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Corvara -l’ultimo giorno-

せっかく朝早く起きられたので少し上の方まで行ってみようと、初日に買い物をしたスーパーから程近いところにあるロープウェイでまず山の中腹まで行った。

ハイジの世界だった。空気も全く下とは違う。歩いている人たちもゆっくりと一歩一歩を踏みしめているように見えた。

さらに山道を下上がったり下ったり。途中すれ違う人々の挨拶はイタリア語の他にドイツ語、フランス語、英語とさまざまだった。犬を連れている人もたくさんいて、可愛いのでいちいち立ち止まって飼い主と犬に挨拶をした。

ずいぶん上まで来たのでまたおにぎりで昼食をとる。イタリア人の夫もおにぎりは大好きなので文句も言わず二日間同じ昼食を食べてくれる。ここに着く途中に水組み場があったのでペットボトルに新鮮な水を入れておいた。おにぎりと美味しい水の相性は最高だ。

昼食後少し昼寝をした後ウサギと戯れたり、また水を汲みに行ったり、トイレをすませたりして下山することにした。

道はどこまでも続いているように思えた。いつかここへまた戻ってこられるのだろうか、初めての場所へ旅行に来ると必ずその事を考えてしまう。いい旅をしているときは特に。

明日はまた次の場所へ移動するので夜は予約しておいたこの地域の料理を食べられるレストランへ少しきちんとした洋服で訪れた。しかし足元は山の靴だ。カネーデルリは肉団子のようなものでこの地域の料理だがゴルゴンゾーラと食べるのは珍しいようだった。初めて食べる料理でさらに大好きなゴルゴンゾーラがかかっている、夢のような一皿だった。
私たちの隣のテーブルには4人の家族が食事をしていたが、時々テーブルの下がもそもそと動くのでかなり気になっていた。何かいるのか、それとも子供が隠れて遊んでいるのか、食べている間中考えていた。会計を済ましてその家族が席を立った時、パトラッシュのような白くて大きな犬が立ち上がった。思わず私は「わぁ、犬がいたんですか!なんて綺麗な犬なんでしょう!」と言ってしまった。

時すでに遅し。1時間くらい(わたしにはそのくらいに感じた)犬の種類や性質を飼い主が説明してくれた。イタリア人は話が好きだ。とにかくじっくり人と話すのが好きだと思う。私は満腹で夢心地なゆっくりした夜を過ごしたかったが綺麗な犬と飼い主とその家族と賑やかなコルヴァーラ最後の夜を過ごした。

#旅コラム #イタリア #トレンティーノ

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