僕なりの個性を出しました。

本当は29話で終わっていたんです。でもどうもしっくり来なかったんですよね。書いたはいいけど、僕の中で最後がセピア色というイメージはなくて。

で、進めるうちに祥子と奏の関係が色々見えてきて(ガチっと設定があった訳ではなく書きながら決まっていきました)、あのエンディングにすることが出来ました。そういう意味では祥子と奏が作り上げたエンディングかなとも思います。

僕的には映像がハッキリ浮かんできてなかなかいい出来です(自画自賛)。明るいリビング全景からCDにフォーカスしていくような。

読み手によって解釈が変わるようなエンディングも理想的でした。

人だったりものだったり、何かを好きになって夢中になれるって素晴らしいことだと思います。それが毎日の栄養になり、笑顔の元になり。

何が残るかなんて夢中になってるときは恐らく考えないと思うんですけど、素敵な何かが残ればいいな、好きになったことを後悔するのではなく感謝と未来への何かが残ればいいな、という思いも込めています。

大した伏線じゃないですけど、そういうのもあります。

まだ読んでない方は、是非第1話から読んでみてください。多分、ほっこりするエンディングに会えると思います。

そして、小説の中に出てくる曲「恋愛時計」も形にしました。良かったら聴いてみてください。Xの固定ポストで公開しています。

原稿用紙90枚分、僕にとって2024年夏の大きな軌跡であり、その時、確かに生きていた証になりました。

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